対象:住宅設計・構造
回答:3件
許可申請対象外ですが・・・
大阪で設計事務所をしています。
宅造法規制区域内に於いても、80cmの盛り土であれば許可申請は不要です。
しかし、不要だから何を積んでも良いと云う事はありません。
普通にCBを積んだだけではまず傾いてきます。土質にもよりますので
いつ頃から傾くかは判りませんが・・・
同様のケースで数年前に敷地内側に控え壁を2m間隔で設けて施工した事が
あります。お邪魔する度に気になって見ていますが今の所傾きはありません。
現場の状況を確認した上での判断ですので、これなら何処でも安全とは
云えませんが、業者さんと良く話し合いされて決めて頂ければと思います。
建物を建てる際、既設擁壁の安全を判断する方法として安息角の検討
と云うのがあります。建物の基礎の下から地面に対し30度の角度で斜線
を下ろして行き、擁壁の下を斜線が通過するのであれば経験的に安全である
とされるものです。これから云うと80cmですから1.4m以上離れて
いれば安全と云う事にはなりますが、CBにて施工されるのであれば
こちらも出来るだけ根入れを深く取る方が、CBにとっても負担が軽くなる
と思います。
回答専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
福味 健治が提供する商品・サービス
住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
本田 明
工務店
1
設計者で、CBで良いとは誰も言わないでしょう
擁壁の構造の検討は、「滑動・転倒・支持力の安全」を検討します。
滑動とは、擁壁が、押されてずれてしまうこと
転倒とは、擁壁が、押されて回転して転倒してしまうこと
支持力の安全とは、擁壁自体に問題はなくても
その下の地盤が軟弱で擁壁が地盤にめり込むようにずれてしまうことです。
その、三点に対して安全でない擁壁は計画することが出来ません。
CBでは、擁壁の転倒に対抗する力が計算上「0」にしかなりませんので、
擁壁として構造計算をすることが出来ません。
ですので、設計者で、CBで良いとは誰も言わないでしょう。
まともな工事の内では
現状では、既製品のL型擁壁が、コスト的には最も安いと思います。
しかし、現実にはそのようなCB工事は往々にしてあるのです。
現実にあって、支障ないではないか?ということに対しては、
家がもしもの地震でも丈夫に作るように、
擁壁も、大雨が続いても安全なように造らなければいけない、
ということです。
2.5m離れるのであれば、擁壁状の工作物を作らずに
敷地境界から法面で上がるという方法もあります。
1/2の勾配でも1.6mあればいい計算になりますので。
建物と敷地境界の間が2.5mあれば、
後から擁壁の工事をすることも可能ではないかと思います。
でも、こういうことは一度にやっておいた方が
結局安上がりだったということになり勝ちですので
多少費用はかかってもまともな工事を最初からしておく方が良いと思います。
野平 史彦
建築家
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なぜ盛るのか?
80cm盛土をするのに、CB積みでは不安であることは本田さんがきちんと書いて下さったので、それは良しとして、
私は、何故、80cm盛土をして、その上に家を建てるのか、よく分かりません。
廻りの敷地レベルの関係で、そうしなければならないのでしょうか?
敷地が平でないからなのでしょうか?
そのために盛土をして、わざわざ地盤改良を施す必要があるのでしょうか?
物理的にそうせざるを得ない場合もあろうかと思いますが、
私は日本の住宅地を見ていつも不思議に思っています。
日本では家を建てる敷地は何故か平らでなければならない。
宅地開発業者は、山であろうと谷であろうと、どんな所でも,兎に角、宅地を平にしようとする。敷地が平でないと家が建てられないとでも思っている様です。
自然の奇麗が起伏が、ひな壇のように切り取られ、風景が一変してしまう。
日本から外に出ると、殆ど大地に手を加える事無く、土地の起伏を巧く利用して家々が建てられています。
自然の本来あった景観を損なう事無く、家々は見事に自然の中に溶け込んでいます。
高密度の中世イタリアの山岳都市でも、その地盤の起伏を巧みに活かして都市を築いています。
まず、土地を平らにしてから家を建てる、という呪縛から解き放たれると、きっともっともっと素敵な家のイメージが沸いて来るのではないかと思うのですが?
(これは回答ではなく、独り言、、)
(現在のポイント:-pt)
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