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台風に対してできる防災対策(備え)って何かありますか?

人生・ライフスタイル 防災 2013/10/18 14:20

こんにちは。

先日、気象庁が記者会見し「関東に接近、上陸する台風としては10年に一度の強い勢力」として発表された台風26号が直撃しました。

この台風は各地で被害をもたらし、特に伊豆大島では土砂などにより、多くの家屋に被害をもたらし、行方不明者も多数でおります。

そうしたなか、来週あたり、台風27号が直撃する可能性が高いという噂を聞きました。

噂では、台風27号は26号と同等かそれ以上の勢力をもち、かつ26号と同じ進路をたどるのではないかと言われています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131017-00010005-wmap-soci

また台風27号に限らず、2013年の今年は例年に比べ特に直撃する台風が多いような気がします。

そこで専門家の方にお尋ねしたいのですが、大型台風に備えて今からできる防災対策や備えといったものは何かありますでしょうか?

また、実際に家屋が被害にあった場合のため、どういったことを考えておけばよいのでしょうか?

良いアドバイスがいただけると嬉しいです。

みるきーさん ( 東京都 / 男性 / 34歳 )

回答:2件

高荷 智也 専門家

高荷 智也
備え・防災アドバイザー

46 good

自分の命を守るのは、避難勧告を出す偉い人ではなく、自分です。

2013/10/18 15:19 詳細リンク
(5.0)

2013年の台風26号は、首都圏とりわけ東京・大島町で多数の死亡者を出す大惨事となり、各地に多くの爪痕を残しました。その傷が癒える間もなく同じ規模の台風が接近する可能性があると報じられるなど、不安が続いています。

台風の接近前、そして不幸にも被害が出た後の備えについて、考えてみましょう。

■台風が接近する前の物理的な対策
台風による被害として、次のようなことが想定されます。
・大雨による浸水
・土砂災害による埋設
・強風と飛来物による住居の破損
・インフラ途絶(停電や断水)
事前の準備は、どうすればこのような被害から逃れられるかという視点で行いましょう。

●雨どい、側溝、屋外の排水溝はきちんと掃除をして、水はけをよくしておく。前回の台風で破壊されている可能性もあるので、早めに確認しておきましょう。

●植木鉢、バケツ、物干し竿など、屋外にあって固定されていないものは、一時的に玄関へ待避させるか、ネットとロープを使ってしっかりと固定しておきましょう。

●雨戸やシャッターがきちんと閉まるか、事前に確認しておく。物置小屋のドアがきちんとロックされるかも調べておきましょう。

●停電に備えて、懐中電灯、電池式のランタン、ラジオ、予備の乾電池などを用意しておく。停電すると携帯電話によるインターネットもできなくなる可能性がありますので、情報源としてはラジオが有効です。

●停電すると断水する地域もありますので、ペットボトルの保存水を用意しておいたり、トイレ用の水を風呂場にためておく。またガスコンロも使えなくなる場合がありますので、カセットコンロとガスボンベがあれば安心です。

●雨戸やシャッターがないガラスの窓には、地震対策もかねてガラス飛散防止フィルムを貼っておく。フィルムを貼っておけばガラスが割れても飛び散ることがなくて安全です。

※飛来物などで窓ガラスが割れた場合、台風の最中に修理をすることは困難です。今まで一度も割れたことがないから大丈夫、と考えずに最悪のことを考えて準備することが大切です。


■台風に備えた心構え
台風26号では大雨特別警報が発表されなかったにもかかわらず、東京・大島で甚大な被害が出るなどしたため、行政の責任を追及する声が上がっています。

しかし、これはやや危険な考え方といえます。本来、自分の命は自らが守るものであって、気象警報や避難勧告といった通知は、避難を行うための目安やきっかけに過ぎないのです。行政の指示がなかったため避難できなかったというのは、自らの命を他人に委ねる行為になりかねません。

また、仮に特別警報や避難勧告が通知されたとして、「自分の家は大丈夫」と考えず、素直に避難を行う方はどれほどいるでしょうか。さらに警報が空振りに終わった際、「何事もなくて良かった」ではなく「避難が無駄になった、どうしてくれる」と責任を追及する声が上がることもよくあります。

