雄犬に喧嘩を売る

犬がその行動を高め、習慣化しているのは、「その行動の結果いいことが起きているか」、「嫌なことが無くなっているか」のどちらかです。

うなって吠えたり、威嚇するのは、いいことがおきているからでしょうか？違いますよね。

そう、ご質問のワンちゃんは喧嘩を売っているのではありません。
相手が恐いので追っ払おうとしているのです。

かつては、こうした犬の行動を「支配性によるもの」などということがありましたが、現在では間違いとされています（ただ新しい事実を知らないインストラクター・トレーナーなどは今でもそう考えています。えばってるなどという解釈もどうようです）。

3000頭近い家庭犬と飼い主へのアドバイスを過去に行っていますが、相手より自分が強いことをアピールするために攻撃性を見せた犬は、皆無です。

過去セミナーを拝聴した、海外のトレーナーや問題行動の治療を行っていいる獣医師も、攻撃性を見せる犬のほとんどが恐怖や不安、かっとう、混乱から来るものだと言ってました。

では、どうしたらいいのか。

まず去勢をお勧めします。
去勢をすれば魔法のように良くなるわけではありません。
同時に、吠える対象が恐くないと言うことを、犬に理解させるためのトレーニングを地道に切り返し行う必要があります。
さらに、Tタッチやフラワーレメディなどの力を借りる必要があるかも知れません。

去勢は獣医師。その他は、知識および経験豊富なインストラクターからの、直接の指導が必要となります。

大阪には（社）日本動物病院福祉協会（＝JAHA）認定の家庭犬しつけインストラクター
がおります。
JAHA認定のインストラクターは獣医師とのネットワークも豊富です。

ぜひ、相談をしてみてください。

過去に受講したセミナーで、犬同士で起きたトラブルを調査した結果、未去勢のオス同士、という組み合わせが一番多かったというデータが紹介されていました。

昨日まで一緒に遊んでいたオス同士が、ある日突然喧嘩をして、それ以降全く遊べなくなった、というケースも数件知っています。

どんな犬にも吠える、相手の犬の種類や大きさ・色によって吠える、というケースとは違って、今回のケースは性別によって反応がはっきりしていますよね。やはり「性ホルモン」の影響を受けた本能的な行動が強いと思いますので、私はまず去勢をお勧めします。

もちろん、去勢をすれば、すべてピタっと止むわけではありませんし、未去勢のままトレーニングできないわけではありません。

でもドッグランで自由に遊ばせたい、気持ちよく遊んでもらいたい、という希望があるのですよね。
去勢していれば、未去勢のオス犬に目をつけられる(喧嘩を売られる)可能性も自分の犬が喧嘩を売ったり、メス犬のお尻を追い回したりといった行動に出る可能性も低くなります。
不特定多数の犬が集まるドッグランを利用する中で、自分の愛犬をトラブルから守る有効な手段の一つとしてご検討ください。

もちろん日頃からしっかりとコミュニケーションをとり、「呼び戻し」や「やめ」のコントロールが効くようにトレーニングすることも大切だと思います。