渡邊 亜紀子(スポーツトレーナー)- コラム「ラジオ体操の危機」 - 専門家プロファイル

渡邊 亜紀子
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渡邊 亜紀子

ワタナベ アキコ
( 東京都 / スポーツトレーナー )
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ラジオ体操の危機

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2017-01-17 10:49

自由が丘スウェディッシュマッサージ&ストレッチ『Lycka till』の渡邊亜紀子です。

 

 

 

新年早々、驚きのご近所ニュースが飛び込んできた。

 


我が家の近所の公園で長年行われてきた朝のラジオ体操が、中止に追い込まれたというニュースだ。

うちの近所のラジオ体操は毎日行われていた。多くはご近所のお年寄りや子ども達が参加していた。

 

 

中止になった理由は近所から「うるさい」というクレームがあったから。

それによって行政が中止を勧告した。

 

 

確かに朝っぱらからうるさいかもしれない・・・が、ちょっと待って欲しい。

 

 

うちの近隣はとても閑静な住宅街とはいえない。

どちらかと言えば横浜の下町で、国道1号線も近くにある。

トラックも数多く走るが、未だに深夜ときどき暴走族が走っている。

電車の駅も近い。

そのせいか窓も防音対策を施した仕様になっている。

我が家ももれなく防音仕様である。

 

 

長年住んでいる人であれば今さら気にならないだろうし、最近建った家に越してしたのなら防音対策は施してあるだろう。

それでも音がうるさいのなら、それは建築上のミスである。

というか、ラジオ体操より暴走族の音のがよっぽどうるさいし、導線上パトカーや救急車・消防車がひっきりなしに通る。

それは気にならないのか・・・?

 

 

 

 

クレームをつける人や反対を訴える人の声は、たとえ数が少なくとも大きい。

現状で満足している人はたとえ数が多くとも、声をあげることは少ない。

大きな声に押されてしまい、確認もしない行政とは如何なものだろうか?

 

 

私達の生活も岐路に立たされているのかもしれない。

賛成や満足の声もあげていかなければ、少数の反対の大きな声が優先されてしまうことにもなりかねない。

最近の例が「子どもが遊んではいけない公園」であろう。

ご近所の数多くの人がそんなふうに思っていたわけではないと思う。しかし声の大きな意見が反映されてしまったのだろう。

 

 

 

 

ラジオ体操は長く続けていけば、筋力の維持に大いに役立つ。

歳をとっていけば、なかなかスポーツを続けるのが難しくなってくる。

走るのも長距離歩くのもなかなか難儀になってくる。

スポーツジムでの筋トレも慎重に行わなくてはならない(骨の脆さや持病の関係があるので)。誰でも気軽に行えるものではないだろう。

 

 

その点ラジオ体操は、近距離にしても毎日決まった時間に歩く。

体操で全身動かす。

集まった人たちと会話する。

安否確認もできる。

 

 

身体と心の健康にも良く、安否確認もできるスグレモノなのである。

 

 

ラジオ体操の健康への貢献度を軽視しすぎだ。

歳を重ねると全身運動する機会が減り、なかでも使わない筋肉は硬くなってくる。

硬くなった筋肉は更に動かしにくくなる。

それが全身のバランスを崩し、痛みの原因の一端にもなる。

全身運動を行うことにより、血液循環はもとより体液循環もよくなる。

朝行うことにより自律神経の調節にも大いに役立つ。

 

 

最近では子どもの自律神経の乱れが増えていると聞く。

夜遅くまで起き、朝も遅くまで寝ていることによる体内時計の乱れも大きな要因のひとつだ。

高齢者だけでなく、子どもにも大いに貢献している。

また人と話すことで脳が活性化し、色んな年代と接することで社会性が身につく。

 

 

いい人間関係が幸せと健康の秘訣であるという大学の研究報告がある。

一番わかりやすい例として円満な家族に囲まれて過ごした人と孤独に過ごしてきた人との幸福度の違いである。

ラジオ体操は家族とも違うし、必ずしも円満な人間関係が築けるとも限らないが、少なくとも他人と接する機会が与えられる。それはお金を払って来てくれるヘルパーさんとは違うものだ。

 

 

 

 

高齢化が進み、歳出が増えてどこの自治体も大変だと思う。

健康保険も介護保険もこれからかかるお金はどんどん増えていくだろう。

だったら何故もっと健康でいることについて考えないのだろう。

市民レベルで無償で行われていることを何故考えなしで止めるのか?

これが自治体主導で行った場合は多少なりとも経費がかかるはずだ。それは私達の税金なんだけどね。

大きな枠組みで考えて欲しいものである。

 

 

 

 

もしまだ近隣でラジオ体操が行われているようなら、ぜひ一度参加してみて欲しい。

(積雪の多いところは今の時期は行われていないかもしれないが)

全力で行うと意外と汗ばむくらいの運動になる。

コツは指先までキッチリ伸ばすこと。

ぜひ試してみて欲しい。

 

 

illustration by フリーメディカルイラスト図鑑

 

 

 

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