対象:住宅設計・構造
回答:5件
工夫の仕方について
デザイン面で見ると、内外打放し仕上げは素敵ですよね。
私もこれまで、公共建築や大型建築などを設計していたときには多用してきました。
こういった物件だと、空調などもある程度しっかりとしたものを使うので、屋内環境も一定の温度を保ちやすくなり問題はありませんでした。
しかし、この数年の温暖化やエコという側面から考えると、もっと工夫をしていかないといけないように感じ、私も個人的に研究してきました。
コンクリートという素材は、ご存知かも知れませんが、暑いときにはすぐに熱くなり、熱を保存します。寒い時はその反対で冷たくなり冷気を保存します。
このように考えるとコンクリートというものを直接外気に触れさせるとどうしても、上記のような状態になりやすいでしょう。ある建築家が「30CMのコンクリートを打てば断熱性もとれる」と言っていましたが、それも工夫の一つでしょう。
住まいという観点から考えてみるとコストバランスや快適性など色んな側面が必要になってきます。内部にコンクリート打放しを使うのなら外側に断熱材を施した、いわゆる外断熱をすることがベターでしょう。そうなると外部は仕上げないといけません。
ただ、デザイン的な側面で考えると、例えば、内部の壁に接していないバルコニー側の壁を打放し仕上げなどにして外観のイメージを打放しでまとめることも出来るでしょう。このあたりは設計での工夫が必要ですが、内外とも打放しのイメージでまとめあげることも可能だと思いますよ。
あと、内部のコンクリートを素地のままにしていると1年間くらいはコンクリートの白い粉で悩まされる可能性があるので、塗布処理を忘れないようにしてくださいね。
八納啓造 拝
回答専門家
- 八納 啓造
- (建築家)
- 株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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中村 雅子
建築家
1
断熱の位置
こんにちは。タジェールの中村です。
お尋ねの''打ち放しコンクリート''とは
''意匠的(デザイン的)''に
ご希望なのでしょうか?
問題は''断熱''の考え方です。
''内外RCに断熱なし''とすると
冷暖房の''エネルギーロスが大きい''
そこで
''中断熱''という考えもあります。
''内外RCで断熱材をサンドイッチ''
これなら お望みの環境が可能!
しかし、この工法ができる設計者や
施工者は限られるかと思います。
一般に普及している工法でないからです。
ご参考まで。
横山 彰人
建築家
3
打ち放しコンクリート の メリット デメリット
内外ともにコンクリート打ち放しは、私も好きで素材としても他の素材には無い魅力がありますし、仕上げも美しいと思っています。
しかし、その空間での生活となると春夏秋冬それなりの覚悟が必要です。
断熱材の無いコンクリートだけの建物であれば、、冬季の結露、寒さ はしかたがありませんし、結露が起こりやすいということはカビも発生してきます。
従って何らかの方法で断熱をしなければ,これ等のデメリットを防ぐ事は出来ません。
また床暖房をしても、外気に向けて放熱しているようなもので、エネルギーロスが大きく、現実味が無いと言えます。
ご質問のようにコストがかかっても、内外ともコンクリート打ち放しにしたいのであれば、次のような方法があります。
『構造としての鉄筋コンクリート + 外断熱 + 外壁材としての鉄筋コンクリート』 を同時に施工すれば内外ともコンクリート打ち放しになります。
このやり方は サンドイッチ工法 とも呼ばれていますが、基本的に外断熱工法なので断熱欠損はありません。
この工法を採用する場合には、やはり技術力のある建設会社が求められるでしょう。
素敵な空間が出来るといいですね。 分からないところがあれば事務所にご連絡下さい。
森岡 篤
建築家
3
コンクリート打放しの問題点
MARY7さんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
コンクリート打放しは、独特の魅力を持ち、迫力があります。
私は、コンクリート打放しが好きで、自宅はコンクリート打放しです。
但し、クライアントに打放しはお勧めしていません、それはコンクリート打放しに問題点:ディメリットがあるからです。
ここでは、大きく2つの問題点をあげます。
1点目は、断熱。
2点目は、仕上としてのコンクリートの耐久性です。
通常、外壁を打放しにする場合は、内断熱とします。
外壁内側を打ち放しとする場合は、外壁を断熱(外断熱)します。
内壁・外壁共コンクリート打放しとは、一般的に、外壁の外側にも内側にも断熱のない、無断熱を意味します。
内外コンクリート打放しの家を設計している有名建築家もおり、その魅力は良くわかりますが、コンクリートは断熱性能がとても低く、夏暑く、冬寒い、ガマン比べのような家になってしまいます。
余程の覚悟がないと、膨大な光熱費となります。
冬暖房すると、外壁は外気温に近く冷たいので、結露に悩まされることになります。
夏涼しく、冬暖かく暮らすには、断熱が必要です。
コンクリートの仕上としての性能。
コンクリートは、それ自体吸湿性があり、濡れると水を吸い、黒くなります。
外壁を打放しにするためには、何らかの仕上が必要です。
透明の皮膜(クリア塗装)を作るか、コンクリートに浸透する浸透性防水剤。
クリア塗装をすれば、雨から守られますが、コンクリート打放しの美しさが失われるので、嫌われます。
いずれも耐用年数があり、改修する必要があります。
浸透性防水剤の耐用年数も大分延びたとは言いますが・・・
昔美しく、話題になった建物が20年、30年経ち、美しさを保てなくなり、塗装(色付き)され、別の建物と見間違えるようにみすぼらしくなった例が数多くあります。
補足
無断熱を解決する方法は、他の方もご指摘していますが、内側は内打ち放しとして構造物を作り、外断熱し、その外側に外仕上(打放し)としてのコンクリートを形成するサンドイッチ工法です。
外断熱として、全面断熱層で覆うことができるので、断熱は解決できます。
この方法でも、仕上としての性能は変わらないので、一定期間ごとの塗装メンテナンスが必要です。
浸透性防水剤で撥水した上、高性能クリア塗装するのが、耐久性が高いと思われますが、塗装メンテナンスすると、人工的な感じになります。
「コンクリート打放しは、ローコスト」というのは、間違いです。
美しい打放しを作るのは、コンクリート断面、被り、配筋、コンクリート材料、型枠材料、それを止めるサポートなど、緻密な計画が必要で、打設時にはジャンカーなどの欠陥を作らないよう、多くの人員とツールが必要です。
そのためには、それなりの費用が必要(安いタイルより高価)となります。
参考にしていただけたら幸です。
宮原 謙治
工務店
6
百害あって一利なし!
大阪の住宅家・幸せこだわり住宅職人謙さんです。
住宅の内壁コンクリート打放仕上げは感心しません。
住宅は自然環境と社会環境が凝縮された家庭環境・生活環境です。
人間も自然の一部ですから、
地下資源のコンクリートと地上生物の人間の相性がいいはずがありません。
コンクリートという無機質の環境は、人間にとって不自然であり、無理があります。
不自然や無理があれば、必ずその後遺症や弊害が出てきます。
住宅は家族が安心平和な生活を続けるために大金を投資して求めるものです。
不幸になるような原因が仕組まれた室内環境にならないように御一考下さい。
住宅の内壁コンクリート打放仕上げは、百害あって一利なしと言えます。
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