原因不明の下肢麻痺

こんにちは。
現在は問題なく生活しているのでしょうか？下肢の麻痺がどの程度だったのか神経学的診断結果が無いので何とも言えませんが、いろいろな原因があると思います。それを特定できないと言う意味での原因不明かと思います。無症状の時に診断することもほとんどできませんので、経過を観察して、もしも発症したら同じ病院で診察を受けられることをお勧めします。何故なら一度診察をして、その時の状況が解っているからです。
てんかんについて何も記載されていませんのでお答え出来かねます。

としかずさんの猫ちゃんの場合は恐らく ワクチン接種による一過性の過剰反応でしょうね。これから発症のメカニズムを突き止めていくのは きっと難しいのでしょうね。
先日、当院でワクチン接種を皮下注射した2日後、発熱し入院したアメリカンショートヘアーの子猫がいました。接種したワクチンは３種混合ワクチンでした。症状は40℃以上の発熱、意識混濁、歩行不全でした。生化学検査でＣＫの急上昇が特徴的でした。ステロイド療法で意識は徐々に改善してきましたが、今度はＢＵＮ，クレアチニンが上昇し急性腎不全の症状が出現しました。3種ワクチンは弱毒ワクチンを含んでいますので これまでも軽く風邪症状を示す猫ちゃんがいましたが、今回は少々驚きました。猫カルシウィルスは脳症状も出しますので無菌性脳炎かと心配しました。
また猫カルシウィルスは後脚の関節によく関節炎を起こしますので注意が必要かも知れませんね。
一番気をつけることは 次回のワクチン接種の前に先生に今回の状況をお話し、前もってステロイドや抗ヒスタミンなどの投与を受けることや、また弱毒ワクチンではなく死滅ワクチンを使ってもらうことも必要だと思います。
先生の説明が事実だけをストレートにお話になったために としかずさんに不審を抱かせてしまう事になったのかも知れませんが、としかずさんの猫ちゃんの先生は正しい治療をされたと思いますよ。むしろ私がこの回答の最初に『ワクチン接種による一過性の過剰反応』と書いた事こそが独断と言われるかも知れませんね。

予防接種の副作用としては、過敏体質のものではアレルギ―反応《顔面腫脹（ムーンフェース）・掻痒・じんましん等》又は、アナフィラキシー反応《ショック（虚脱・貧血・血圧低下・呼吸速迫・呼吸困難・体温低下・流涎・ふるえ・痙攣・尿失禁等）が起こる事があります。多くは接種後２４時間以内に発症します。発症の時期からも症状からも、今回の症状が副作用であるとは考えにくいと思います。
また、急に発症しステロイド投与後麻痺が改善したので、胸部や腰部の椎間板ヘルニアが最も疑われます。再発の防止としては、階段や段差のあるところを登り降りさせない、ジャンプや後肢だけで立つことをやめさせることなどが挙げられます。

当院では明治通り病院（江東区）・三ツ目通り病院（江東区）・市川橋病院（市川市）にて柏木獣医師による神経科の専門診察を行なっています。今後も気になる症状が見られるようでしたらお早めの受診をお勧めします。（神経科専門医診察は完全予約制です）