対象:住宅設計・構造
南北11.5m×東西15.5m(約50坪)の土地(東側接道、他三方は宅地)があります。
A 北側半分に東西に細長い2階建て(5m×12.5m)を建てるか、
B 北西に寄せて略正方形の2階建て(8m×8.5m)を建てるか、
悩んでいます。
どちらも延床面積が約35坪で略同じ広さになります。
道路(東側)から見た時、
Aは、非常に細く(5m)アパートのようで、同じ建築費の家としては貧弱で見栄えがしないように思います。
反面、南側半分が開いて庭(5m×10m)と南東に駐車スペース(5m×5m)となり年中日当たり良好と思います。
Bは、一般的によく見る「家」のイメージです(私がそう思うだけか?)。
南側隣地(現状更地)とは約2m離れますが、将来家が建てば南側からの日当たりは望めないと思います(これが普通?)。
東側には6m×11.5mの駐車スペースおよび玄関アプローチ、残りが庭となりそうです。
世間一般にはBの形の家が多いように思いますが、私はAも捨て難く悩んでいます。
業者さんはお客さんである私の意見にはなかなか反対意見を出してくれません。
第三者のプロの意見をお聞かせください。
ななはちさん ( 奈良県 / 男性 / 54歳 )
回答:4件
中舎 重之
建築家
1
敷地に合う建物
敷地を有効かつ最大限に使い切る為の答は「A案」で決まりです。
平面の間取りに無駄が無い設計の、建物の立面(プロポーション)は、
そのままで充分に美しいのです。
A案は、南側の庭が隣地まで5mあり充分です。
そのまま東側に2台の駐車スペースが取れます事に無理が無いのです。
有効かつ最大限と申し上げた理由です。
その事は、お客様自身が良く理解されていると思います。
迷う事なく、自信を持って此の計画=A案を進めて下さい。
ちなみに、当方が考えたプランを記します。
1階は南側横一列に西から、8帖+L14帖+DK6帖で、7間です。
2階は同じように、西から、8+6+6帖の5間です。
合計で4LDKになります。
南側に部屋が全て並べられる敷地とプランこそ素晴らしいと言えます。
以上です。 2014.6.31 中舎重之
評価・お礼
ななはちさん
2014/07/31 21:21明快な回答ありがとうございます。
自分の考えが間違っていなかったのだと自信が持てました。
迷いが吹っ飛びました。
やはり専門家の方に聞いて良かったです。
中舎 重之
2014/08/01 08:30迷いが無くなったとの事、当方にも嬉しい知らせです。
かならず、良い家造りになると思います。
2014.8.1 中舎重之
島崎 義治
建築家
1
豊かなイメージで。
家づくりのまさに最初の一歩を踏み出されたのですね。プロの建築家も同じようにやっているはずです。ただ、同時に残りの部分、空地となる部分(主に庭となりますが)の形状も重要であると思います。周りの状況がわからないので正確な対応ができませんが、
私がまず考えるとするとAです。「細長いアパートのような」と考えるから貧弱に見えるのです。「小さなギャラリーのような」と考えるべきですし、そのようにつくる能力のある設計者が必要です。南側に最大限の庭を残すために建物を北に寄せる。庭を活かした大きな開口部、あるいは列柱のようなガラス面を考えるでしょう。ただ、庭も建物も南面は開放的になりますから、現代ではプライバシーや直射光や風などをどのように制御するか考える必要がありまし、地震対策も若干考える必要がありそうです。また、南にだけ面するのは単純すぎるという考え方もあるかもしれません。
Bが家らしいというイメージは民家とか、農家のイメージでしょうか。Bは4方向に対して広がりを持つ豊かなプランです。しかし、2m程度の余地しか残らないのであれば再考する必要があります。内部の伸びやかさを活かしながら、周りの余地を確保するアイデアが必要です。例えば、私ならば四角い家のイメージは残しながら少し細分化して敷地にフィットさせることを考えます。その過程で、プライバシーの確保などいろいろな問題点も解決しておく必要があります。
この最初の段階では、2案程度に縛られずに、もう少しいろいろなイメージを考えておいた方がよいと思います。この敷地の可能性とか、キャパシティというようなものです。そこが住む人にとって人生の大切な舞台となる場所だからです。その可能性と住まい手のイメージとがぴったり当てはまるプランを苦労して探し出すのが設計という作業になります。「苦労して」と書きましたが、かなり楽しいものになるはずです。
ご参考になれば幸いです。わからないことがありましたら、どうぞご遠慮なく相談してください。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所、人間環境大学教授
2012、2013グッドデザイン賞受賞
評価・お礼
ななはちさん
