対象:住宅設計・構造
鉄筋コンクリートで家を建てようと思っているのですが、
思ったよりずいぶんと安い見積もりを出されました。
実際には、1割程度の上下する可能性があると言われましたが、
それでも以前に別の場所でとった見積もりよりかなり安かったです。
そこで、知り合いの工務店さんに、そんなことはあるのかと相談したところ
「鉄筋コンクリートは、鉄筋の太さ、壁の厚さ、コンクリートの質(?)などで
いくらでも安くも高くもできる。規制ぎりぎりの薄さや細さで建てれば
当然安くなるし、しっかりとした建て方をすれば高くなることもある。
それは木造も同じ」と言われました。
ということは、安い見積もり=品質の劣った鉄筋造ということなのでしょうか?
もちろん、法的(規制上?)制限以下になることは無いと思いますが、
そんなギリギリの状態でも安全性は問題ないのでしょうか?
また、そのあたりの判断(細すぎるとか)をやっていただけるようなサービス
というのはあるのでしょうか?
よくわかっていない素人の質問で申し訳ありませんが、よろしくご回答お願いします。
azeriaさん ( 東京都 / 女性 / 40歳 )
回答:3件
コンクリート造の見積もり
横浜の設計事務所です。
建売やモデル販売ではなく注文建築としての家の見積もりは、詳細な設計図をもとに行います。
建物の構造、特にコンクリート造は構造計算が必要ですし、地盤調査の結果によって杭が必要になる事が多いです。
さらに、内装・外装・設備、諸々の設計を行うと設計図は何十枚にもなります。
当然それだけの内容を決定するには、施主さんとの打ち合わせを何回となく繰り返し何ヶ月かかけて設計図が出来上がります。
木造ならば木組みの設計も行い、どのような太さの梁や柱、どのような木を使うか、などをすべて決めて設計図にします。
コンクリート造ならば、鉄筋の配筋(太さ、本数、どのような形に鉄筋を配置するか)、コンクリートの厚み、コンクリートの強度、等々の構造をすべて設計図にします。
値段比較をするなら、その設計図をもとに複数の工務店さんに同じ条件で見積もりを依頼します。
そこで始めて値段の比較ができるのです。
そうでなくて、どうして比較ができるでしょうか?
国産の1500ccのエコカーとイタリアのアルファロメオを、同じ大きさの車だからという理由で値段の比較ができるでしょうか。
同じ車ではあっても、その目的も内容も素材もまるで違います。その比較は意味がないのです。
それでも車のような工業製品なら「これが好き」という選択ができます。
何を選んでも、どこで買っても内容が変わることはありません。
しかし、家は現場で大工さんが手作業で造る一品生産品です。
工場内ですべてが完結する機械で作る大量生産品ではありません。
特にコンクリート住宅は躯体を造る職人さんの腕が重要な構造です。
そして、躯体の設計図がなければ彼らも造ることはできません。
もし、納得して作った設計の家をきちんとした値段比較の上で、きちんとした現場監理(監理は設計事務所が行います)で造りたいとお思いでしたら、まずは設計事務所にご相談することをお薦めします。
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評価・お礼
azeriaさん
2013/08/27 15:06ご回答ありがとうございます。
エコカーと外車の比較のたとえ話、とってもわかりやすかったです。
そうですよね・・・何をもって「高い」「安い」とするのかは同じ規格でないと
意味がないですよね。
躯体の設計図までは出来てない状態での見積もりでは、意味がないとよくわかりました。
同時に、詳細な設計図を見る前にすごく安い見積もりを出してきた今回の工務店さんに
疑問を持てるようになりました。
設計士のかたに相談するように頑張ってみます。
ありがとうございました。
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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志田 茂
建築家
1
見積の金額には理由があります
何事にも、その金額には・・見積には、理由があります。
これまでの経験で、工期を短くできるから安くなるとか、
設計図の中に無駄な点があるからそれを改善でき、安くできるから とか。。
また、勝手な考えで、設計図にある仕様を変えて見積したらから金額が安くなった
という事も考えられます。
建築は、たくさんの人がその技術と労力を使って作るものです。工事費の多くはそうゆう人達の人件費と思ってください。
安いにこした事はありませんが、内容を理解しないと、仕事欲しさに単に人件費を削ってトータル金額を下げたという事だって考えられます。その場合の、働く人達の気持ちも想像してみてください。
まずは、どうして安いのか、理由を聞いてみる事です。
それが納得できない話ならば、そこの会社は断ればいいのです。
とは言っても、内容は専門的な話になるので、建て主さんが建築関係者でなければ、理解する事は難しいです。
**
ところで、設計者はいないんでしょうか?
