対象:刑事事件・犯罪
回答数: 1件
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A氏は社外でのある講習を数年間行ない、A氏は無料で行ったと言い、社内でもそのように認識されていました。ところが実際には講習先から講師料が支払われ、約10万円と約20万円の時がありました。これには依頼や支払いに関する文書などの物的な証拠があります。ところが依頼する文書には法人名と個人名が書かれ個人宛ての文書となっており、また支払いは所得税(?)を差し引いた金額を個人口座に振り込む形を取っています。つまり個人契約と考えられる形式です。ただし、この講習の相手先は常に個人契約の形式をとっており、A氏だけではなく、同業他社に対しても個人契約の形式をとっています。これも物的な証拠があります。職場との雇用契約には、業務上で得た利益を社員と分配するといったものはなく、またA氏の他にこのような形で講習での収入を自分の物にした社員はいません。A氏が株主ということもありません。これは刑事告発することが出来るでしょうか。
Qeemaさん ( 東京都 / 男性 / 52歳 )
回答:1件
大塚 隆治
弁護士
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名義の冒用
横領罪が成立するためには、他人から占有権限を与えられ、その物を勝手に着服することが必要です。お尋ねの件で、現金の所有者は誰になるのでしょうか。例えば、会社と講習先との間で講師を派遣し、その講師料は会社に払うという契約があれば、現金の所有者は会社であるということになります。お尋ねの内容では、形式は別にして、A氏と講習先との間で、A氏が講習を提供し、その対価を講習先がA氏に支払うという契約が成立しているのではないかと思います。とすると、現金の所有者はA氏ということになり、これでは横領罪は成立しません。契約書に法人名が記載されているという点をとらえて、A氏が勝手に法人の名義を使用したということになれば、私文書偽造罪が成立する余地はありますが、個人契約と考えられるなら、その契約の名義人はA氏ということになり、私文書偽造罪の成立も難しくなります。背任罪についても、「他人のためにその事務を処理する者」が任務違背行為をして、財産上の損害を加えたことが要件となりますが、A氏が講習を行うことが任務違背行為かどうかは、会社とA氏との間でどのような任務を与え、与えられた関係になっていたかによります。これについても、お尋ねの内容ですと、会社は、A氏が講習を行うこと自体については了承していたと思われますので、背任罪の成立も難しいかと思います。
評価・お礼
Qeemaさん
大変に丁寧に回答を頂きましてありがとうございました。
Qeemaさん
個人契約が成立すれば横領は成り立たないのでしょうか
2008/05/10 00:16短い文面から、多くのことをお汲み取り頂いた上、大変に丁寧な回答ありがとうございます。
確かに、A氏は講習先から依頼されて講習を行っており、依頼の文書も個人名が書かれているので個人契約が成立しているように見えます。が、個人契約というのは全てに優先するものなのでしょうか。
A氏は社内では無料で行ったと嘘を言っており、上司にも収入があることや個人契約を結んだ事も知らせていないようです。当然契約を結ぶ許可も得ていないようです。
つまり、A氏は会社には嘘の報告をして無断で個人契約を結んでいます。
このような個人契約は有効なのでしょうか。
実はA氏にはこの件以外でも、着服した形跡があります。大変に許しがたいです。
他に手は無いものでしょうか。
Qeemaさん (東京都/52歳/男性)
(現在のポイント:-pt)
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