2014/07/31 21:50回答ありがとうございます。
AもBも一長一短がありますので、デザイン性やアイデアを盛り込んでもう一捻り考えてみたいと思います。
色々考えている時が楽しいですね。
上村 美智夫
建築家
1
建物形状と敷地内でのレイアウトについて
はじめまして、PAO建築設計の上村です。
敷地の形状と希望する建物の広さ、形からと2台の駐車スペースとの関係でみると、A案は、残りの庭を含めた、全体のバランスが良く、良いと思います。
一方B案については、敷地が更に南方向に2~3m程長ければ、道路側からやプライバシーを必要とする南側からの距離が確保された(敷地の奥の方に建っている)落ち着いた佇まいの住宅となると思います。
しかし、現状では南側の空きが庭やプライバシーの面で十分とは言えず、こと点でA案の方が勝っていると思われます。
A案の見栄えについてですが、恐らく1階の中央はリビングとなり、大きな掃き出し窓と、その前面にウッドデッキのテラス等が出て、上部には庇等が取り付くのかもしれません。その両隣は、西より例えば和室など、東側はキッチン、ダイニング等でしょうか。それらは窓の大きさ、形なども異なり、それをバランスよくデザインすることになるでしょう。2階は南側に個室が並ぶと思われます。一部にはバルコニーが付くでしょう。それら全体を見てデザインすることになりますので、アパートのような画一的な立面ではなく、個性的で豊かなデザインとすることは十分可能です。
平面形がシンプルな上に、総2階であり、内部の間取りの検討でも上下の壁の位置を合わせやすいなど、構造的にも合理性がありそうで、コストの面でも有利になると思います。
以上、少しでも参考になれば幸いです。
個別に直接聞いてみたいことがあれば、「この専門家に相談する」ボタンをクリックして、お尋ねください。相談は無料です。
上村 美智夫 / Michio Kamimura
PAO建築設計
http://www2.gol.com/users/paoarchi/ E-mail paoarchi@gol.com
評価・お礼
ななはちさん
2014/07/31 22:02回答ありがとうございます。
やはりA案の方が全体のバランスが良く、良いですよね。
まさに、私の思いが裏付けされたようで嬉しくなりました。
上村 美智夫
2014/08/01 11:18返信ありがとうございます。
建物は敷地の形状等の様々な条件で、その形が決まってきます。全体の状況を良く見た上で、最適な形を探ることになります。常識や先入観等もその判断に影響を与えるでしょうが、やはり全体の状況を良く観察した冷静な判断が大切なのでしょう。
その判断に迷ったりするようなときには、ぜひ建築の専門家にお尋ねください。納得しながら計画を進めることは、後に後悔を残さない為にもとても大切な事だと思います。
今後の健闘をお祈り致します。
個別に直接聞いてみたいことがあれば、「この専門家に相談する」ボタンをクリックして、お尋ねください。相談は無料です。
上村 美智夫 / Michio Kamimura
PAO建築設計
http://www2.gol.com/users/paoarchi/ E-mail paoarchi@gol.com
小林 裕美子
建築家
1
全ての部屋が南向きに出来るって素晴らしいことですね
ななはちさん、はじめまして!
細長のA案を採用すればとても陽当たりの良い家が建てられそうですね。
同じ建築費で見栄えがしない・・・とありますが、見栄えこそはデザインで
どの様にでも素敵に出来ますから、建物全体の外形だけで考えるのは早計です。
建築設計の立場から見ると、長さを活かして列柱とか、陽射しを調整する
ルーバーの列とかいくらでも面白い仕掛けが考えられます。きっと普通よ
ずっと素敵な設計が出来る建物です。
それに建物は何よりも住み心地・・・内部から考える必要があります。
ご質問の条件から見れば、全室南向きの最高の住み心地を捨てる理由は、
どこにも見つかりません。
それに、道路から見て奥深くて広い庭があるのは、それだけでも
明るさと豊かさが感じられて貧弱とは正反対の印象になると思います。
南側に奥行き5mの庭があれば、隣地に将来2~3階建ての家が建っても
ななはちさんの家のどの部屋も殆ど日陰にはならないので、今後そのご心配を
する必要も無くなります。
私ならばやはりA案を採用したいですね。
評価・お礼
ななはちさん
2014/07/31 22:12回答ありがとうございます。
やはり、陽当たりの良い家=住み心地の良い家 ですよね。
全室南向きは捨てがたいですよね。
背中を一押しして頂いたようで迷いが解消できました。
(現在のポイント:-pt)
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