対象:投資相談
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投資信託に興味を持っています。最近基準価格も下がってきており、狙い目かなとも思いますが、正直利益を出す仕組みが分かりません。たとえば、100万円を1万円の基準価格で買ったとします。分配金なしの場合、20年後やはり基準価格が1万円だったとしたら、利益はなかったということになるのでしょうか?というのは、どの投信の基準価格を見ても、だいたい最初は1万円前後から始まるのですが、2万円にもなる基準価格のものを見かけないからです。よく、「分配金で複利効果があり、20年運用するとこうなります」と言われながら、かつ「分配金はできるだけ出さない方がよい」とも聞きます。20年運用後に倍になるのなら、もっと高い基準価格の投信を見かけてもいいのではないかと思うのですが?基準価格の騰落以外に投信には儲かる仕組みがあるのでしょうか?基礎的な質問で申し訳ありませんが、今ひとつ分かりませんのでお願いします。
マクシーモフさん ( 愛知県 / 男性 / 38歳 )
回答:5件
投資信託の仕組みについて
マクシーモフ様、はじめまして。
ファイナンシャルプランナー(IFA)の森本直人と申します。
文面を拝見し、おそらくごく基本的なことが、お分かりになっていないのでは、と拝察しました。
投資信託は、基本的なことですが、投資家から小口のお金を集めて、株式や債券で合同運用する仕組みの金融商品です。
基準価額は、投資をしている中身によって、決まります。具体的には、中身の株式が値上がりしたり、中身の債券から利息を受け取ったりすることで、基準価額は上昇します。
ですので、株式や為替のデイトレードのように、買いたい人が、殺到することで、どんどん値上がりしていくという性質は、持っていないのです。
つまり、仮に、その投資信託が、投資家から大量に資金を集めたとしても、中身の方で運用に失敗すれば、値下がりしてしまうこともあるということです。
2万円にもなる基準価額のものを見かけないとのことですが、1万円が2万円になるまでには、通常は、10年以上かかると考えてください。
見かけない理由として考えられるのは、設定されてから10年以上のような投資信託は、それほど多くはないということでしょう。
実際にモーニングスターのサイトで調べたところ、運用年数10年以上の投資信託は、今日の時点で2583本中309本しかありませんでした。
投資信託は、リスク軽減の観点から、投資銘柄の分散をしていますので、1年で2倍になるようなことは、ほとんどなく、逆に1年で半分になってしまうことも、ほとんど考えられません。
その意味では、初心者向けと言えますが、損をしても構わないので、とにかく短期間で、2倍に増やしたいという方には、向いていません。
投資信託は、値動きを当てにいって儲ける金融商品ではなく、ゆったりどっしり構えて、長期で世界経済全体の成長性を捉えていきたい方に適した金融商品といえるでしょう。
以上、ご参考にしていただけると、幸いです。
回答専門家
- 森本 直人
- (東京都 / ファイナンシャルプランナー)
- 森本FP事務所 代表
オフィスは千代田区内。働き盛りの皆さんの資産形成をお手伝い
お金はあくまでライフプランを実現する手段。決してお金を目的化しないというポリシーを貫いております。そのポリシーのもと、お客様の将来の夢、目標に合わせた資産運用コンサルティングを行います。会社帰りや土日など、ご都合のよい日にお越しください。
吉野 裕一
ファイナンシャルプランナー
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投資信託も株や債券に投資しています。
はじめまして、マクシーモフさん。
''FP事務所 マネースミス''の吉野です。
投資信託はご存知だと思いますが、株や債券などに投資をしています。
株や債券に投資をすると配当金が出ますよね。
株の場合は確定ではありませんが、債券の場合は額面に対してどれだけの配当金を出すと約束されています。
その配当金が基準価額の中に含まれていく仕組みです。
ですので、株や債券で運用している場合、株価や債券の価額が変わらないとしても配当金が出れば、投資信託の基準価額は増えます。
では、なぜ分配金が出ない方が有利かと言うと、分配金が出る時に購入した価額より多い部分(普通配当と言い、要は利益部分)には、税金がかかります。
それを複利運用するのと、配当金が出ていても分配金が出ずにそれが再投資されていると税金が引かれないものを再投資するので、その分は複利効果が期待できます。
税金は、実際の取引にかかります。分配金の払い出しや解約などの時です。
また、購入した価額より低い価額の時に分配金が出た場合は、特別配当と言い、税金はかかりませんので、無分配と同じ効果があります。
では何故、基準価額の高いものを見かけないのでしょう?
