対象:住宅設計・構造
木造在来工法で平屋建ての図面を検討中です。
設計士さんからの提案の中に
2.75間×3.5間の長方形の広間がありました。
広間のうち2辺(縦1辺・横2辺)はガラス戸です。
(構造の関係で3.5間の辺の中央付近に一本、柱が入るかもということですが)
知人の建築士に意見を聞いたところ「在来工法で瓦屋根で
2.75間×3.5間の広間をとるのは耐震的にも強度的にもきついよ。」
という話を伺いました。
自分としては、お世話になっている設計士さんの図面が気に入っており
全面的に信頼をしていますが、なんだか心配になってきました。
細かい状況の説明が上手くできませんが、一般的に木造で造れる広間の
広さの限界はどのくらいでしょうか。
また、仮に構造屋さんの計算で通ったとして、本当に安心できるのでしょうか。
sungesungeさん ( 東京都 / 男性 / 40歳 )
回答:3件
不安は不安のうちに設計者へ!
はじめまして。東京多摩地域で建築設計に携わっている大沼と申します。
一般論として短辺で2間程度などとよく耳にするところですが、2階建ての2階床が荷重でたわまないような梁組を、入手しやすい部材で構成するなら、という前提に立っての話とも言えます。
sungasungaさまの場合、まず平屋建てということで、2階建てより構造的に楽なのは確かですが、広間の大きさから通常対応ではやや難しいとも思えます。しかし最後の一文から、設計士さんは構造事務所に構造計算を依頼しているのではと推察しました。もしそうであれば、おそらく大広間を実現するには耐震性能や屋根荷重について構造的に特別な検討が必要と考えての対応と思われます。構造事務所は建築基準法の仕様規定より厳しく計算するのが通常で、あえてぎりぎりを目指す意図でない限り、頼まないより安全な構造を示してくれます。
できれば早めに、sungasungaさまのご不安をさくっと設計士さんに伝え、丁寧な説明をお願いしてはいかがでしょうか? 文面から設計士さんも誠実に取り組んでいそうと感じ、であれば、設計士さんも疑いに育つ前にご不安を解消するチャンスとして、喜んで詳しく説明してくれるものと思います。
もし構造事務所に頼んでいないなど私に読み違いあればご容赦ください。たとえそうであっても、少し情報が集まったら迷わず遠慮せず疑わず、直接コミュニケーションを図ることをお薦めします。
回答専門家
- 大沼 徹
- (東京都 / 建築家)
- 大沼建築・環境計画事務所 主宰
人の思いと土地の個性を結んだ、オンリーワンの環境づくり
土地は本来、ひとつひとつ固有の個性を持っています。その個性を求められている用途と結びつけ、周辺環境と呼応した、その土地ならではの空間/環境づくりをめざします。
中舎 重之
建築家
1
平屋での広間の大きさ
広間の大きさが、2.75x3.5間=5.0x6.4mは、確かに広いですね。
在来工法で処置するスケールでは、有りません。
耐震性能での偏心率が3.0に納めるのが、やっとと思われます。
一般の建物の偏心率が1.5ですので、地震時には倒壊はしなくとも、
損壊は免れません。
損壊の場所は、2辺のガラス戸の所に集中します。
解決策は有ります。此の広間に面する構造を伝統工法にて設計します。
柱は、8寸=24cmで、全部で6本とします。
梁は、松材で、1尺4寸=42cmとします。
それで、開口部(ガラス戸)のある上部には、1尺1寸=33cmの梁を、
3尺=91cm離して2段に入れます。 鳥居の形です。
土台は8寸を平使いとします。 基礎の幅も右に倣います。
柱の太さと、梁の大きさにより、ラーメン構造を形成します。
計算上の偏心率が3.0でも、設計では1.5以下になる話です。
構造計算では不可能な事でも、構造設計では、OKになる話です。
当方には、千葉県の鴨川の別荘の構造設計にて実施した経験があります。
東日本大震災の3.11にも、建物にはひび割れひとつなく、耐えてくれました。
2015.4.21 中舎重之 Fax:046-263-9324
(現在のポイント:-pt)
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