対象:インプラント・歯科口腔外科
ここ1年近く、食事の際に噛むと左下奥2番目の歯が痛みます(普通の状態だと痛みはありません)。その歯はかなり前に神経を抜き、かぶせものをした歯です。
食べ物が食べられなくなり何度も歯医者に行きましたが、歯の根の炎症かも...しかわからず、毎回、歯の根の掃除をし、かぶせものをして様子を見る...という状況で1年経ちました。
たまたま出張先で歯医者に行きレントゲンを撮って診てもらったところ、「歯の根が黒く写り、炎症している。抜歯をし、入れ歯・ブリッジ・インプラントのいずれかの治療方法しかない。」と言われました。インターネットなどで調べると、
●ブリッジ:隣り合う健康な歯を削る必要があり、健全な歯も痛める
●入れ歯:咀嚼力の低下、歯に物がはさまり炎症を起こす可能性が大、歯が抜けやすい
●インプラント:あごの骨に埋め込む外科手術が必要
と、どれもわざわざ抜歯をしてまでやるメリットがあるように思えません。
私の場合、骨粗しょう症予備軍であり、麻酔で手術中に気分が悪くなったこともあるため、インプラント(外科手術)は無理かと考えています。また前歯1本を既に差し歯にしていますが、強くものが噛めないなど不安定さがあり、健全な歯を削り差し歯にしてしまったことを後悔しており、ブリッジも遠慮したいです。
抜歯をし、上記3つのどれかを選択する以外に方法がない...ところまでは、抜歯をせずに様子を見たいのですが、それは危険なことでしょうか?
歯科医に相談したところ「放置すると歯の根が溶けて大変なことになるので、3方法のいずれかで治療してはどうか」と言われました。
やはり抜歯し、3つのいずれかの治療をするしか方法はないのでしょうか。それとも、しばらく静観しても大丈夫でしょうか。(もちろん咀嚼力回復は無理だとわかっています)
きょうさん ( 愛知県 / 女性 / 36歳 )
回答:2件
骨の中に
慢性炎症を放置しておくことは確かによくありません。ただ抜歯のあとの選択肢を3つのうちどれかを選ばなくてはならないということはありません。選択肢を選ばない、つまりなにもしないというのも患者さんの自由なのです。欧米では抜きっぱなしのひとがたくさんいらっしゃいます。治療費が高いからです。根の治療をうけられるのは経済的に余裕のある人だけです。虫歯で神経症状が出たらすぐ抜歯というケースもめずらしくありません。
それでも結構かたいものも食べていますし普通に生活しています。日本は国民皆保険制度のおかげでわりと根の治療をしてなんとか歯をのこす傾向があります。日本の患者さんは本当に恵まれていると思います。
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山内 浩司
歯科医師
1
インプラント・入れ歯・ブリッジ&保存治療
きょうさまへ
大変悩ましいご質問ですね。さて、私はどうしても抜歯というようなケースならば、今はインプラントが1番優れていると治療させていただきながら実感しております。が、しかし、きょうさまにはインプラントや、親知らずの歯牙自家移植のような手術を伴う選択肢がないわけですね。奥歯本来の咀嚼機能の回復や、噛み合わせの維持にはこれらの選択肢が理想的であると私は考えていますとお伝えしておきます。
患部に当たる左下奥から2番目の歯を6歳臼歯(6番)と呼びます。この歯は乳歯列の後ろに初めて生えてくる永久歯で、この歯の噛み合わせを中心に、噛み合わせ、骨格、歯並びなどが形成されてきました。ゆえにこの6歳臼歯は、成人してからもKeyteeth(鍵の歯)とも呼ばれています。ですので、今のまあまり噛めないという状況をながく続けようとすると、噛み合わせや、他の歯に対する荷重高負荷などの悪影響も考えられます。
歯医者さんに、『放置すると歯の根が溶けて大変なことになる』というご説明を頂いたご様子ですが、この内容についてはご納得されていらっしゃるのですか?抜歯基準は、実はドクターの経験や腕、お考え方にもそれぞれ違いがあります。きょうさまは歯をなるべく残したいとお考えですね。でも噛める状態で残せないと歯としての機能が維持できません。根管保存治療専門の歯医者さんもいらっしゃいますので、そのような先生をみつけてセカンドオピニオンとされてみてもよろしいかもしれませんね。
もう一つ回答させていただきます。現在のインプラント手術は、歯茎を切らず、縫合もなく出来るケースも多々あります。もちろん局所麻酔は必要ですし、麻酔が切れた後には少しのお痛みも伴いますが。。。いずれにしましても、ご自身がご納得できる&ご納得の上治療を進めていただいて頂きたいです。(お伝えしてさし上げたい事が多々あり、乱文多謝)
きょうさん
別の歯科医に相談してみました
2007/11/28 13:17先生方、御回答ありがとうございました。
先生方の回答を参考に、同じ歯科の別の先生に診ていただきました。
レントゲンを確認していただき、奥歯の痛みの状況(小さい棒で奥歯・周辺の反応)をあらためて診ていただいたところ、抜歯は必要ないだろうと言われました。コンコン棒で叩いても痛みがまったくなく(もともと痛みはありません)、ものを噛んだ時の圧力で奥歯周辺が痛むという症状だけでは抜歯をする結論には至らないとのことでした。
加えて検査をしてもらったところ、6番に隣り合う2つの奥歯の詰め物の間から虫歯になっていることがわかったこと、6番と2つの歯の間にかなりすきまがあり(1年位放置していました)、歯の根の痛みが治っていたとしても、すきまの歯茎が傷んで炎症をおこしていることも考えられるとのことでした。
そこで、治療方針として、
1、6番の両隣のかぶせものを取り、虫歯を治してかぶせなおす。
2、6番の歯の根の掃除状態を確認し、きれいにした上で(隙間なく)かぶせて歯の土台をなおす。
3、上記治療でしばらく噛んでみて痛みが取れないようなら歯の根の部分の炎症の治療方針をあらためて立てる。
4、3の場合も、抜歯のみか、インプラントやブリッジや義歯の処置をするかは再度相談する。
という方法でやりませんか?と歯科医から提案いただきました。
今、1のかぶせものを取って虫歯を治し、かぶせものの型をとるというところまで処置していただきました。
3以降は今後の状況をもう少し観察しなければわからないとのことですが、医師から説明を受けた治療方針が明確なことと、今回の質問への回答で、インプラントなどへの悪い印象もかなりクリアになったので、安心しています。
3に行き着くまでには、まだ少し時間がかかりますが、また悩んだら御相談させてください。
回答をありがとうございました。
きょうさん (愛知県/36歳/女性)
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