対象:新築工事・施工
賃貸にすべきか新築戸建にすべきか社宅にすべきか相談させて下さい。
私は33歳で、31歳妻子供0歳ありです。名古屋在住。貯蓄は1600万位で650〜700万の年収。
定年の30年後には関東の実家に帰るつもりです(妻は了承済み)。というのも実家は江戸時代からの家系で、土地がいくつもあります。私の兄弟には子供がいなく、家を継ぐ必要があるためでもあります。
60歳位までに住む所を探しています。情けない事に、今は妻の実家に居候中でなるべく早く出たいと思っています。
住む候補は以下のものがあります
○月2.5万の社宅
安いですが5年間しか住む事ができません。
○新築戸建
3200万ほどで100平米&駅近くの良さそうな物件が手に入ります。
○賃貸
70平米以下で月9万円の物件になりそうです。
もともと持ち家を考えていて、マンション〜建売〜中古と半年以上探して見て回って、理想の新築戸建を発見しました。予算、交通の便、音問題、地盤、地域の教育レベル、使い勝手などほぼ完璧です。
定年まで30年だとして、社宅は安いのですが5年間入ってしまうと、新築戸建のメリットを感じずに実家に帰ることにな理想なのが嫌です。
そして新築戸建を買ってしまうとなかなか実家に帰る事も出来ないのではないかとも考えています。
この状態で、まずは何処に住むべきかアドバイス下さい。 メリットデメリットも併せて頂けると助かります。
ゆーしさん ( 愛知県 / 男性 / 33歳 )
回答:1件
島崎 義治
建築家
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悩ましい、いくつかの条件が重なった方向性を解きほぐすことで、
私はライフマネージメントの専門家ではありませんので、コスト的、効率的な観点ではなく、現在愛知県と東京での二重生活をしている建築家としての経験から少し述べさせていただきたいと思います。
また、仕事柄、不動産の管理や運用をされている方にも出会いますので、その労力や手腕の重要性も大切であると実感しております。定年後に一気に切り替えるというよりも、少しづつ準備を成されておく必要がある重要な役割であると思います。
また、そうした目先の準備だけではなく、今現在において充実した生活を送ることこそ重要であり、その延長線に将来の実家での生活があるとも考えられますので、、、、どこに価値観を置くか、その価値観にまっすぐに向かっていかれればよいのではないかと思います。
○月2.5万の社宅/安いですが5年間しか住む事ができません。
○新築戸建/3200万ほどで100平米&駅近くの良さそうな物件が手に入ります。
○賃貸/70平米以下で月9万円の物件になりそうです。
つまり、賃貸住宅(民間集合住宅か、社宅か)か、分譲住宅(建売戸建て住宅)かという選択をまず、なさらなければなりませんが、
その時々の生活にぴったりと適合し、また快適な住まいであればどちらでもよいのではないかと考えます。むしろ、それを見つけることがどんなに難しいことか、多くの方が見つけられないでいるのではないかと思います。
ただ、賃貸住宅は融資による建設資金が大変限られるため、建設費を削減せざるを得なく、満足できる住環境を持った住宅は限られているものと思います。また、建売住宅も表面的な豪華さをアピールしているものの実質的な性能は大変低いと思われますので注意が必要であろうと思います。また、この場合、一般的には、資産的な価値、つまり土地の価値の方を重要視なさる場合が多いと思いますが、生活を重視するか、資産を重視するかも判断しなければならないと思います。
次に考えうることは、将来の実家でのセカンドライフへ向けて、生活のスタイルをどのようにしておくか重要であると思います。
30代からと子供たちが独立する50代とからでは住まい方が異なってくると思われます。30年にわたって、いくつかのライフステージが生じますが、それぞれに合わせた居住環境と地域環境を選択してゆくことや、いくつかの地域での生活や異なるスタイルでの住宅を経験し、将来の不動産の管理や開発に向けての経験をつくることが考えられると思います。これは1980年代以降生まれた新しい(といってもかなり古いですが)都市的発想であると思います。
しかし、私も感じていることですが、愛知県というのは都市的ではありますが、実は大変大きな田舎です。いまだに三河や尾張などという地域性にこだわりがあり、また地域の総代や自治会など濃密なネットワークに根差して住んでいかないと生活環境が充実しない地域でもあります。
ただ、むしろその濃密なネットワークに入り込んでゆくことで地域での充実した生活を送ることができますし、同時に、関東での価値観との違いなどとの葛藤が生まれると思いますが、それらを将来の不動産管理などに役立てることも考えられるのではないでしょうか。
結論も、メリットデメリットも明確には出せなかったかもしれません。こうしたコンサル的な業務は人生観や価値観、あるいは人柄までも、互いに知って行うべきものですので、WEBサイトでの一度のやりとりで的を得た回答はできないものとお考えください。
しかし、
「住まいをどのように決めるか」というテーマに対し、価値観をどこに置くかについては真剣に考察したつもりです。長い文面になってしまいましたが、そのなかから私の出した条件設定や価値観をくみ取っていただいて第一歩とお考えいただければありがたいです。
ご参考にしていただければ幸いです。
また、ご質問や感想などあればどうぞご遠慮なくお申し出ください。愛知県にもおりますので、気軽にどうぞ。
島崎義治
/株式会社島崎義治建築設計事務所 所長
/人間環境大学 教授
2012年、13年グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
Email:info@architect-studio.com
(現在のポイント:-pt)
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