個人事業主Aは釣り船屋を経営しています。固定資産台帳に載っている1000万円の価値のある船を使って、年収400万円の売上があります。船の減価償却は年100万円、その他経費が100万円で、事業収入は200万円とします。
このたびAは法人なりをすることなにりました。Aは法人Aに資産(船)を引きに継ぐのに、現物出資では500万円以上の資産なので手続きが大変なので譲渡することにしましたが、法人Aにはお金がありません。(資本金は100万円としました。)
そこで、法人Aは社長Aから1000万円を借りて(10年返済)、その1000万円で社長Aから船を買いました。法人Aの貸借対照表には固定資産(船)1000万円、社長Aからの借入1000万円が計上されました。
社長Aは1000万円貸して、船を1000万円で売ったので、差引0です。
さて、法人Aは、売上400万円のうち、経費100万円、減価償却100万円、返済100万円、残りを社長Aへの給与としました。法人Aの利益は0です。
社長Aは貸金の返済100万円と給与100万円が入ってきます。
この場合、個人事業主Aは200万円の事業所得に税金がかかっていましたが、社長Aはほとんど税金がかからないことになります。
この考え方はどこが間違っていますか? よろしくお願いします。
パンくんさん ( 徳島県 / 男性 / 52歳 )
回答:1件
林 高宏
税理士
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仕訳で考えないと難しいですね
はじめまして。早速回答させて頂きます。
仕訳を順に切っていきましょう。
1)(現金預金)100万円 (資本金)100万円
2)(船舶)1000万円 (代表者未払金)1000万円
3)(現金預金)400万円 (売上)400万円
4)(経費)100万円 (現金預金)400万円
(代表者未払金)100万円
(役員報酬)200万円
(減価償却費)100万円 (船舶) 100万円
法人の利益は0とありますが、
売上 400万円
経費 △100万円
役員報酬 △200万円
利益 0円
となりますので、これは合っています。
Q1 社長Aは貸金の返済100万円と給与100万円が入ってきます。
ANS. その通りです
Q2 この場合、個人事業主Aは200万円の事業所得に税金がかかっていましたが、社長Aはほとんど税金がかからないことになります。
ANS. 社長は、個人時代は事業所得として税金がかかっていましたが、法人成りした後は200万円の給与所得が発生することになります。
この場合、給与所得控除が使えるので、給与所得は事業所得より減ることになります。
ですから、この考え方に特段間違いはないと思いますよ。
以上です。
評価・お礼
パンくんさん
2013/10/23 20:44早速、ご回答いただきまして、誠にありがとうございます。
法人Aと社長Aの取引は
社長Aが1000万円を法人Aに貸す。法人Aはその1000万円で社長Aから船を買う。
(現金預金)1000万円 (役員借入)1000万円
(船舶)1000万円 (現金預金)1000万円
ではなくて
(船舶)1000万円 (代表者未払金)1000万円
になるんですね。
ところで、社長Aは毎年100万円を返済してもらうわけですが、この100万円は課税対象(給与所得)ですか?
基本的な知識がないもので・・・。よろしくお願いします。
林 高宏
2013/10/24 02:22ご安心ください
社長は、原則時価で売ることになっていますが、簿価でも構わないことになっています。
この場合、差し引きトントンになるはずです。
利益が生じる場合は、譲渡所得(総合)に該当しますので、申告が必要です。
通常は、所得税は0でも、消費税はかかるケースが多いのですが、課税事業者ではなさそうなので、こちらの心配もご無用です。
返済の元本に対しては課税対象にはなりません。
利息を取った場合、利息は社長の雑所得になりますので、ご注意ください。
通常、こういうケースでは、利息をつけないことが多いようです。
(現在のポイント:-pt)
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