対象:人事労務・組織
回答:1件
本田 和盛
経営コンサルタント
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1年単位の変形労働時間制と労働時間規制
凄腕社労士 本田和盛です。」
変形労働時間制とは、法定労働時間規制(1日8時間、1週40時間を超過する労働の原則禁止と、その例外である36協定の締結と割増賃金支払を要件とした法定労働時間を超過する労働の容認)を、柔軟化したものです。
具体的には、変形期間内の特定の日や特定の週の所定労働時間を法定労働時間を超過して設定することが可能となり、しかも割増賃金の支払いが原則不要とすることができます。
変形労働時間制は、業務の繁閑の差が著しい業種等で導入されています。
1年単位の変形労働時間制は、法定労働時間規制を柔軟化する期間を1年まで取れる制度です。1年を周期に繁閑の差が大きい企業で導入されています。
変形労働時間制の内、1年単位変形は変形期間が長期にわたり、労働者への負担が大きいことから、年間労働日数280日(変形期間が3ヶ月を超える場合)、1日の労働時間が10時間、1ヶ月の労働時間52時間という上限規制が設けられています。
変形労働時間制は、あらかじめ業務の繁閑を見込んで、それに合わせて労働時間を配分するものであり、突発的なものをのぞき、恒常的な時間外労働は無いことを前提とした制度です。(行政解釈)
変形労働時間制の趣旨から考えると、いったん決定した労働日と労働時間の配分を変更することは好ましくありませんが、突発的な事情があれば、計画外の労働日や時間外労働の追加は可能です。しかし、突発的な事情が頻繁に発生する場合は、もはや制度としての変形労働時間制とは言えなくなり、解釈論としては、変形労働時間制は無効となり、本来の労働時間規制が適用になると考えられます。
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