対象:住宅設計・構造
回答:1件
多くの断熱材は消音効果はありますが遮音効果はありません
大阪で設計事務所をしています。
防音材として断熱材を使用しようとする人がいますが、音を小さくするには二つの対策を行わないといけません。一つは消音(吸音)で、もう一つは遮音です。
部屋の中にいて、自ら発する音(ピアノとかオーディオ・工作機械etc)を反響させない様にするには消音効果の高い材料で仕上げを行います。断熱材などは音を反射さる効果が低いので消音には有効です。但し消音対策のみでは部屋の中の音が外部に筒抜け状態となります。と言う事は断熱材のみでは雨音は部屋の中に入ってしまいます。
部屋の中にいて外から入って来る音を止めようと思えば、遮音効果の高い材料で被覆する必要があります。遮音性能は質量に正比例します。建材の中で質量の大きいものの代表はコンクリートで、コンクリート住宅は窓さえ閉めておけば雨音程度なら全く聞こえないと思います。
ご相談の住宅の構造について書かれておりませんが、カラーGLを採用する事から恐らくは木造か軽量鉄骨造かと想像しますが、ネオマフォーム・カラーGL共遮音効果の乏しい材料ですので、遮音対策を行わず工事してしまえば、恐らく雨音は気になるでしょう。
こんな時の対策方法として、私は耐水石膏ボードを屋根の構造用合板の上に敷き詰めます。建材の中でも石膏ボードは質量の高い部類に入り価格も安価です。木造住宅で同等の仕様で何件か設計しましたが、雨音の苦情は全く聞いておりません。
評価・お礼
shmaさん
2017/05/26 14:56福味様、早々にご丁寧な回答をしていただき、ありがとうございます。築50年の木造家屋のリノベーションです。現状の瓦屋根&低い天井を破棄し、ガルバ屋根&天井なし吹き抜け構造にするつもりです。>私は耐水石膏ボードを屋根の構造用合板の上に敷き詰めます。とは、ガルバ鋼板→ネオマフォーム→耐水石膏ボード→屋根天井板の順序で構造化すれば、断熱&遮音効果が期待できると理解しました。
回答専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
福味 健治が提供する商品・サービス
住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
(現在のポイント:-pt)
このQ&Aに類似したQ&A