対象:住宅設計・構造
80センチほど道路から敷地が高くなっています。木造軸組工法で家を建てようと思っています。
道路と同じ高さに並列に2台分の駐車場、その上に中2階LDKにし、(敷地より1.7mの高さで)その奥に中庭と中庭に面する廊下・部屋、そして(敷地=中庭と同じ高さで)部屋とつながっている住宅を考えています。
LDKのうち、リビングの上14畳分は最高5.5mの吹き抜けになっていて、吹き抜け上部は梁が渡っており、四隅に火打ちも設けます。
建物は2階建てのコの字型になっており、スキップフロア構成になっています。それに加え、道路面は駐車場2台分と玄関のみで、壁があまりありません。
ガレージ上の居住空間が吹き抜け、コの字、スキップフロアと構造的に弱そうな要素が一杯ありますが、
間取りそのものは気に入っています。
こういった住宅の耐震性能はどうなのでしょうか?構造計算をかけて建てれば大丈夫なものなのでしょうか?
アドバイス、よろしくお願い致します。
タガメさん ( 千葉県 / 男性 / 37歳 )
回答:2件
野平 史彦
建築家
1
構造設計者にご相談を!
タガメ様
図面を見なければ、何とも言えないのですが、木造2階建てで通常行なわれる壁量計算では想定されていない架構と思われますので、構造設計者に相談されるべきでしょう。
SE構法といった集成材・金物工法を使って、構造計算してもらう手もありますが、優秀な構造設計者なら、デザインの意図を活かす様に結構困難に思える物件でもいい構造のアイデアを出してくれます。その上で構造計算(許容応力度計算等)にかけて、変形や部材一本一本にかかる力を出し、構造的に弱い部分ができない様、検証してもらう事ができます。
ぜひ、良い構造設計者に見てもらって下さい。
評価・お礼
タガメさん
野平様
ご回答ありがとうございました。
工務店側でも外部の構造計算業者に出す、とは
言っていますが、計算した後にどの様な補強を行うかが重要なのですね。
工務店にこの辺りを詳しく確認してみます。
以上、お礼まで。
森岡 篤
建築家
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構造設計を行う
タガメさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
吹き抜けやスキップフロアの建物は、整形建物と比べ、必ずしも耐震性に劣るわけではないのですが、構造的に検討し解決しなければいけない問題が多いことは事実です。
吹き抜けを例に考えてみましょう。
一般の構造計算は、剛床といい、各階に床があることを前提としていますが、吹き抜け建物ではこの仮定が合わないので、仮定のずれをクリアする必要があります。
外壁面に強い風が吹いた時、一般建物では、各階床が風に抵抗していますが、吹き抜け建物では床がないため、梁か2層分の柱で抵抗しなければいけません。
(これがクリアされていない建物はたくさん有り)
同様に、スキップフロア、コ型建物でも、通常整形建物では問題とならない問題点がさまざまあります。
現在の建築基準法では、2階建て木造住宅(4号建物という)は、極めて簡単な構造検討で良しとされ、一級建築士の設計なら提出も免除されています。
(まもなく法規改正の見込み)
タガメさんの住宅も、法的には4号建物かもしれず、その場合申請上は大した構造的資料は要求されません。
申請に資料を提出するかどうかにかかわらず、信頼できる木造のわかる構造設計者に構造設計を依頼して下さい。
(構造設計者はRC、S造専門がほとんどで、木造のわかる人は少ない)
構造計算とは、ある仮定を積み上げたプロセスの一部に過ぎません。
構造計算はもちろん必要なのですが、「構造計算すれば良い」ということではなく、構造的問題点を解決を解決することが重要で、耐震性向上につながります。
参考にしていただけたら幸です。
(現在のポイント:-pt)
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