対象:住宅設計・構造
回答:3件
グラスウールの欠点を改良した新しい断熱材
takiさんこんばんは。植本計画デザイン植本です。
グラスウールは断熱材のスタンダードとしてこれまで広く使われてきましたが、保水性があるので、一度濡れてしまうとなかなか乾かないのが欠点です。濡れると断熱性が落ちるのでさらに結露しやすくなります。また時間が経つとへたってしまい、袋の中で徐々に沈んでしまうので、断熱欠損を生じやすく、その面からも結露が生じやすくなるのです。
古い建物の壁をはがしてみると、グラスウールがカビで黒ずんでしまっているケースに良く出くわします。
カビを生じさせない方法としては、結露をさせないと同時に吸放湿性に優れた断熱材を使うことが有効で、近年、グラスウールの欠点を改良した数多くの断熱材が出てきています。セルロースファイバー、羊毛、ポリエステル、あるいは水発泡の断熱材などいろんなものが考案されています。ロックウール吹付で断熱と耐火を兼ねる方法もあります。
写真はポリエステルを施工している例です。内壁側は湿気が壁体内に入らないよう防湿シートを施工し、外壁側は逆に湿気が抜けるように通気層と透湿シートを施工しています。
内断熱でも、そのような断熱材を使い、防湿・通気対策をしっかりと行い、断熱欠損ができないように施工すれば、結露を防ぐことは十分に可能です。是非、検討されてみてはいかがでしょうか。
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内断熱もお勧めですよ!
takiさま はじめまして。
軸組が軽鉄か木かを問わず、グラスウールだけしか断熱材を充填できないということはありません。
現在はいろいろな選択肢がありますし、様々な工法や断熱材が採用されています。写真はウレタンパネルを
はめ込んだところですが、この方法は柱や間柱との僅かなすき間にシールや現場発泡ウレタンを注入するものです、メリットは気密性が非常に良いことです。
もし軽量鉄骨でということでしたら、気密性を確保できる現場発泡ウレタン吹き付け工法なども効果が高いと思います。軽鉄の開いている空隙からもウレタンが入り込みヒートブリッジをなくしてくれます。
また、グラスウールに限りカビが多く発生するわけではなく、今まで多用されていた壁内部(のグラスウール)で結露を起こすことにより、気温が一定以上上昇しますとカビが発生するということです。
この現象はどんな断熱材でも発生すると考えて、やはり気密性の確保と必要以上の湿気を生活の中で発生させない工夫も必要と思います。
ご参考になりますかどうか?
アーキ・ヴォイス 染谷
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森岡 篤
建築家
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基本をおさえ、いろいろな方法
takiさん、はじめまして
パルティータ建築工房の森岡です。
軽鉄下地というと、建物は鉄骨系の構造でしょうか。
家の断熱は、生活空間をできるだけ切れ目なくスッポリと均一の断熱性能で覆うことが効果的です。
せっかく断熱材を使っても、性能が切れる部分があると(熱橋:ヒートブリッジ)熱が逃げてしまい、又結露の原因となります。
断熱材を外壁や構造体の内側に設置するのを内断熱、外側のものを外断熱と呼んでいます(RC)。
木造の場合、木材がそこそこ断熱性能があることから、外壁構造体構面内に設置するのが、充填断熱です。
外側の断熱を外張り断熱と呼んでいます。
鉄骨造の場合、構造方式は木造に近いのですが、鉄は木材と異なり熱を通しやすいです。
このため、木造のような充填断熱だけというわけにはいかず、柱廻りなどで断熱材を連続させる必要があります。
断熱工法は、グラスウールのような繊維系パックの他、ウレタン等の固形断熱材を設置する方法、セルロースファイバー等を吹き込む方法、吹き付ける方法があります。
グラスウールだけでなく、どの断熱材でも、結露が生じるとカビが発生します。
結露を生じさせないよう、ヒートブリッジを作らないこと、防湿シート等で湿気を入れないことが必要です。
参考にしていただけましたでしょうか。
(現在のポイント:-pt)
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