対象:企業法務
回答:1件
普通決議と特別決議の問題です
会社経営において出資比率が問題となるのは、会社の最高意思決定機関である株主総会における決議です。
その決議は議決権の過半数で決議を行うのが原則です(会社法309条1項)。これを普通決議といいます。役員の選任決議は普通決議によります。
さらに、一定の決議では、会社経営にとって重要な事項であるとして決議要件が重くなっており、議決権の3分の2以上が必要な場合があります(法309条2項)。これを特別決議といいます。例えば、全株式につき譲渡制限があるような会社における新株発行の場合や、資本金額を減少させたりする場合です。いずれかの株主の意向のみで、これらの決議を行うことができれば、その株主の会社に対する影響力は、かなり強いといえるものです。
(1)まず、A社50%、B社50%の場合、A・Bいずれも単独では過半数の議決権を持ちませんから、F社に対する影響力に違いはないといえます。
(2)次に、A社80%、B社20%の場合、A社は、F社株主総会で普通決議を単独で行えます。加えて、3分の2以上の議決権を持っていますから、特別決議も単独でできることになります。従って、A社の影響力は(1)の場合に比べ強いといえます。
(3)そして、A社75%、B社25%の場合、A社がF社株主総会で、普通決議及び特別決議を単独で決議できることは変わりません。会社経営の影響力は、(2)の場合と違いがありません。
出資比率の問題は、会社経営の根幹の問題ですので、合弁会社における出資比率を決める際には、問題となる決議事項が普通決議か特別決議でなされるものかをよく考えて決めるべきです。
評価・お礼
septemberさん
ありがとうございました。
理解出来ました。
回答専門家
- 金井 高志
- (弁護士)
- フランテック法律事務所
フランチャイズとIT業界に特化。最先端ノウハウで支援します
フランチャイズ本部と加盟店に対して、法的アドバイスでのお手伝いをしてきています。また、インターネット関連のベンチャー企業の事業展開のお手伝いもしています。特に、株式公開を目指すベンチャー企業のために、お手伝いができればと思っています。
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