見積書の内容を確認して建築会社と話をまとめるのは、設計者の仕事なのですが。。
(そこまで依頼されていないのなら話は別ですが。。)
見積の段階で設計者が関わらないという事は、工事中の現場監理は誰がやるのでしょう?施工会社まかせですか?
金額の内容とともに、施工の質も気にしてください。
**
図面のチェック、見積書のチェック、現場のチェック・・そうの業務を請ける方達もいらっしゃいます。このプロファイルの中にもいらっしゃいます。探して、ぜひ利用される事をお勧めします。
もし、単に現実の設計前の無料見積をされての段階であれば、ちゃんと設計事務所を探され、設計と工事監理を依頼される事をお勧めします。
お一人で家作りをされる事なく、家作りのパートナーとともに、いい家を作ってください。
志田茂建築設計事務所
志田
評価・お礼
azeriaさん
2013/08/27 14:54お礼が遅くなって申し訳ありません。
やっぱりどうして安いのかきちんと聞いてみるべきなんですね。
遠まわしに聞いてみたときは「努力しました!」と言い切られてしまって
それ以上なんとも言えなくて、困ってしまいこちらにご相談させていただきました。
設計士の方はいらっしゃるのですが、その方が勧めてくる工務店とは違うところなので
なんとも伝えづらくてまだ相談できていない状態です。
どちらにせよ、自分ではチェックできない内容なので、どうするかよく考えてからにします。
ありがとうございました。
志田 茂
2013/08/28 22:31設計者がいるならば、その人を信じ、いっしょに、よいお住まいを作ってくださいね!
島崎 義治
建築家
-
慎重に!
状況がよく理解できませんので、的がずれているかもしれません。
そのため、少し整理させていただきますと、
A.建築家の作成した設計図をもとに工務店に見積を行った。ただし、建築家が設計図を作成するためにはあなたとの打合せを数カ月かけて行い、図面をまとめているはずです。
B.工務店の設計施工で工務店が作成した簡単な間取り図で見積を行った。この金額を基に工事契約を行う予定。
C.概略の要望や面積を工務店に伝えて、見積を行った。だいたいの予算にあえば具体的に進めていく。
以上の3つの状況が考えられると思います。
A.の場合は全く心配ありません。見積の内容や基準が決まっていますので、建築家と相談の上、その安い工務店に決めたらいいのではないかと思います。
B.の場合は、工務店が工事契約(設計施工ですのでもちろん設計契約もそのなかに含めれていると思います)を結ぶために、経験上に基づく概略の見積を行い、それに合わせて、内容を決め、工事を進めていこうとするものです。これまでのALLABOUTのQ&Aを見ていただいたらわかりますが、最もクレームの多いやり方です。安い金額で提示されても、生活に不可欠な設備や部位がオプションと称して除かれていたりして、工事が終わったら、非常に大きな金額を要求されるというパターンです。この場合は仕様書や図面をきっちり作ってもらい、契約をする必要があります。
もちろん、まだ構造設計など行っていないでしょう。経験上から、コンクリートの構造体の工事金額を推量されているのだと思います。特に今は消費税が上がる前で、工事契約を結ぼうとする方が大変多く、工務店はその対応で忙しくまともな見積はできていないという状況ですので、気をつける必要があります。
C.の場合はまだ営業の段階でおおよその目安として金額を提示されているのだと思います。構造体以外にも仕上げ材や設備機器などの要望を出していくと、金額も変わってくると思いますし、住宅を作る上でのいい経験と準備となるのではないかと思います。
ただ、Cの段階が終われば、Bの段階に移行していくわけですので、上記の指摘を十分注意してください。
さて、
工務店を決めようとなさっているのですから、Bではないかと推測いたします。
この場合は上で指摘したようにトラブルが多いように感じます。ですので、十分に注意をし、慎重に進める必要があるのではないでしょうか。一生をかけた大きな事業であり、買い物ですし、また、これからの人生をそこで送る大切な生活の舞台です。どのような住宅があなたの将来にとって望ましいのか、十分に考えて取り組まれる必要があると思います。
わからないことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
評価・お礼
azeriaさん
2013/08/27 15:11ご回答ありがとうございます。
私のわかりずらい質問をくみ取っていただき、わかりやすく解説していただき
ありがとうございます。
微妙にCとBに間くらいの状態なのですが、まさにトラブルが発生しやすい状況だと
いうことがよくわかりました。
慎重にしてもしすぎるということはないのですね。
ありがとうございました!
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