避難指示や避難勧告は、市町村長の判断で発表されますので、通知が遅れることがあります。しかしインターネットが普及した現在では、こうした指示が出ていなくても自分と家族に迫る危険を知ることができますので、自らの判断で避難を開始することが必要な場合もあります。

大雨や土砂災害に関する危険の目安として「大雨警報」がありますが、同時に「記録的短時間大雨情報」や「土砂災害警戒情報」が発表された場合、また「大雨特別警報」に変化した際には、洪水や土砂災害などの重大な災害発生の危険性が高まっています。さらに特定の河川に対して「氾濫危険情報」や「氾濫発生情報」が発表された場合は、洪水が生じる恐れがあるか、すでに生じています。

気象警報やその他の通知は、雨の量などが基準値に達した場合、気象庁を通じてかならず発表されますので、これらの発表を知った場合は、支援が必要な近所へ声をかけつつ、移動が不可能になる前に避難を行うなどの判断が必要です。


■台風で被害を受けた後の対応
台風で家屋や家財に被害を受けた場合は、「火災保険」を使って補償を受けることができます。火災保険にはオプションがいくつかあり、例えば台風の大雨による浸水被害や、土砂災害による被害は「水災」でカバーされます。また飛来物などで被害を受けた場合は、「風災」でカバーされます。

火災保険の多くは、これら「水災」や「風災」をまとめて契約することが多いですが、特に新しい契約の場合は自らの意思でオプションを解除している場合があります。河川が近くになくても土砂災害の可能性はありますので、「水災」を対象外にしていないかどうかなど、台風の前に保険会社へ確認しておければ安心です。

不幸にも台風で被害を受けた場合は、被害を証明するために状況が分かる写真を残しておくと安心です。また後片付けにかかった費用も請求できる場合がありますので、金額のメモや領収書などは残しておきましょう。

対策
台風
保険

評価・お礼

みるきーさん

2013/10/18 17:11

早速の回答、また詳細に記載頂きありがとうございました。

教えて頂いた対策について、チェックシートにして自分なりに台風に備えたいと思います。
また、実際に台風が直撃した場合に備えて、どうやって台風情報、警報に注意深く耳を傾けるようにしてみます。

台風被害を受けた場合は、火災保険のオプションがあるというのは知りませんでした。
もう少し、自分で調べてみます。
被害状況を写真にとっておくということも知りませんでした。

ネットでは台風27号が「やばい、やばい」という噂ばかりが飛び交っていて、心配していましたが、少しホッとできました。
今週末、もう少し自分なりに調べてみます。

ありがとうございました。

高荷 智也

ご評価ありがとうございます。

地震のようにいつ来るか分からない災害とことなり、台風は「いつ・どこに」やってくるのかが目で見える災害ですので、準備さえしておけば被害を押さえることができます。物理的な準備、保険のような事後の準備共に、一度お考えいただければと存じます。

回答専門家

高荷 智也
高荷 智也
(静岡県 / 備え・防災アドバイザー)
ソナエルワークス 代表

備え・防災は、日本のライフスタイル。

「自分と家族が死なないための防災対策」と「経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP」のポイントを解説するフリーの専門家。自然災害から原発事故、企業の危機管理まで分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、テレビや各メディア媒体への出演多数。

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松島 康生

松島 康生
危機管理/BCP/防災計画コンサルタント

30 good

降雨量は増加傾向にあるため、過去の経験や過信に頼らない。

2013/10/21 03:50 詳細リンク
(5.0)

既に高荷さんが回答していますので、重複する部分もありますが、補足的にお話させていただきます。

◆雨量は増加傾向に
近年の風水害をみると共通して「これまでに経験したことのない雨だった」という言葉が多いかと思います。

事実、今回の伊豆大島の24時間雨量は824mmという驚異的な豪雨を観測しています。通常であれば、約2か月間に降る雨がたった1日で降った計算になります。

また、気象庁のデータを過去と近年の雨量データを較べると、いずれも観測史上最多の記録を更新している状況にあります。これらの多くの原因は地球温暖化によるものだとされています。
温暖化が進めば、大気中の水蒸気が増大することから、降水量が増えるとされているのです。

