対象:離婚問題
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一方的離婚
2008/03/29 08:26親友の事で相談します。
結婚していた彼女は、事故に会ってしまって重症。
一命はとりとめたものの、車椅子の半植物状態(頭打ったらしく意識も少し変)
彼女の両親を通じて事故示談は進んでいるようですが、問題は彼女の旦那です。
変りはてた彼女を見て、旦那は一方的に強行に離婚を切り出している様子。
若い美人の嫁さんもらったと、さんざん自慢していた彼女の旦那の態度が一変。
「こんな女置いてたって家事もできやしない」「子供産めない女いらない」「こんな女に使う金なんか無い」と、今では厄介な不用品早く処分しようよ必死になっている豹変ぶりに、親友の私が見ていても、彼女がかわいそうでなりません。
部外者の私が口を挟むことではありませんが、こんな時こそ助け合うのが本当の愛では?
世の中には子供を産まない事を選択している幸せなカップル大勢いるのに。
障害者でも仲良く暮らしている人達大勢いるのに。
そもそも、彼女に何の非もないのに、旦那の一方的な都合だけで離婚が認められるものでしょうか?
過去似たような判例ありますか?
補足
2008/03/29 08:26夫婦において、片方が精神異常になった場合は、残された者は一方的に離婚を請求できるという法律があると聞いたのですが、本当ですか?
彼女は事故による頭部打撲が加わって意識もおかしいのですが、彼女の旦那はその点を楯に取って強行離婚の構えです。
私情を挟んで申し訳無いのですが、彼女の旦那のような非道な人間を罰する法律は無いのでしょうか?扶養義務の遺棄という犯罪には該当しないのでしょうか?
反対にあくまで相手は精神異常という大義名分を掲げれば、合法的に一方的離婚を勝ち取れるものなのでしょうか?
法律はどのようになっているのでしょう?
また似たような判例ありますか?
プレアデス星人さん
回答:1件
村田 英幸
弁護士
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離婚請求が認められるのは例外的な場合でしょう
プレアデス星人さん、こんにちは。
離婚請求するためには、離婚原因が必要です。
離婚原因は、民法770条に列記されているとおりであり、この場合、婚姻を継続し難い事情があるかどうかが問題となります。
過去の似た判例を探してみました。
東京高等裁判所昭和52年5月26日判決は、交通事故による身体障害者となった夫に対する民法770条1項5号に基づく離婚請求が夫において妻の愛情と家庭生活への復帰を求めているときにも認容できるとされた事例です。
しかし、この裁判例では、以下のような特殊事情があります。
1)交通事故の原因が、夜間飲酒酩酊して無燈火の自転車に乗り、全力疾走した被控訴人自身の過失にあり、右事故による夫の身体的疾患から生ずる負担のすべてを妻に負わせるわけにはいかないこと。
2)夫婦の同居期間が約2ヶ月と極めて短期間であり、別居期間が5年以上であること
3)夫は交通事故にもかかわらず性交渉は可能だが、、夫の性的能力は著しく不完全で、正常位による性的交渉は全く不可能であり、そのことが妻に性的交渉を嫌悪させる一因となり、妻は夫との性的交渉において到底満足を得られず、身心両面で耐え難い苦痛を強いられた。この点は、将来にわたっても改善される見込が絶無であること。
4)妻は夫と別居し、妻の両親と同居しながら(夫は妻の両親を嫌悪している)、幼い子供を育てていること。
上記のような特殊事情のあるケースです。
本件では、
1)交通事故の原因
2)夫婦の同居期間、別居期間の長短、
3)性交渉の可否(ご質問からする限り無理なのでしょう)
4)その他家族関係、離婚を請求する側に酌むべき事情など
が不明ですので、離婚請求される側に責任も何もないような場合、一方的に離婚請求するのは難しいといえるでしょう。
ご親友が大変な状況ですが、頑張ってください。
離婚の解決事例 ホームページ http://www.murata-law.jp
交通事故の解決事例 ホームページ http://www.murata-law.jp
評価・お礼
プレアデス星人さん
丁重なご回答ありがとうございます。
そうですね。
彼女の旦那の、これから一生かかって来る負担をなんとか回避したい、早く縁切りたいと必死になっている心情を、私も理解でき無い訳ではありません。
片方に真の愛、誠意が無くなってしまっているのに、法で縛って仮面夫婦やるくらい空しいことは無いと感じますが、彼女の旦那のような一方的な身勝手を法が許したら、世の中乱れてしまいますものね。
人間性、利害関係、愛、法とか複雑に絡みますと難しい問題になって来るんですね。
勉強になりました。判例付きの分かりやすいご回答ありがとうございました。
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