対象:ペットの医療・健康
こんにちは。14歳になるシーズーですが、6月末にしこりに気づき病院に連れて行きました。リンパ腫でした。抗がん剤をすすめられたのですが、抗がん剤に抵抗があり他の病院に行ったところ飲み薬をもらいました。1週間たちましたがしこりが増えている様な気がします(首・大2 小3〜4個 足の付け根2個)。やはり抗がん剤を試してみるべきなのでしょうか?副作用などで苦しんだりかえって命を縮めることになったりしませんか?高齢なのでとても心配です。今はとても元気で走りまわっています。もしこのままだと急に体力が低下したり、動けなくなってしまうのでしょうか?
chikochikoさん ( 千葉県 / 女性 / 32歳 )
回答:2件
リンパ腫
犬のリンパ腫には幾つかのタイプ(皮膚型、多中心型など)があります。いずれにしましても、治療法は御質問の通り化学療法(制癌剤の投与)になります。一回のプロトコールで完全寛解(完治し再発がない)する場合もありますが、この確率は低いのが現状です。ほとんどは部分寛解といって、一度消失するものの再発を繰り返してしまうタイプです。また一回目の制癌剤投与プロトコールの途中で亡くなってしまうワンちゃんもいるのは事実です。リンパ腫の制癌剤プロトコールも幾つもあって、麻布大学が中心となっている癌研究会が詳しく紹介しています。CHOPという毎週投与するものから、アドリアシンという制癌剤を中心として3週おきに投与するものまでありますが、それぞれ長所があります。ただどのケースにどのプロトコールが最適なのか、部分寛解している期間にもずっと投与を継続すべきなのかなど全部の疫学的調査が終わったわけではありませんので、現在、現場ではまだ手探り状態ということもあります。ただどの制癌剤投与も、ワンちゃんの全身状態、血液状態を検査した上で投与日を伸ばしたり、投与量を加減したりして、制癌剤の副作用が原因で亡くなることがないように工夫しています。当院では、幸いなことに、これまで制癌剤投与後、3〜7日で死亡したケースはありませんが、こればっかりは、申し訳ないですが、やってみないと判らないとしか言い様がないのです。
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RE:リンパ腫
犬のリンパ腫について、はじめのうちはリンパ節の腫れ以外臨床症状が現れないので治療の必要性をあまり感じられないかもしれませんが、無治療の場合は平均生存期間が4〜6週であり、病気の進行が早い腫瘍です。一方、抗がん剤への反応率が比較的高く、ステージ分類にもよりますが多中心型(複数のリンパ節の腫大がみられるもの)では70〜80%と言われています。抗がん剤治療の目的は延命の他に、快適な生活を犬に送ってもらう(生活の質の向上)も目的としています。抗がん剤治療は完全にがんをなくす治療ではなく、がんを押さえ込む治療です。よって再発や薬剤に耐性を持つ場合は治療に反応がないこともあります。治療に伴う副作用もあり、費用、時間もかかります。このように抗がん剤治療にもメリット、デメリットがあります。ここで大切なことは、飼い主様がこのような情報を十分に理解・納得されたうえで治療をするかしないかを選択されることだと思います。かかりつけの獣医師と納得がいくまでご相談されることをおすすめします。
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