一方、海洋温度も上昇していることから、台風の勢力(規模)は今後大きくなることが予想されています。
このことから雨量は増加とともに台風の勢力が強くなる傾向にあることを認識しておくべきでしょう。


◆過去の経験や過信に頼らない
上記のことから「過去の経験に頼らない」想定が必要です。

過去の災害で被害に遭われた方のほとんどは「自分だけは大丈夫」「自分だけは死ぬはずがない」「自分だけは災害に巻き込まれるはずがない」という安易な過信から起きています。
被害に遭われた方の話では、「普段から歩き慣れている場所だから平気だと思った」「水かさが30~40cm程度だから歩けると思った」という言葉ばかりが目立ちます。

これらは個人だけではなく、今回の台風26号による大島町においても過信があったのではないかとされています。「避難勧告の遅れ」「災害に対しての過信」。そして想定以上の土砂災害…

実は避難勧告を出す自治体の職員は「防災のプロではない」という点です。地域の防災対策のプロになるには少なくとも3~5年の経験が必要だと考えますが、この頃には人事異動で他部署に移ってしまうため、今年から防災担当になったという職員の方も少なくないのです。


◆今後の防災対策
まずは、お住まいの場所や地域が、どんな災害リスクに弱いのかを把握することです。
洪水ハザードマップや地震ハザードマップなどから、どんな災害に弱いのかを正しく見極める必要があります。
・台風や集中豪雨による洪水・浸水被害、土砂災害、高潮被害
・地震による地盤の揺れ、建物倒壊、津波、液状化によるライフラインの途絶、火災延焼など

これらを調べることからお住まいの場所や勤務先は避難の必要があるのかどうか。が見えてきます。


避難が必要な場合は、あらかじめ、避難先や避難経路の検討が必要です。
・地震時に耐えられる建物かどうか、津波や土砂災害の危険はないのか、浸水して陸の孤島にならないか、ライフラインの途絶はないのかなど…
・避難経路においても、建物倒壊や落下物の危険性はないのか、途中、浸水する危険な経路はないのかなど…
・どのタイミングで避難すべきか、危険度が高い場所であれば早めの避難行動が必要です。
・また、高齢者や乳幼児、妊産婦、障がい者が同居する場合も早めの避難行動が必要となります。


・災害リスクを正確に把握することで、火災保険や地震保険の加入や特約の必要有無が見えてくるため、無駄な出費を抑えることが可能となってきます。


同様の内容として「最近の大雨(集中豪雨)と台風について」がございます。
是非、こちらも参考にしてください。
http://www.saigairisk.com/527.html

集中豪雨
対策
水害
洪水
火災保険

評価・お礼

みるきーさん

2013/10/21 10:57

詳細にご回答頂き、ありがとうございます。

台風と言えば暴風というイメージでしたが、最近、もっとも被害をもたらしているのは、水害であるということに改めて気付かされました。

「そう言っても自分に被害は及ばないだろう」という気持ちであることにも気付かされました。
床上、床下浸水なんてなると目も当てられないですよね…
自分の住んでいるところは大丈夫だろうと思っていましたが、勤務先を含めて改めて洪水ハザードマップを見てみたいと思います。

その上で、「何となく保険に入っておけば安心か」ぐらいに思っていたので、出費を含めて保険を見直すというのは目から鱗な感じでした。
というか、何も考えていなかった自分が恥ずかしいです…

教えて頂いたリンク先を見ると、水害のチェックポイントとかあったので、少し時間をかけて改めて勉強したいと思います。

有益な情報を頂き、本当にありがとうございました。

松島 康生

松島 康生

2013/10/21 12:27

評価をありがとうございます。

どうぞ災害に対しての知識と対策を少しでも蓄えて、イザッという時に発揮していただければ幸いです。

また、これを機会にご家族やご近所とも話し合い、皆さんで防災力を高めてお互いに助け合う体制を整えていただければと思います。

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