藤森 哲也(不動産コンサルタント)- コラム「不動産売買 トラブル相談例⑩【揺れる新築木造3階建て住宅】」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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不動産売買 トラブル相談例⑩【揺れる新築木造3階建て住宅】

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不動産購入の基礎知識 不動産購入塾 2014-10-30 09:00

 

不動産の購入は金額も大きく、また、生活の場として将来の夢も膨らむ買い物です。

だからこそ、不安となる部分も多くあるでしょうし、それがストレスとなって

本末転倒なマイホーム購入となっている方も少ないかもしれません。

 

下記の質問は、新築戸建てを購入した方からの相談です。

通常、最近の新築で重大な手抜き工事や耐震偽装などは

激減していると思われます。

 

それでも、気になり出したら日に日に不安が大きくなり、相談を寄せこられた

というものです。

不安に感じることは、その原因を究明するしかありません。そして、新築戸建ては

中古戸建てに比べて割高ではありますが、その分の保証等もあついメリットがあり、

そういったアドバイスを行なった内容です。

 

物件のメリット・デメリットの一つでもありますので、今後の物件探しや購入判断の

参考になればと思います。

 

 

□質問

 

木造3階建てで、1階がビルトインになっている家を不動産会社から建売で購入し、

3週間前に入居しました。

 

ところが、家族が3階から2階へ降りる時に3階の部屋が揺れるのが気になります。

 

実家も木造住宅でしたが、階段を降りたからといって揺れるということはなかったので、

今住み始めた家が、その程度で揺れるということが、すごく心配です。

 

手抜き工事かどうかや、構造的に問題があるものなのか、簡単にチェックできる

ポイントなどはありませんか?

 

耐震診断などを受けた方が良いでしょうか?

 

 

また、専門機関に建物診断をしてもらった際、万一、建物に問題が発覚した場合、

問題が発覚した建物は、売主などに直してもらえるものなのでしょうか?

 

十分な補償や金銭的な部分はどう扱われるのでしょうか?

 

 

良く、家を売っただけとか、責任はないからと売主が逃げ、欠陥住宅を買って

しまったとトラブルになっている例などがあるようです。

 

問題だけ見付かって、その問題を直してもらえない場合、欠陥住宅を買わされたとか、

安全性に問題がある家に住んでいるというストレスだけが残ります。

 

 

 

 

□回答

 

揺れの程度や、その他の状況(車両通行・強風)の時はどうなのかなど、

専門的な検証が必要なことなので推測となってしまいますが、工事に手抜きが

なくても、細くて上に高い形な分、木造3階建ては、2階建てや平屋に比べて

揺れやすい物件が多いものです。

 

欠陥住宅ということを危惧されていると思いますが、もし欠陥住宅なら、

水平器などで建物が傾いて(1000分の6以上)いないかの確認や、

外壁のひび割れはないかの確認や、その大きさは問題ない程度なのか、

ドアやサッシの開閉はスムーズであるかなど、揺れとは別の症状も

見受けられる可能性がありますので、そういった箇所も確認してみては

如何でしょうか。

 

 

また、建物には固有の振動数があります。それが交通振動や生活振動と近いと、

「共振現象」といって揺れが大きくなります。

建物の壁倍率の大小によっても、同じ木造で違いが出ることもあります。

ご実家との差はこういった可能性も考えられるかもしれません。

 

 

新築ですから、「建築確認申請書」「中間・完了検査済証」などの資料も

あると思いますが(※無ければ直ぐに不動産業者から貰って下さい)、

ご質問の物件は3階建てとのことなので、建築確認申請時に構造計算

が必要となります。

 

ビルトインであることに揺れの原因や不安を感じているかと思いますが、

設計どおりに施工されていれば、構造的には大きな問題はないと思います。

 

 

ただ、万一を考えてや、漠然とした不安を払拭する意味では、専門機関等に

相談やインスぺクションを依頼してみることは良いと思います。

 

 

尚、個人が売主であったり、中古住宅の場合ですと、保証内容がうすかったり、

瑕疵担保責任が短い、または売主に責任がないとする契約も有効に成立して

いますが、新築の場合、宅建業者が売主となって販売していることが多いです。

売主が業者の新築住宅には保証される部分が多くあります。

 

質問をお伺いする限り、今回の物件は宅建業者が販売する新築住宅ですので、

「建物の基本構造部分(構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分)」

での瑕疵が発見されれば、瑕疵担保責任や品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)

の問題となり、修補請求、損害賠償請求、契約解除などの対象となる場合もあります。

 

また、売主が宅建業者の場合、一般的にそれらとは別に自社で保証している

部分があるものです。

 

但し、それらは期間に限りがありますので、その期限以内に発見や請求をしないと、

欠陥住宅の購入・安全性に問題がある家というストレスのみならず、売却する際も、

問題点の告知義務や、問題点での売買価格の目減りなどが考えられます。

 

契約時に交付されている保証書などの内容を確認し、保証対象部分に

問題は生じていないかの建物診断について、行うかどうかの検討を

されてみては如何でしょうか。

 

本当に建物の重要な部分に重大な問題があった場合、金銭的な損害や

精神的なストレス以上に、生命の問題にもなりかねません。

災害は何時起こるか分かりませんが、それに対する対策や準備を、

自身で行えることはやっておくと良いと考えます。

 

 

 

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