それは、買い手の心理も考えての事でしょう。
始めは基準価額は1万円ですが、では、運用がよく基準価額がどんどん上がったファンドをはじめて買う人はどう思うでしょう。
基準価額5万円だと、1万円で買おうとしても2000口しか購入できませんね。初めて買おうとした人は少し考えますよね。
しかし私の取り扱っているファンドの中には、基準価額を10万円にするという目標を持ったファンドもあります。
この口数というのも複利に大きな影響を与えます。分配金は口数に応じて出されますので分配金が出るファンドの場合は、同じ金額で購入したとしても口数が多い(基準価額が低い)方が有利です。
また何かありましたらご相談下さい。
補足
基準価額の変動の理由をもうひとつお伝えしておきます。
投資信託は、いろんな投資対象へ投資をしていますが、株式などの場合は、投資した会社の運営の見通しが良くない場合などに株式の売却をして銘柄変更をする場合もあります。
そういった銘柄変更の際の株式の売却益や売却損も基準価額に繁栄されます。
吉野 充巨
ファイナンシャルプランナー
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投資信託の基準価格が高くならない理由です
マクシーモフ 様
初めまして。オフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨です。
マクシーモフ様のお書きになったとおり、1万円で購入したものが、期間中分配金が出ずに、20年後も1万円の基準価格である場合は、利益がありません。
物価上昇率を考えるとむしろ損失になります。
多くの投資信託は、期間(毎月、隔月、3ヶ月、1年など)を決めて、基準価格に照らした金額を分配金として保有者に還元します。その際に再投資型を選択すれば当該分配金でその投信を購入し、口数が追加されます口数が増加しましので、基準価格が同額でも増えた口数分が利益になります。
「分配金で複利効果がある」という意味は、上記の分配金の再投資で増えた口数にも、次回の分配金が出ます。これが毎年続くことが複利効果になります。
分配金として保有者に配分しない投信も存在します。この場合、運用成績が校長であれば基準価格2万円、3万円になります。こうなると追加で購入するのに心理的な影響が出ますから、口数を分割して基準価格を低くします。例えば基準価格が22,000円の投信の口数を2倍にすると、新しい基準価格は11,000円になり、保有者の保有口数が倍になります。
成績が悪い場合には、1万円に届きません。このような投資信託もとても多いのです。この場合、設定期間前に償還されてしまうものも多く発生しています、そして当該投信は市場から消滅します。
また、日本では投資信託は新しいものが多く、発行後5年に満たない投信が過半を占めます。この点からも大きな金額にはなりません。(数年では十倍にはなりません)
上記の理由で、基準価格は1万円程度に集中しています。
評価・お礼
マクシーモフさん
とても分かりやすく教えてくださってありがとうございました。分配金を出さないことで、基準価格が上がる可能性が高くなる。そして、あまり基準価格が高くなると売れなくなってしまうために、口数を分割してしまう。また、日本の投資信託の多くはあまり日が経っていないのが基準価格がだいたい同じことの大きな原因だったのですね。また、基準価格だけでは投信の良し悪しは分からないと言うことが理解できました。ありがとうございました。
前田 紳詞
ファイナンシャルプランナー
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市場ニーズと売り手の論理です。
マクシーモフさん
こんにちは、FP診断の前田です。
ご指摘の通り、日本での投資信託の設定には不思議な点があります。
この理由として考えられるのは
**分配金を出す投資信託の方が良く売れる。
というのがあります。”行動経済学”という心理学を経済に応用した研究でも
**人は遠い将来の大きな利益よりも目先の小さな利益の方がよく見える
と考えることが立証されています。
一般の方、特に投資信託をよく購入される高齢者の方ほど、”複利効果”とか”長期投資運用”という感覚がないため、分配金のある商品を好むという傾向があります。
投資信託を設計するメーカー側も、”毎月分配型”とかの分配金を出す商品を多く提供します。
ちなみに海外では毎月分配型商品というのは、ほとんどないそうです。
最近では投資教育が進んできたおかげで、市場のニーズも変わりつつあり、分配金を再投資するタイプや無分配型も少しずつ増えてきました。
今後は変わっていくかもしれません。
現状はあくまで市場のニーズとメーカー側の論理でこのようになっているということです。
マクシーモフさんが長期での資産形成をお考えでしたら、再投資タイプや無分配タイプを選ばれることをオススメします。
ご質問・ご相談等ありましたらいつでもご連絡ください。
恩田 雅之
ファイナンシャルプランナー
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投信会社のホームページをチェックしましょう
マクシーモフ さん
こんにちは、FPの恩田と申します。
分配金をできるだけ出さない方がいいといわれるのは税金の関係です。分配金をだしますと
現金で受取る場合も分配金を再投資する場合も税金が掛かってしまいます。
分配金を出すことによって税金分運用する資産が目減りしてしまうため分配金を出さないほうが複利効果が高いといわれます。
また、分配金を出すことによって基準価格を1万円程度にする理由は、新規に投資信託を購入する方に投資しやすいと思ってもらえる価格だからです。
分配金を再投資しますと再投資した分の口数が増えます。
基準価格×口数=投資金額 になりますので口数が増えることにより基準価格が同じでも投資金額は増えることになります。
再投資の場合は、再投資される時の基準価格で購入をします。時間を分散して追加投資をしていことになりますので、ドル・コスト平均法を活用した投資方法にもなっています。
投信会社のホームページでは、グラフで「基準価格」の他に「分配金(課税前分配金再投資)」
と2つの折れ線グラフが良く出ています。
「分配金(課税前分配金再投資)」は、現在に基準価格にこれまで出した分配金(税引き前)を
足した金額になります。これを見ますと運用が上手く行っている投資信託かだめ投資信託か判断できますので参考にしてみてください。
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