切妻か陸屋根か

住宅・不動産住宅設計・構造 2013/10/20 10:34

中東のドバイで家の新築を計画していますが、屋根の事で悩んでいます。

ドバイでは木造建築はほとんどなく、一般住宅はたいていが鉄筋で骨組みを作ったブロック建てですが、地震はまず起こりませんし、雨もほとんど降りません。

けれども一年のうち半年以上はエアコンに頼らなければいけない酷暑の砂漠気候ですので、新しく家を建てる場合は防災でも防寒でもない、「防暑」対策が必要です。

「防暑には小屋根換気が有効」と聞きますが、そのためにもっとも有効な屋根の形状は「切妻屋根における軒裏吸気、棟排気」であると聞きました。

ですが屋上に水タンクを設置するためには「陸屋根」にする必要があるといわれました。はたして陸屋根にした場合でも小屋根換気は可能なのでしょうか。

また、最近は「小屋根エアコン」という物があると聞きました。「小屋根の部分にエアコンを取り付け、その冷風を通気孔を通して家中に行き渡らせる」との事ですが、実際に効き目のあるやり方なのでしょうか。それともこれはいわゆるセントラルエアコンと同じ物なのでしょうか。

どうぞよろしくお願いいたします。

hanachiruさん（群馬県 / 女性 / 46歳）

回答：1件

島崎義治
建築家

難しいご質問ですが、、、、

2013/11/02 19:45 詳細リンク

気になっていたご質問であり、また中東やイスラム圏の建築にも私は大変興味があり、考えていたのですが、、、、、、、遅くなり申し訳けありません。

さて、
『「防暑には小屋根換気が有効」と聞きます』と、ありますが、ドバイの方にお聞きになったことなのでしょうか。どうも、日本人の発想のように聞こえてしまいます。（間違いでしたら申しわけありません。）そもそも、ドバイの民家で小屋裏換気などあるのでしょうか。

陸屋根になれば、当然小屋裏換気などとることは難しくなります。まずは、当地の民家の様子を知る必要があると思います。その上で考えてゆきますと、

１．屋上にタンクをつくることは必要不可欠な条件であると思われますので陸屋根にするしかないかもしれません。ただ、水タンクも熱で性能が低下することが考えられます。すでに日本でさえ屋上に水タンクを設置することはなくなりました。

２．次に陸屋根、及び水タンクに対する防暑ですが、日影をつくることが必要であると思います。イスラム圏での広場やパティオにはアーケード（日本の商店街のアーケードではなく、もっと陽を遮るためのものです）を設置してる例を見ますので、なんらかの材料で覆いを設けてはいかがでしょうか。フラットな覆いでよいと思います。

３．それから、防暑は屋根だけの問題ではなく、建物全体で考える必要があると思います。イスラム圏の古い町では外壁はほとんど閉じられていて、内部にパティを設け、光や風を取り入れています。また、井戸なども設け、涼をとったりしているようです。

４．あとは、風を通すような塔が建っている例もよく見ます。やはり、風を建物内部に取り込み、屋根の上から風を抜けるようにする必要があると思います。風の等の事例は煙突状にして、気圧差を利用して取り込んでいます。

もう少し、詳しい内容をいただければ、もっと的を得たお答えができると思います。また、わからないことがあれば、ご遠慮なく相談してください。

ご参考になれば幸いです。遅くなり申しわけありませんでした。

島崎義治/株式会社島崎義治建築設計事務所
2012年、13年グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com