対象:心の病気・カウンセリング
42歳主婦です。明るかった主人が、半年前ごろから急に元気がなくなりました。会話も少なく部屋に引きこもり、幻聴も聞こえるといっています。調べてみると「統合失調症」に近い症状かと思うのですが、どうしたら治りますか? 家族がケアするにあたってのアドバイスもお願いいたします。
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
回答:3件
専門医に受診を
ご主人はご質問の方と同年令かお年上でしょうか。もしそうであれば、疾患の好発年齢から考えると、うつ病なども考えられます。うつ病の場合も抑うつ症状や引きこもり以外に幻覚や妄想を伴う場合がありますので、きちんと疾患を同定することが重要です。ぜひ専門医に早急に受診なさることをお勧めします。うつ病であれば薬物療法により多くは容易に改善します。家族のケアについてはその後主治医とご相談されるのがよいかと存じます。
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統合失調症とは
''幻覚・妄想''を中心とした''陽性症状''と''無為・自閉''を中心とした''陰性症状''とが混在する''感覚・認知・行動の障害''です。幻覚・妄想は''被害的な内容''になることが多いです。''「ムンクの叫び」''は被害的な幻聴に悩む姿を表しているそうです。
病気の原因は不明ですが、脳内の''ドーパミン''と言われる神経伝達物質の''過剰な放出''が示唆されていますので、''ドーパミンを阻害する薬''を内服していただきます。
またご本人は''現実検討能力を欠如''している場合が少なくありませんので、現在、感知されている内容が病気によるものだということを、''繰り返し穏やかに説明していく''必要があります。ご家族の方々も同様の理解を得て、''ご援助・ご協力''いただきたいと思います。
一方で慢性期になると陽性症状は治まり、無為・自閉といった陰性症状や更に''注意・記憶・流暢性''といった''認知機能障害''が主になりますので、継続した''リハビリテーション''が必要になります。具体的には''生活療法・作業療法・職業訓練''や''社会技術訓練(SST, Social Skills Training)''が有用です。ご家族はもとより、地域の''保健師・精神保健福祉士・作業療法士''の方々と連携をとりながら、治療継続されることをお勧め致します。
なお統合失調症の好発年齢は、''男性''は''思春期・青年期''の''10代後半〜20代''、''女性''はそれに加えて、''更年期''の''40代後半〜50代''が相当します。従って、ご主人の場合は統合失調症が発症した年齢からは大分ずれており、いわゆる統合失調症の典型とは異なると思います。強いて考えると、''精神病症状が伴う重症うつ病''が考えられ、この場合は抗精神病薬を用いながらも''抗うつ薬''を中心としたうつ病の治療を行うことになりますのでご了承下さいませ。
茅野 分 (銀座泰明クリニック)
補足
銀座泰明クリニックへのリンクは以下へ移転しました。
http://ginzataimei.com
回答専門家
- 茅野 分
- (東京都 / 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
- 銀座泰明クリニック 院長
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統合失調症とケアについて
家族の心構えと対応のポイント
***・不用意に強く励まさないこと
統合失調症の患者さんの大半は、普通に生活を送ることができます。
ただ他の人より傷つきやすく、人とのつきあいが苦手で、生きていくのが下手なのです。
したがって、不用意な叱咤激励の言葉は、負い目を強めさせ、傷つけるだけで、かえって病状を悪くすることもあり得ます。
***・情報を得る場をもつ
同じ体験をしている家族同士で、意見を交換したり、情報を伝え合うことは、たいへん意義があります。
特に家族に心のゆとりがあるならば、それは患者さんにも好影響を与えます。病院、保健所などの家族教室や家族会への参加も有意義です。
また、地域の家族会や精神保健福祉センターなどからも役立つ情報を得ることができます。積極的に活用してください。
***・病院に連れて行きたいが・・・
患者さん本人に病識がないため、病院へ行くことを頑なに嫌がる場合があります。
ところが病院側は患者さん本人がいなければ治療が行えません。保健所の精神保健相談、精神保健福祉センターでは、病気の程度と受診へのタイミング、さらに受診させる方法などが相談できます。
***・信じられないことを言い続けている−妄想への対応
幻聴や妄想はいかに荒唐無稽に感じられても、患者さんはいたって本気であり、しかもたいていはそれらに強烈な不安や恐怖を感じています。
また、妄想はいくら家族が否定しても、覆ることはまずありません。そこで、否定するのではなく、「思い切って医師に相談してみよう。せめて眠れるようになるのでは」といった言い方がよいこともあります。
妄想のような急性症状は薬物療法が有効ですので、診察を受けて、薬を飲ませることが重要です。
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