対象:会計・経理
「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」により、30万円未満の減価償却資産は全額損金に算入することが出来るそうですが、『損金算入』ということがよくわからないので教えて下さい。
?会社設立時に現物出資したコピー機(10万円以上30万円未満)は、現在下記のように仕訳されていますが、全額損金とする場合はどのようになりますか?また資本金についてはそのままとなるのでしょうか?
(借方)工具器具備品 /(貸方)資本金
?新規購入のパソコンとソフトウエア(それぞれ10万円以上30万円未満)は、「工具器具備品」と「ソフトウエア」ではなく「消耗品費」として仕訳して良いということでしょうか?
?「償却資産申告書」にはこの特例で損金算入した(する)ものも記入しなければいけないとなっていますが、耐用年数はどうなりますか?
質問が多くて申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
hTokiさん ( 東京都 / 女性 / 39歳 )
回答:1件
長くなりますが
こんにちは。
お久しぶりです。
まず、損金算入、の意味ですが、
会社の取引は、簿記会計のルールで記録(記帳)して、決算をして、利益を計算します。
一方法人税については、原則は、簿記会計による決算で計算された利益に基づいて法人税の税率を掛ける「課税所得」を計算します。
簿記会計上の決算利益は、法人税の税率を掛ける課税所得とは一致しないのです。
それは法人税法で、無制限に簿記会計で行われたことを容認すると弊害があるもの、を別途定めているからです。
「損金算入」は、企業が簿記会計上、必要経費として計上したものは、法人税を計算する時もそのまま認めるものをいいます。特に、簿記会計による決算利益に加減算しない、ということです。
次に、コピー機についてですが、資本金の現物出資ということは、不可能ではないですが、非常に複雑な手続きを要しますので、一般には金銭出資した上で、コピー機を買い取る、という方法で行います。
金銭でまず
借方 現金100万円 貸方 資本金 100万円
という開始記帳を行い、次に
借方 コピー機(備品) 10万円 貸方 現金 10万円
という仕分けで買い取ります。
少額減価償却資産の損金算入について
中小企業(資本金1億円以下など)で青色申告であれば取得価額が30万円未満のものは取得した事業年度の一時の費用にできます。
勘定科目は、税法では決めつけていませんが、事務用品費、少額資産取得費などで経理します。
耐用年数は、パソコンは4年、ソフトウエアは5年です。
ところで、その取得資産が20万円未満であれば、一括償却資産として3年間の均等償却、ができ、その場合には「償却資産申告」は不要となります。
この方法は特段不利益はないので、どうしても開始した事業年度で一時の損金で計上したい場合を除き、この方法が使用されることが多いと思います。
1年目に利益が計上されるため、費用を多く計上したい場合を除き、この方法をお勧めします。
評価・お礼
hTokiさん
今回も質問後直ぐにご回答していただき大変助かりました。
少額減価償却資産については、特例を適用する場合の具体的な仕訳を説明しているサイトがなかなか見つからず困っていたので、とても勉強になりました。
現物出資については、もう少し勉強してみようと思います。
有難うございました。
回答専門家
- 運営 事務局
- (東京都 / 編集部)
- 専門家プロファイル
登録している専門家やQ&Aやコラムといったコンテンツをご紹介
専門家プロファイルに登録をしている皆様の記事や、Q&A、まとめ記事など編集部でピックアップしたものを定期的に配信していきます。よろしくお願いいたします。
運営 事務局が提供する商品・サービス
記事制作に関するご相談
hTokiさん
早々のご返答有難うございます
2009/01/25 18:06「損金算入」の意味についてもご説明いただき有難うございました。
今回は、中小企業で青色申告、かつ一年目に利益が計上されるため費用を多く計上したい場合についてです。
まず、現物出資したものは「備品/資本金」という仕訳にはしないほうがいいということでしょうか?また、今からこの仕訳を修正しても問題ないのでしょうか?
勘定科目については、10万円未満は消耗品費(費用として計上)/10万円以上は備品(固定資産として計上)するものだと思い込んでいたので、特例対象の仕訳は「固定資産で計上→全額減価償却費」とするべきなのか「最初から費用計上」なのかで悩んでいましたが、後者でよいということですね?
(消耗品費で計上するのに償却資産申告っておかしくないのかなと思ったりもしたのですが・・・法人税と固定資産税とで違うということですね)
たびたびすみませんが、よろしくお願いいたします。
hTokiさん (東京都/39歳/女性)
(現在のポイント:2pt)
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング