対象:事業再生と承継・M&A
私で2代目となる印刷業を営んでおります。紙からインターネットへの変化もあり、最近ではWebサービス事業なども手がけ、経営状態はまずまずといった形で推移をしております。
私には大学生の息子がいるのですが、いずれは事業を継がせたいと考えており、息子自身もまずは大手の印刷会社への就職を考えるなど比較的前向きに受け止めてくれているようです。しかしこのことははまだ会社の従業員には公にしておらず、私の胸の内にあります。
時期としては10年ほど先の話になると思うのですが、上手く事業の承継を行わせるために今の内から出来ること。社内に向けて今の内からやっておくべき事、考えておくべき事などはありますでしょうか?
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
回答:9件
事業計画の作成が必要かと思います。
10年先という事ですが、それまでに事業計画の作成が必要かと思います。
ただ、10年間の事業計画は現在のこのようは景気ではなかなか作成に困ると思われます。
ですから、10年後の理想像をまず明確にし、
5年間の事業計画を経ててみてはいかがでしょうか?
事業の継承でつまづくのは、やはり人材だと思います。
ですから、事業計画の中でも特に、人材育成の部分を一番重視して、計画を立てていただくのがよいと思います。
10年後、息子様が継がれるときに、他の従業員から見て(役員を含め)、ふさわしい人材になっていらっしゃるかどうか?が問われると思います。
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一番大切なのは、社長の経営の魂を伝えること
事業承継において大切なことは、後を継ぐ者にとっては事業は継続しているものであり、それよりも経営者としてどうあるべきかを理解することが大切になります。
現在の事業は、社長であるお父様の価値、感性によって成り立っています。
社員ももちろん社長の事を見ています。そして息子さんが後継者として会社に入ってくることがわかると、社員は期待してくれる反面、仕事は自分達の方が知っているという気持ちがあります。
大手の印刷会社に修行に行くというのは、業界や仕事を覚えるのには良いかもしれませんが、絶対に必要な条件というわけではありません。
手法的なことは、学ぶ必要や気があれば、いつでも手に入れることは出来ます。
社会に出て最初の会社で学ぶことは、けっこうそれが考えのベースになってしまうこともあるので、自分の会社とはちがうという意識も必要です。
若いうちは、自分が正しいと思うことは、それを通して行きたい気持ちが強くなるものです。
これが会社に入ってすぐに出てしまうと、社員は反発してしまいます。好意的に迎えようという気持ちも消えかねません。
私は自分の経験上からも、社長であるお父様の価値観、そして企業家としての想い、魂をうまく引き継いでもらえるような流れを考えてみてはいかがかと思います。
形よりも、人として、経営者として、人の上に立つということは何なのかをテーマに考えていただくことが良い結果に結びつくポイントであると思います。
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他の社員の方々のスキルアップも抜かりなく
コミュニティエーの中村恵二です。
事業継承について、税法上の支援など制度上のことについては、ほかの先生方の
ご助言のとおりだと思います。
私はちょっと視点を変えて、従業員や顧客が息子の事業継承をどう考えるかについて、
考えてみました。
世襲という言葉を聞いただけで、嫌悪感を覚える人は少なくありません。
創業家の家族が事業を継承することはある意味で当然だとは思いますが、企業はやはり
一つの「公器」であることからすれば、すべて株主や創業家の意向だけで維持される
ものではありません。
たとえ労働組合がなくても、従業員代表が経営者に対して意見を申し述べることは法律的にも
認められていることであり、まずは従業員が気持ちよく息子さんを会社に迎え入れる気持ちの
醸成というものが大事になってきます。
息子さんをある日突然社長として迎え入れるのか、部長・専務・社長などのようにステップを
踏むのかにもよりますが、少なくとも他に優秀な従業員がいるとするなら、その従業員の
スキルアップや待遇というものも一緒に考えてやらなくてはなりません。
次に、お客様の意向です。もし、社長が誰であっても構わないという商品やサービスを売って
いる会社なら別ですが、現在の社長様とのお付き合いで顧客になっていただいている方々から
も、世襲でいいのかの認知も必要かと思います。
どんな小さな会社であっても、企業とは継続することが原則です。
もし、継続ではない事業の継承を考えるとすれば、それは「第二創業」になります。
その時は、息子さんが自分の意思と自分の経営方針で、
新たな事業を行っていけばいいのです。
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異業種での経験と長期後見制度
リバティハウスの今瀬です。
印刷業の技術革新は予想以上のスピードで進んでいるので
10年先の会社を予測した体制を整えるのは中々困難です。
その為にいま必要なことは、息子さんが視野を広めておく事で
特にインターネット業界での知識は欠かせないと思いますので
出来ればネット関係業種にも一定期間お勤めになったほうが良いでしょう。
さらに異業種交流会などで、他業界との人脈造りも将来必ず
役に立つと思います。
社内体制は息子さんのことを考慮した体制を、早くから準備することは
