対象:住宅・不動産トラブル
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<背景>
建設後5年経過した全41戸のマンションです。前面にある公開スペースで売り主と問題が発生してます。
このスペースは建設時に売主と近隣住民との間の口頭合意事項により設けられたものです。したがって、近隣住民の許可なくして、この公開スペースをマンション管理組合の判断で駐車場等にするなどの変更ができません。要するに制限付きのスペースということです。
<問題>
この口頭合意事項が我々組合員に対して販売時に知らされていませんでした。2年目の総会時に売主から「この公開スペースは近隣住民との約束によりできたものなので、管理組合は承継するように」との説明があったのです。これに対し、一部の組合員から「これはけしからん話だ。不法行為または債務不履行で賠償問題になるのでは」という話が出てきました。
その後、組合でこの問題に関する専門委員会を立ち上げ、売り主との交渉にあたりましが、売り主側からは「宅建業法上問題ない。パンフレットに公開スペースとして開放する旨説明している。」との回答で、非は認めようとしてません。近隣住民との約束事などどこにも記載されていないのにです。
そこで、組合で弁護士に頼んで交渉にあたったところ、公開スペースの対策工事費(車止め柵設置等の)見合い相当額の200万円程度は用意できるので、近隣住民との口頭合意事項を継承するよう求めてきました。
現在、そこで管理組合としてどう動くべきか判断に困っているところです。
<質問1>
本件は、賠償問題になりえるのか?(弁護士の話では、債務不履行による賠償請求ができるとのこと。)
<質問2>
売主が交わした約束を承継しないで「放っておく」という選択肢はあるのか?聞いてしまった以上はまずいのでしょうか。転売時に問題となるのか。
品川タロウさん ( 東京都 / 男性 / 38歳 )
回答:1件
お答えします。
弁護士の坂本です。
質問1については,お尋ねのような土地の使用に関する制限は,少なくとも宅建業法47条の規定により宅地建物取引業者が説明すべき事項には当然含まれると考えられますから,説明義務違反による債務不履行ということで,損害賠償請求をすることはおそらく可能と考えられます。
質問2については,土地の前所有者である売主と近隣住民による合意については,法律上新所有者であるマンションの区分所有者をも当然に拘束するというわけではありませんが(そのような効力を正式に発生させるためには,建築基準法の規定による建築協定を結ぶ必要があります),法的拘束力が認められるかどうかはおそらく法律家の間でも意見が分かれるところであり,訴訟になったらおそらく決着が付くまで何年もかかることになると思われますし,仮に法的拘束力がないと認められて勝訴しても,それにより近隣住民との関係が最悪になってしまうのは目に見えています。
したがって,売主が交わした約束を無視するという選択肢は,法的には一応考えられるものの,実務上はとてもお勧めできないと考えられます。
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品川タロウさん
ありがとうございます
2007/03/05 18:21とてもわかりやすいご回答頂きましてありがとうございます。
大変参考になりました。
お忙しいところ申し訳ないのですが、最後にもう一度質問させて下さい。
本件、「調停」という形で解決させようと考えてますが、これについては管理組合の総会に諮ることになります。今のところ過半数の承認があれば可決する議案かと考えてますが、3/4以上でないといけないのかと悩んでます。管理規約からは読みとれません。
また、調停に持ち込んだとして、提示された和解案をまた総会に諮ることになりますが、やはり3/4以上の同意が必要になるのかと悩んでます。
これだと決着しないように思うのですが・・・
再質問1
調停および調停で提示された和解案について総会にかけることになりますが、特別議決事項として3/4以上の同意が必要になるのでしょうか?それとも過半数で済まされるのでしょうか?
再質問2
和解案が可決された場合、その事実を残す手段として、管理規約の付則事項および重要事項説明書に追記することになるのですよね?
重要事項説明書については、売り主側の対応になりますが。
品川タロウさん (東京都/38歳/男性)
(現在のポイント:-pt)
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