対象:住宅設計・構造
回答:2件
リスク回避のために・・・
まず、外回りから外壁や基礎の状態をチェックします。外壁についてはクラック等が無いかどうか、基礎は基礎周りの土を掘り起こして、目に見えない部分について設計図書との違いは無いか、金属探知機で基礎配筋が適切に配列されているか等。内部につきましては、キズ汚れの有無、設計変更があった場合に依頼どうりに適切に工事が完了されているか。また、床の水平、壁の垂直等を測定器で検査します。床や壁の水平垂直が不均一であれば、問題ありと判断して不具合の箇所の原因を追求します。床下に這い行って、基礎の状態を検査します。その他、天井裏からの点検、排水等のチェック、設備が適切に作動するかどうかの検査。概ね、こんなところでしょうか。
引渡し前の検査では基本的に目に見える箇所しか検査することはできません。従いまして検査についてはおのずと限界があることを了承しなければならないでしょう。建築士の経験と判断に大きく依存するということもまた事実です。
また、引渡し前の検査には現場の責任者の立会いは必須でしょうね。彼から施工経過と状況を聞くことは大変役にたつと思います。
既にお話しましたが、引渡し前の検査は既に出来上がっている住宅の検査ですから、十分な検査は難しい点があります。けれど、第三者の建築士に客観的に検査してもらうことは、リスク回避という観点からは十分に機能するものではないかと思います。
本来は、第三者の建築士による施工監理が望ましいところですが・・・
住宅は家族を守る安全で快適な空間でなければなりません。住宅建設を全て建設業者に任せきりにしてしまうのではなく、施主として納得する家づくりに参加するという心構えがあれば、欠陥住宅を未然に防ぐことにも繋がるのではないかとも思えます。
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施主検査の裏話
施主検査での注意事項はすでに回答があったようですので、引き渡す側の裏話をお伝えしたいと思います。
施主さんは、施主検査時に「チェックシート」(平面図付)が渡され、キズや調整の必要な箇所など気づいた点を記入するのが一般的です。
過去の経験から、このリストの枠を10項目くらいしか書けないように幅の広い線を引いておくとあまり記入する人はいませんでしたが、幅を細く沢山書けるようなリストを作ると、施主さんは沢山書かなければいけないと思うらしく検査時間も長くなりました。
言い換えれば、施主さん側はリストの枠に惑わされず言いたいこと(書きたいこと)を遠慮せず指摘すべきだと思います。
指摘事項が挙がるとその箇所担当の施工業者が手直しします。気をつけたいのは「2次被害」です。
指摘箇所を直す際に職人さんが近くの別の場所を無意識(悪意なく)キズつけてしまっている場合があります。
多くは、脚立や腰周りにつけている道具などが原因です。再検査の際は、指摘箇所周りも再チェックすることをオススメします。
住宅は場所・部位によって保証期間が違うので、引渡し書類で確認しましょう。住設機器類は実際に住んで使用してから不具合が発覚します。こういうものだと思い込まず、施工業者に確認してもらいましょう。
マンションや戸建て住宅を引き渡す際、鍵の受け渡しには重要な意味合いがあります。引渡す前まで、その物件の管理は施工者側の責任ですが鍵を渡すと同時に買い手側に移るので「火災保険」は早めの手続きが必要です。
以下は私がマンション施主検査を請け負った際のコラムですので、ご参考にどうぞ(^^)
埼玉県 M邸
https://profile.allabout.co.jp/member/modules/weblog/weblog-tb.php/1163
埼玉県 K邸
https://profile.allabout.co.jp/member/modules/weblog/weblog-tb.php/4590
回答専門家
- 齋藤 進一
- (埼玉県 / 建築家)
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
医者に外科・内科等があるように、建築士に介護福祉専門家がいてもいいと思いませんか?人生100年時代を迎えた今、子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅など終の棲家まで、ライフステージを考えた安心して暮らせる機能的な住まいを一緒に創りましょう
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