対象:住宅設計・構造
新築に向けて業者検討中なのですが…
今まで検討してきた会社が背割れなしの乾燥材120×120を売りにしていたところが多かったので今最有力候補としている会社が背割れ18%の乾燥材4.5寸を使うことに若干不安に感じています。
背割れってパッと見強度面で不安に感じていますが、正直どうなのでしょうか?
太陽光発電を希望しています。
三洋のHIT BK200を25枚5kw積載予定です。
1枚14kgで350kgのものが載るということなのでそれを加味した設計をしてもらって、屋根裏部分に柱などお願いした方がいいのでしょうか?
アドバイスお願いします。
unione_feliceさん ( 静岡県 / 女性 / 32歳 )
回答:2件
野平 史彦
建築家
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「背割れ」の意味
unione_felice様
木材の芯部は乾燥し難く、乾燥した時に木材の辺部と芯部の含水率が平均化していないと、建物が建った後、徐々に乾燥が進むことで狂いが生じてしまうので、それを防ぐ目的で柱材の様な断面の大きな材には「背割れ」を入れ、芯部を充分に乾燥させる様にするのです。
120角の柱材を背割れなしで作る事はできますが、それ相当の乾燥技術が伴っていないと、やはり後々「狂い」の原因となります。(杉材は特に乾燥が難しい材です。)
「背割れ」は充分に人工乾燥した材であれば、強度的な心配はありません。
次に、ソーラーパネルの荷重ですが、5kwということは、屋根の相当広い面に設置するものと思われます。屋根荷重はただ屋根の重さだけを支えればいいという訳ではありません。
屋根が重いということは、地震時の水平力に対して壁量をその分多く見込まなければならないということになりますから、必ず屋根荷重を見込んだ設計をしてもらう様にして下さい。
以上、参考にして頂ければ幸いです。
森岡 篤
建築家
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背割れ材強度
unione_feliceさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
構造用の木材は、心持ち材(樹木の中心部を含む)が多く使われます。
樹木の中心部は、密で硬いのですが、辺部は中心部程詰まっていません。
辺部の収縮が中心より大きいため、各面で在軸方向に割れてしまいます。
この割れを防ぐために背割れを入れます。
背割れ部に割れを集中させることで、他の面の割れを防ぎます。
背割れ材の強度ですが、曲げ強度は、背割れ方向と荷重の方向によっては、やはり低下します。
背割れのない材料では、自然に割れを起こしてしまい、この場合も曲げ強度は落ちているはずですから、同じとも言えます。
軸方向の強度は、余り影響がないと考えられます。
柱材の場合、通常は軸方向の力がかかりますが、天井が高い床を支える独立柱のように、細長い場合、曲げの力が働きます。
太い柱を使うことで、解決することができます。
どのような部位で使うのかわかりませんが、4.5寸(135)ということで、十分な断面があるので、余り問題ないかもしれませんね。
太陽光発電パネルの重量ですが、この重量を荷重として、屋根を設計すると共に、建物全体の耐震設計を行う必要があります。
参考にしていただけたら幸いです。
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