対象:投資相談
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実現損益と評価損益には違いがあります
無限ループ 様 バームスコーポレーションの杉山と申します。
実現損益と評価損益を区別するとよいのかもしれません。たとえば、「シティグループが180億ドルの損失を計上した」といっても、シティグループが実際に有価証券を売却して損失を出したわけではありません。
「今保有している有価証券、買ったときは100億円だったけど、今売ると50億円程度にしかならない。だから、50億円分を損失として処理しよう」これが評価損(資産の切り下げです)売買は成立していないのでゼロサムゲームは関係ありません。
ゼロサムゲームとは、プレーヤーの損益をすべて通算するとゼロになる。したがって、損をした人がいれば、得をした人もいるという理屈ですね。評価損益については、勝手に評価を切り下げるから、ゼロサムゲームではありません。
もちろん、「資産の高い評価=株高」になりますから、資産の評価減を行ったとき、(株安を通じて)シティの現在の株主が損失を被っていることになります。得をした人は、実現益として、株式の配当を受け取っていた人、高値で株式を売却できた人、ストックオプションを行使した人、あるいは、パフォーマンス比例のボーナスを受け取っていた人たちということになります。
ただし、これらの人は直接の売買の相手方というわけではないので、ゼロサムゲームというわけには行きません。ゼロサムゲームとは、実現損益について考えるものであり、評価損益については、ぬか喜び(悲しみ)でしかないということです。
2008年の冒頭にグローバル経済に関する記事を書いています。こちらをご覧ください。
評価・お礼
無限ループさん
ありがとうございました。単純なローンの問題が債権化で複雑怪奇になってしまって、素人では正確に捕らえることはなかなか難しいようです。
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吉野 充巨
ファイナンシャルプランナー
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私が考える利益を得た先です
無限ループ様 初めまして。オフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨です。
利益を得ていた企業はどこか、 と私が捉えている概要を記載します。
現在の損失額発表の殆どは、評価損を表面化させたもので、実現損失ではありません。元々価値が過大評価されて価格が付けられていたものが、正しく評価すると評価損が出るパターンです。(但し、もしかすると今回は過小評価になっているかも知れません)
実際に手持ちの債務担保証券を売却した金融機関は実損が出ていますがまだ少数派です。従いまして、評価が正しくなければ、今回のように再評価で評価損が上積みされます。
本来一番の損失を抱えているのは、最終投資家です。個人もあれば最終段階で引き受けた機関投資家(銀行)の場合もあります。この中にドイツや英国の地方銀行等があり、昨年倒産の危機に直面したことが報道されています。
では、利益を得たところはどこかということを遡りますと、まず現在評価損を出している投資銀行が筆頭です。但し、それらを過去販売していた時期の利益になっています。
次は、これらの証券化商品を組成した投資組合等があります。そして、個人に住宅ローンを提供し、それを証券化して売却した企業があり、住宅ローンを個人に仲介した企業です。現在のバブルがはじける前にこれらの企業が利益を得ていました。
そして格付け会社は直接投資や組成に加わりませんでしたが、証券化した商品を格付けすることで利益を得ていました。
評価・お礼
無限ループさん
ありがとうございました。みんなで本来出ない利益を先取りし、今、その付けを払っていると理解しました。
渡辺 博士
ファイナンシャルプランナー
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多くの利益は誰も享受してないのでは。
ファイナンシャルプランナーの渡辺博士です。
よく株式で損をすると、他の誰かが得をしている。と言うことを聞いたことがあるかも知れません。
この話しからの質問と思われますが、サブプライムローン問題は細分化して証券化されたものが、世界各国の金融機関へと結果ばらまかれたことが、大きな波紋を呼んでいることはすでにご存じのことだと思います。
詳細が不明瞭な部分も残りますが、米国の金融機関が利益を取るようになると思います。
なぜなら、不動産業者や消費者は正にサブプライムローンを使って住宅を購入したわけですから通常の住宅売買による利益以外はありません。
又、証券化されたものを保有していた金融機関や投資家は、売却しない限り売却損は確定しませんが、評価損として計上はせざるを得ませんから、その意味では損失を計上することになるでしょう。
しかし、最初に証券化した金融機関などは、株式や不動産を高値で売却したようなものですから、その意味での利益は得ていますが当然合法です。
又、評価損を計上している金融機関が、その穴埋めに出資を仰いでいるとなれば、売却してないのですから、市場の評価が回復すればむしろ大きな利益になるかもしれません。
日本のように消費者が破産をしてしまえば、その金融機関が損失を被るので大きな利益にはなりませんが、米国なので詳細は不明です。
ただ、評価損の状態で出資を仰いだりしている状態でありますので、無限ループさんのおっしゃるゼロサムとは言い切れません。
よって現時点で、多くの利益は誰も享受してないのではないでしょうか。
評価・お礼
無限ループさん
ありがとうございました。3名の専門家の方から回答を頂きましたが、正直複雑怪奇で簡単に理解できるものではなさそうです。ただ、3名のお話を伺っていて、ローンに関して金融機関には損失は出ていても利益は出ていないと漠然と思いました。最初に戻るみたいですが、単純なローンなら、住宅を担保に返済金利が金融機関の利益となり、不良化すると担保で返済されるので、金融機関に負債は残りません。しかし、担保価値が残債以下に下がってしまうと、その差額が金融機関の負債となると理解しています。サブプライムに関する出来事が、米国の土地バブルが原因で、現在の担保資産価値が妥当なものなら、バブル部分を売り抜けた人間がやはり利益を得ていると思います。その裾野は広く、めぐりめぐって我々もその恩威に預かっていた、それをいま返しているということでしょうか。ご回答をいただきながら勝手な解釈で恐縮です。
無限ループさん
サブプライムで消えたお金はどこへ2
2008/01/16 22:28回答ありがとうございます。漠然としたイメージですが、投資銀行にしても投資組合にしても、当時の株主や経営者が利益を得、それを世界を巻き込んで穴埋めしているということでしょうか。少し極端かも知れませんが、少数の米国(だけじゃないかもしれませんが)の株主や経営者に世界中の金が吸い上げられているということでしょうか?債権化という仕組みで世界中が震撼しているのは理屈で理解できるのですが、日本のバブル崩壊で未だに回復できないでいる日本に対して、米国の土地バブルの付けを何故、日本を含めた世界が後始末をしないといけないのか、世界が馬鹿だということでしょうか?
無限ループさん (東京都/54歳/男性)
無限ループさん
re 実現損益と評価損益には違いがあります
2008/01/18 00:10ありがとうございました。株式と同じですね。たとえばシティの株主はシティという会社を通じてろくでもない株式を購入して、その株式の評価額が下がったので、特損で利益が下がり、得られるべき配当が少なくなったことやシティそのものの株式評価が下がることでしっぺ返しを食っていると理解しました。でも、現実に特損を出していることから、ぬか悲しみとするためには、今後サブプライムローンの価値が最低でも元に戻ることが必要ですが、そのような事態は生ずる可能性があるのでしょうか?
無限ループさん (東京都/54歳/男性)
(現在のポイント:-pt)
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