対象:遺産相続
妻が私の留守中に書置きを残して出て行きました。生まれて9ヶ月の息子を連れて。書置きによると、私のことを「嫌いになった」というのが理由だそうです。妻は当初から弁護士を代理人として立ててきて、別居以来一度も当事者間で話し合いができていません。私は妻の代理人に離婚の意志がないことを告げ、年末に調停の通知が来ました。これは予想通りでしたが、それと時を同じくして、住んでいるマンションの仮差押決定通知が来ました。請求債権目録には「金197万890円 但し、債権者が債務者に対して有する離婚に伴う財産分与請求債権」とあります。まだ何の話し合いも始まっていないのに、財産分与の額が決まってしまったと言うことでしょうか。こちらは離婚する気はなくマンションを処分する恐れは全くないのに、普通このタイミングで仮差押をするものなのでしょうか。
また、具体的な金額ですが、仮差押決定通知には「債権者の申し立てを相当と認め」とあります。妻側の弁護士が計算したものをそのまま認めたと言うことだと思いますが、どういう計算をするのでしょうか。ちなみに当該マンションは、2002年6月の購入時点で4590万円の物件です。頭金の1630万を妻が、残金の2960万を私が単独で公庫から借りました。購入諸費用なども含めた総費用に対する双方の出費をざっくりと計算して、マンションの持分は妻3分の1、私3分の2としました。しかし、妻が出した頭金の内600万円は、妻の実家から私の名前で借りたものです。妻はもう実家を離れて私と新しい家庭を作るのだからという理由で、持分の計算上は妻の出資分に入っていますが、私の名前で妻の父親に対して借用書を書きました。(お金のある時に返して、ということだったので、まだほとんど返していません。)こういう場合、財産分与の計算はどのようになされるのでしょうか。ご教授下さい。
悩める壮年男さん ( 東京都 / 男性 / 39歳 )
回答:1件
仮差押のタイミング
悩める壮年男さん、こんにちは、弁護士の三森敏明です。
仮差押は、将来の執行を可能にするための措置ですから、相手方(妻)のするタイミングとしては早いに越したことはないでしょう。だから、調停申立と同時に行なうこともよくあります。私も、代理人として同じタイミングで財産分与請求権を被保全債権とした仮差押を不動産に行なったことがあります。
財産分与とは、婚姻生活において夫婦により形成された財産を公平に分ける制度です。分与方法や金額は夫婦間の実態や財産形成の貢献度などを考慮して原則として話し合いで決めます。ですから、調停以前にもう財産分与額が決まった、ということはありません。また、仮差押の実態からすれば、金197万890円は安めに見ていると思いますので、調停での話し合いではもう少し高い金額の提案があると思います。それにしても、本件ではむしろどうして妻が内緒で幼子を連れて家出までして調停を申立てきたのか、また離婚事由(浮気、暴力など)があるのか、を考えてみる必要があります。私は、財産分与で悩むのは、その後でも良いと思いますよ。
評価・お礼
悩める壮年男さん
弁護士に相談するような時というのは、精神的にギリギリのところにいる時です。そんな折に必要なのは、実は「法律的な解釈」よりも「あたたかみのある言葉」だったりするのではないでしょうか。そんな先生の言葉に大いに救われました。
回答専門家
- 三森 敏明
- (弁護士)
- ヒューマンネットワーク三森法律事務所 所長弁護士
あたたかみのあるお付き合い。気軽に相談できる身近な弁護士
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悩める壮年男さん
ご解答ありがとうございます
2007/01/07 15:44三森先生、早速のご解答ありがとうございます。先生がおっしゃった離婚理由ですが、私の側から民法の定める離婚理由に当てはまるようなことはしておりません。私の非は、妻とのコミュニケーションを取る事を怠ったということです。子供が生まれてから妻の様子ががらりと変わりました。笑顔がなくなりました。いたわりの言葉を頻繁に掛けるべきだったのですが、私の方も職場が変わったばっかりの試用期間でした。正規採用されるために引き受けられる仕事は全て引き受け、毎朝6時前に家を出て、ほとんど飲み食いもせず、休憩も取らずに働き続け、20時過ぎに帰宅するときにはへとへとでした。しかし正規採用が決まれば、精神的にも、経済的にも、肉体的にも楽になる。あと少しだ、と常に自分に言い聞かせて、頑張ってきました。妻もそれを分かってくれていると思い込んでいたのです。私は経済的に家庭を安定させることに専念する。妻は子育てに専念する。そう思っていた矢先、正規採用が決まる一月前に突然出て行ってしまったのです。妻と子供の幸せのために、と頑張ってきた結果がこうなってしまい、やりきれない思いです。こんなことになってからいろいろと調べて見て、初めて「産後鬱」「マタニティーブルー」という状態を知りました。恐らくはその状態に妻は陥ってしまってるのではと思います。そうしてしまったのは私の責任です。先生が扱ったケースで、同様のケースはあったでしょうか。ご意見お聞かせ下さい。
悩める壮年男さん (東京都/39歳/男性)
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