お勧めできません。
息子さんが相談に足るという所まで成長をした頃を見極めて
意見を聞きながら、会社の将来像を造り上げていったらどうでしょう。
更に政権交代は現社長がお考えの時期より少し早めの方が良いと思います。
会長として後見して、息子さんに社長職の勉強をさせていく時間が長い方が
御本人として助かるのではないでしょうか。
息子さんと言えども「信頼するが信用せず」という厳しい関係も必要です。
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時期が来たら、ご子息とじっくりお話ください。
BSNの阿比留です。
ご子息を後継者にされたいというお気持ち、たいへんよく理解できます。
私のコンサルティングの時も、よくご相談を受ける要件です。
それだけ、皆さん、ご子息を後継者に・・・という気持ちがお強いようですね。
さて、現在は、経済不況時の真っ只中、中々10年後、いや5年後もどうなるか
わかりません。但し、皆さんが仰る事業計画は、社長様はすでに作成されているものと
思います。
そこで私の見解としては、ご子息を後継者にすることを前提ではなく、社長様のお考えで
事業の10年計画を考えておくことをお勧めします。なぜかと申しますと、ご子息も外で
仕事を覚えてきます。多分、御社のやり方とは異なる文化の中で最初過ごされる訳です。
これで、ある程度社会勉強しながら、御社に戻ることは決して悪いわけではありません。
想定されることは、昔からおられる大先輩です。当然、プライドも高く、その方々への
配慮が必要です。また、大手から来られた方の共通点ですが、性急に職人の世界から多能工
へと切り替えようとされます。それがまた火種になるというケースが余りにも、多いのです。
でも、本当に強い次世代の経営者は、世界を睨み、どのようにしたら事業拡大できるかを
考えているのであり、旧態然たるスタイルには、決して負けません。
それ位に成長されたご子息であれば、どなたか言われたように、第二創業かもしれませんね。
という訳で、時期がきたらご子息とじっくりお話になって下さい。経営者として、本音で
お話ください。それもダメなら社内からの選抜も視野に入れておくこともお忘れなく。
御社の今後の益々のご繁栄を祈念しております。ありがとうございました。
http://abs-net.jp
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平 仁
税理士
-
事業承継対策
事業承継対策というものは、10年程度の長期計画を持って行うのがベターですから、
10年先を見据えて取り組まれることは非常にいいことだと思います。
平成21年税制改正において実施される事業承継税制の改正は、
平成20年10月1日に遡って施行されることになっており、
その対応の基本となる経営承継法は平成20年5月8日成立、
平成20年10月1日施行でございます。
税制もこのタイミングで、非上場株式等に係る相続税の
80%納税猶予制度が始まりますので、しっかりと考えていきましょう。
まず、事業承継計画を立てることが重要です。
息子さんの武者修行の時期と会社に戻る時期、
戻る場合にはどのような立場で戻るのかを今から計画しておきましょう。
息子さんの就職先が決まりましたら、先方の人事にこちらの意向を伝えて、
武者修行人事の取扱いを図って頂けるとより有効です。
10年後に息子さんが後継者として自他共に認められる存在になっていなければ、
後継者対策を考え直さなければならなくなるかもしれませんが、
今は、息子さんが後継者にふさわしい人材になっていることを信じましょう。
また、事業承継対策を考えるためには、
会社の現状と社長の財産状況を把握しておく必要があります。
会社の人的構成とその性格、保有採算の内容(時価ベースで)、金融機関との関係、
将来キャッシュフローの見込額、業界の将来性と自社の競争力などを確認し、
社長の事業財産と非事業財産とを区別した時価総額、
社長の引退後の人生設計などをはっきりさせる必要があるのです。
特に、社長の個人財産については、金融機関の個人保証の引継ぎの問題と、
将来の相続争いの問題を避けるためにも、誰がどの財産を引き継ぐのか、
社長だけではなく、相続人の間でも合意を得ておくほうがいいでしょう。
できれば、税理士に相談しながら相続税対策を含めて対策されることをオススメします。
石川 雅章
広告プランナー
-
息子さんの人間力を養う道筋を考えてみては・・・
はじめまして、エスクリエイトの石川です。
私のような若輩者が回答するのも恐縮ですが、自分の経験からお話させていただきます。
現在の社長様が2代目で、息子さんが3代目の印刷会社。
見事に私と同じパターンですね。
私は、すでに後を継ぎ、3代目の新米社長になります。
まず、事業継承できる人材がいることはすばらしいと思います。特に、印刷業界においては、事業継承がうまくいかず廃業に追い込まれているケースも多く見受けられます。
息子さんが、大手の印刷会社を希望されているとの事ですが・・・
否定するわけではありませんが、あまりオススメは出来ません。
ご存知の通り、印刷業界は激変の業界で、10年後はどのようになっているかわかりません。
ご質問されている印刷会社様がどのくらいの規模で経営されているかわかりませんが、印刷業界は会社ごとにハウスルールがあり、あまり大手の印刷会社で勉強してくると、自分の会社に戻ってきたときに、大きなギャップを感じ、せっかくの能力や経験が活かされない場合があります。
それよりも、全くの異業種で勉強されることも考えてみてはいかがでしょうか?
