藤森 哲也(不動産コンサルタント)- Q&A回答「害虫による瑕疵担保責任について」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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購入したばかりの中古物件に害虫が大発生。

住宅・不動産 住宅・不動産トラブル 2017/01/21 21:42

購入したばかりの中古一戸建て住宅に害虫が大発生することに住んでから気づかされました。
リフォームをしてから住んでいるのですが、
住宅検査では白蟻の被害は無しと書かれていたにも関わらず、
後に害虫駆除業界を呼んだ所、白蟻被害有、あとこの現状はウチでは手に負えないので、と害虫駆除を断られる様な現状です。

これは瑕疵にあたるのかと、住宅関係の無料相談できる所に相談しましたが、無理だと言われてしまい
ショックを受けました。

今もどこからともなく虫が入り込み、虫を見ない日がない現状です。

これは不動産会社に責任をとってもらう事はできるのでしょうか。

はる333333さん ( 千葉県 / 女性 / 29歳 )

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

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害虫による瑕疵担保責任について

2017/01/22 18:01

はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。

せっかくの住宅購入で、このような状況に悩まされるストレスは大変なものと

察します。



ご質問いただきました件ですが、いくつか確認が必要なポイントがございます。

まず、この物件の売主は宅建業者でしょうか、それとも個人の方でしょうか。

これにより、瑕疵担保責任の内容に違いが出てきます。


また、害虫とはシロアリのことでよろしいでしょうか。


そして、無料相談で「瑕疵担保責任は無理」と言われたことですが、

その理由はどのようなものでしたでしょう?




こういったトラブルの場合で、何かしらの名目で費用負担を請求する先には、

売主への瑕疵担保責任による損害賠償請求、または契約解除があります。

仲介業者などの明らかな見落としや怠慢が原因であれば、その業者にも請求できる

ものもあるかもしれませんが、住んでみないと発覚しない状況の瑕疵ですと、

売主から告げられている等ない限り、発見することの義務や賠償責任を負わせる

ことまでは難しいと思います。



そこで、今回の売主が宅建業者なのか個人なのかは、資力も含め重要なポイントになります。

個人間の売買ですと、売主は担保責任を一切負わないとする特約も原則として有効なので、

「現況有姿・後々発見された瑕疵(物件の不具合)担保責任を売主は一切負わない」とした

契約となっていることがあります。

売主が宅建業者であれば、説明のなかった隠れたる瑕疵に一定期間の責任が生じます。



また、瑕疵担保責任が設定されている場合、その範囲と期間も合わせて確認して下さい。

中古住宅の場合、売主が個人であることが多く、その場合、瑕疵担保責任の期間が

引渡し後2~3ヶ月までと短く設定できます。または、先程説明しました免責です。

売主が宅建業者の場合、民法による発見から1年よりも優先することができる、

宅建業法の引渡し後2年までで設定していることが一般的です。



瑕疵の範囲についても、売主が個人の場合、一般的な範囲(契約条件)として契約書等に

記載されている部分は『雨漏り、シロアリの害、建物の構造上主要な部位の木部の腐蝕、

給排水設備の故障』といった箇所です。

当然、責任をもつ範囲を変える事もできますが、瑕疵担保責任を設定する場合、

ほとんどがこの範囲のままとなっています。

売主が宅建業者の場合、これらにかかわらず隠れたる瑕疵について責任が生じます。




今回の契約相手と、設定されている瑕疵担保責任の内容はどうでしょうか。

・売主は個人か宅建業者か。
・個人の場合、瑕疵担保責任の設定はあるのか、それとも免責となっているか。
・瑕疵担保責任がある場合、その範囲と期間は?
・瑕疵担保責任を請求できる期間は超えていないか。
・瑕疵担保責任の対象箇所の問題か。

この内容次第で出来ることは変わってきますので、契約書を良く確認してみて下さい。







また、売主側が責任を逃れるため、瑕疵ではないと主張しそうなものに、

・害虫の発生と言っても、瑕疵の範囲とするシロアリ被害ではない
・建物の性能や性質など欠如させていることではないから瑕疵には該当しない
・瑕疵担保責任の期間を過ぎている
・しらみつぶしに探せば、どの家でも虫が見付かることは不思議じゃない

などが考えられます。





しかしながら、害虫や害獣ではありませんが、似たようなケースに、

内見だけは見付からないコウモリが、天井裏で大量に生息していた

物件での判例があります。


生息数が常軌を逸していたことや、決して安くはない不動産である事、

高額な売価に求められる適切な生活が送れる環境を満たしていないこと、

瑕疵担保責任として設定されたもの(シロアリなど)でなくても、その原因が

コウモリであれば瑕疵に当たるなどを理由として、損害賠償請求を

認めたという判例です。


瑕疵担保責任が認められるかどうかは、契約内容に基づくことは大原則ですが、

売価や害虫・害獣の生息状況なども考慮されることがあるという事例です。





また、売主が欠陥を知っていたのにワザと隠していた場合には、瑕疵担保責任を

免責とする特約を付けていたとしても、無効となって売主が責任を逃れることが

できない場合ございます。

はる333333様が住んで直ぐに分かり、しかも業者が害虫駆除を断念する程で、

今でも続いている生息状況を売主が知らなかったとは考えづらい印象もあります。




瑕疵担保責任を追及するには、買主が知らなかった状況、つまり「隠れた」瑕疵

であることや、知らないことに過失がなかったことなど必要な条件や状況はございますが、

目視や多少の検査では分からない状況でありながら、生息状況や生活に与えるストレスが

常軌を逸していると判断され、それを売主が知っていて告げなかったものであれば、

売主へ瑕疵としての責任を追及できる可能性はあります。



無料相談の方が、瑕疵担保責任を追及することは無理と説明した理由に、

売主側寄りの目線であったり、判例等の知識不足、状況からの洞察不足があれば、

相談先を変えて、何が請求できる可能性があるか検討し直す余地はあるかも

しれません。

突然、瑕疵担保責任を請求すれば、対象外と逃れる姿勢も考えられますので、

売主が知っていたことを証明できる言質を得る目的で、近隣住民や売主・仲介業者に対し、

揉める姿勢は見せず事実確認だけを行ってみる必要性など、適切な行動や必要な材料集め

について、専門家等と打ち合わせてみては如何でしょう。


弁護士等の専門家にお願いする場合でも、不動産関係の紛争に強いかどうかは

関係してきますので、不動産に強い法律家を選ぶ必要が有ります。



尚、それらの請求が通らない状況であった際の、今後の対応・対策も合わせて、

ご家族の意見や要望、資金状況をふまえ考えておく必要はございます。



はる333333様の置かれた状況で、もっとも可能性と利益ある選択の

参考にして頂けたら幸いです。


以上、ご参考になりましたでしょうか。

アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/  藤森哲也

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