涙もろい

こんにちは。聴心館 国府谷です。noooeさん，涙もろい自分に困っている。こらえようとしても，すればするほど涙が出てくる。また泣いてると言われることがこわい。そんなお気持ちなんですね。お察しします。

聴心館では，精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています（医師法における診断・治療行為は致しません）。気になったことを少しお話ししましょう。

人は，いろいろな状況に直面すると，感情がすぐさま出てきます。ある意味で，出会いがしらの衝撃を吸収するかのように感情が出てくるのです。noooeさんの場合も，他の人のかわいそうな状態や悲しい状態で涙が出てきています。でも，noooeさんの場合はそれ以外に，怒りを感じるときやイライラするとき，恐怖を感じるとき，そして，自分にとってばつの悪いときなどにも涙が出ているようですね。感情を強く感じるときには，涙が出てきてしまう。きめ細やかな感性なので，強く感じるとそれが涙につながってしまう。noooeさんは，とても感受性のきめ細やかなデリケートな方なのかなと思いますが，どうでしょうか。

先ほど，状況に直面すると感情が出てくるとお話ししましたが，実は感情のカラクリは，もう少し複雑です。出来事などの状況があると，人はそのどこかに注目します。例えば，noooeさんは「友達に私がしてほしい行動と違う行動をされたらイライラして泣いてしまう」ということですが，このとき，noooeさんは「友達のした行動」というところで，「私の希望することと違う」ということに着目した。そこで，イライラするという感情が出てきたのです。このときに，「希望することと違う」ということでなく，「私の趣旨を誤解したのかな？」とか「上手く伝わらなかったのかな？」というところに着目すると，どんな感情が出てくるでしょうか。おそらく，違った感情が出てきて，涙が出てこなくなるのではないでしょうか。これは，気を紛らわせることとは違います。着目点を変えるというのがひとつの方法です。

また，人は生まれてから今までの間に，経験を積んで学習しています。「私の望みと違うことをされる」という出来事から，結果的に不利益を感じて，イライラするという感情を経験します。そうすると，それを学習して「望みと違うこと」をされたときに，自動的にイライラが出てくるようになっているのです。そこで，自動的に出てくる学習した反応を根本から変えるという方法が，2番目に考えられます。ただこれは，今までの経験を変えるという意味で，そう簡単にできることではありません。

そこで，最初の方法，状況に出くわしたときに，今までとは違うことに注目する，今までとは発想を変える，そんな風にしてみると，感情が変わり，涙が出てこなくなる可能性があります。試してみて下さい。何度も失敗すると思いますが，懲りずに続けているうちに，身についてきます。そうすれば，涙がすぐに出てくることと，お別れできるかなと思います。

ちなみに，今，涙が出てくるほどに感受性が豊かなことは，本当は素敵なことなのです。そして，noooeさんが成人する頃には，少し感受性が弱くなり，涙が出にくくなる可能性があります。そこまで待つという方法もあります。さらに，noooeさんが50代60代になると，年齢的に人生を感じて，また涙もろくなるということもあります。そこまで，お話ししておきたいと思います。

やってみて難しいようでしたら，またご相談にのります。良い閣下が出ることを祈っています。では。