対象:住宅設計・構造
回答:1件
伊藤 一郎
建築家
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視線の先までの距離とその先の抜け
はじめまして。東京で設計事務所をしております伊藤と申します。
ご質問拝見しました。
「広さ」の感じ方ということですが、
一つ言えるのは、部屋に入った時に視線の向こう側の壁までの距離が長い方が、広さというものを感じられるのではないかと思います。
四角い部屋であれば、対角線の距離を感じられる入り方が、最も広く感じると思います。
ただ、「広がり」という感覚的な話になりますと、
距離とか面積といった数値で表せる事柄のほかに、開口部の取り方であるとか、抜けであるとか、様々な要素が影響してくるのではないかと思います。
つまり、視線の向かう先が壁であるよりも、その先が次の部屋につながっていたり、あるいはそこに大きな窓が開いていれば視線が抜けて解放感を感じられるでしょうし、
窓の外にテラスなど外部空間が広がっていればさらなる解放感が、
テラスと部屋を素材を合わせて一体感を持たせればさらに…というふうに、
その辺りが「設え」というものを考える、まさに設計という部分になってくるのだと思います。
ご質問は部屋に入った時の広さの感じ方についてですが、その部屋が長く留まるような居室であれば、入った瞬間よりその部屋の中における「居場所」からの視界を検討して居心地を良くすることも重要になって参ります。
間取りを考える上では、住まい全体の部屋と部屋のつながり方をよく考えることで、機能的で住みやすい住まいになりますから、その中で入口のつけ方というものは限られてくることも多くなります。
部屋の真ん中に扉をつけるということは、そこまで行く為に廊下が長くなってしまう事もあったり、その面の壁に収納を造ろうと思えばその収納は狭いものになるか二つに分かれてしまうということもあります。
間取りによって無理のない位置に入口を設け、その上で出来るだけ広がりを感じられる「設え」をお考えいただくのがよろしいかと思います。
ご質問に対する回答としては少々ずれたものになってしまったかもしれませんが、ご参考になればと思います。
(現在のポイント:-pt)
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