現在いる社員の方も、違う業界からの情報の方が、かえって受け止めやすいと思います。
また、息子さんを受け入れる際は、決して能力や技術ではないでしょう。
やはり、人間力です!
魅力のある人材であれば、今いるスタッフの方は自然と受け入れ、将来のリーダーとして認めてくれるはず。
せっかくの息子さんの前向きな気持ちを大事にして、今のうちから、将来について話してみてはいかがでしょうか?
異業種にはたくさんの宝が潜んでいると思います
また、あまり大手の印刷会社に就職してしまうと、戻ってこない可能性もありますから。
いろいろ、申し上げてすみません。
丁度、私は息子さんと同じ立場だったので、経験からお話させていただきました。
社内に向けて行うことは特にありません。息子さんの将来に期待しましょう!
藍原 節文
経営コンサルタント
-
社内への働きかけも大事ですが本人に資質も大切です
息子さんへの事業継承は、社内への働きかけや調整が大切ですが
息子さん本人の経験や能力、資質が大切です。
販売促進支援・経営支援とデザイン制作を行っております
ファースト・シンボリーの藍原です。
実は私が知っている企業で、息子さんへの事業継承を1年程度で行って
しまい、事業継承がうまくいかず、従業員の離反が続き、事業経営が
うまくいかなくなった企業様がありました。
うまくいかなかったポイントは、
■息子がその業界に精通していなかった
■1年という短期間で行ったため、周囲とのコミュニケーションが取れて
いない状態での事業継承となってしまった
■息子に経営に関する経験・資質が不足していた
■経営者がやや強引に事業継承を進めてしまった
■経営状態が悪くなり始めたタイミングで事業継承してしまった
それでは、うまくいくためのポイントは何か?
■息子さんの業界に対する経験を上げること
■息子さんの経営能力を磨くこと
■息子さんと社内の社員とのコミュニケーションを深めること
■周囲が息子さんを認めるタイミングで事業継承を行うこと
■3年、5年、10年先を見据えた事業計画を作成すること
■同様期間の息子さんの教育計画を作成すること
業界の状態によっても変化すると思われますが、以上のポイントを
考えながら長期で事業継承を考えてみてはいかがでしょうか。
株式会社ファースト・シンボリー
伊藤 健之
経営コンサルタント
-
競争よりも「協調」の文化を醸成しておくことが大切
競争力の源泉は「ひと」であり、''競争よりも協調''する基盤のうえで活動する人のほうが、
中長期的には、組織力の向上、成果の最大化に貢献します。
こうした「協調する」土壌や文化が根づいていれば、安心して社長交代できるでしょう。
個々人は創造的に仕事をしていても、「個人の成果の寄せ集め(総和)」に留まってしまって
いる経営は意外と多いものです。
次のステップとして、
'' - 個と個のつながりの最大化により''
'' - 組織内に化学反応が起こり(相乗効果)''
'' - 組織として最大限のパフォーマンスを発揮してもらいたい''
と考えております。
人のつながりを最大化するには、''協調する文化''が必要です。
こうした文化を醸成するために、
- 顧客志向にもとづく創造性豊かな工夫や提案が継続的に創出される「場」
'' (創造的な小集団活動)''
- 組織のミッションや戦略を浸透させるコミュニケーションの「場」
'' (トップと現場が方向性をすり合わすラウンドテーブル)''
を組織内にぜひ設けてみてください。
半年〜1年で、冒頭に挙げた組織の土壌が出来つつあることを認識できると思います。
具体的な「やり方」につきましては、こちらをご覧いただけると幸いです。
グランデコンサルティングは、「活力みなぎる組織」の実現をお手伝いしております
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(現在のポイント:-pt)
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