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防音室の構造、内装仕上げについて質問です。

住宅・不動産 住宅設計・構造 2013/04/02 23:09

現在木造2階建てを計画中です。1階に3畳ほどの防音室を作るのですが、防音室部分のみ基礎からそのままコンクリートを立ち上げてRCの部屋にする予定です。
最初の計画では、内装をGLで仕上げて、そこに吸音板を張りつける予定でしたが、防音室にはGL工法はよくないということで、スタイロボードにコンパネが接着してあるものを、打設してはということで、現在その予定です。
そのコンパネに吸音板を貼り付けて仕上げます。
また、床は置き床工法です。

1、GL工法からスタイロ打設という工法への変更は遮音によかったか?
2、置き床はそのままですが、遮音への影響はないか?
3、平面的な混構造になりますが、注意点は?

サックスを夜、練習するのが主目的であるため、限られた予算の中で勉強しつつ考えております。
どうか、良いお知恵がありましたら、お願いいたします。

補足

2013/04/04 01:33

大変親身になって、詳しくわかりやすく解説いただき感激しております。
GL工法のように壁などを二重構造にすることで、タイコ現象による遮音性のロスを懸念して、部屋をRCで囲んでしまうのでいっそのこと壁や天井(アップライトピアノなどの楽器が直接触れない部分)は隙間を作らないでおこうという考えです。
スタイロ打設とは、ダウ化学のスタイロフォームと型枠用合板を貼り合わせた型枠兼用断熱パネルのスタイロコンパネをつかって、そこに、PBとオトカベなどの吸音板で仕上げる計画です。二重壁にしてGWをいれるというのも、知識や経験がないままの施工では、タイコ現象のように共鳴して、遮音性のロスになっっては元も子もない気がしています。ただ、素人考えですので、やはり、壁も二重壁にしないと、遮音性能がロスしてしまうかどうかの判断ができません。また、置き床も同様に二重であるため共鳴などは大丈夫なのか心配です。

harusoraさん ( 熊本県 / 男性 / 44歳 )

回答:1件

島崎 義治

島崎 義治
建築家

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3つの項目を整理して考える必要があると思います。

2013/04/03 01:07 詳細リンク
(5.0)

音は大変悩ましいものです。

まず、3つのご質問ですが、
1.GL工法はある種の波長の音を筒抜けにしてしまいますので遮音上は問題外です。スタイロ打設の意味がよくわかりません。吸音材を貼るだけならもっと簡単にできると思いますが、、、?

2.置き床ですが、音の躯体伝搬を防ぐにはとても有効ですが、床だけそのような遮音性能を持たせる意味がよくわかりません。壁も、天井も必要ではないでしょうか。

3.混構造自体は問題ありませんが、構造設計、構造計算が必要になるのではないでしょうか。混構造とはせずに切り離して設計することも簡単にできるのではないでしょうか。



音の問題は以下の3つの項目を明快に考えて処置しないと、混乱してしまうと思います。

A.遮音性能:音を室外に出ないようにするため。
イ)直接伝搬
ロ)躯体伝搬
B.吸音性能:残響値を決め、室内の音環境を使用条件に合わせるため。

A.a)直接伝搬を防ぐ
RCの床壁天井で囲むことでいいと思います。ただ、RCでなくても、LGS+特殊な15mmのPB3枚(両面)+グラスウール(GW)充填で同程度の遮音性能は確保できるのではないかと思います。吉野石膏のカタログを参考にされたらいかがでしょうか。

A.b)躯体伝搬を防ぐ→サックスがどの程度の騒音になるかがわかりませんが、遮音の程度や予算がない場合には、躯体伝搬は致し方ないとする場合もあると思います。
置き床にされているのはこのような考え方に基づくものではないかと思います。ただ、壁も天井も必要です。

RC部分を外側の木の構造体と切り離せば少しは効果があるかもしれません。ただし、RCの場合は床(基礎)がつながったままです。

置き床の上にLGSで遮音壁及び天井を設置することでも可能になると思います。その場合はLGSを回りの木構造体に振動を伝えないようなジョイントで支持させなければなりません。

B.a)吸音材によって、室内側で発生音を減衰させるため、遮音上も若干の効果はありますが、サックスを練習する上でどの程度の残響音がいいのかを考える方が重要と思います。吸音材を増やして無響室にすると遮音上は問題が少なくなりますが、音楽の練習にならないですね。

吸音にはGWまたはその他の吸音材を直接張り付けるより、LGS+有孔ボードで組んで15~30cm程度の空洞のなかにGWを貼った方がずっと吸音性能が高いです。

(補足に続く)

補足

以上大変、難しい問題ですが、

最低、A.a)の直接伝搬を防ぐ必要があります。これにはRCでもいいですし、LGS+特殊なPB+GWでも対応可能です。床面(基礎面)、壁だけではなく、天井面も必要です。

次にA.a)の躯体伝搬を防ぐことは予算や、あるいは2重、3重に壁を作ることにより部屋の面積が小さくなりますので、バランスを見ながら実施するということになります。ただ、一般建築の中で楽器の練習室を作るには必要な対応だと思います。

それから、換気設備を設けることになると思うのですが、ここからも音が漏れますので排気経路の中に消音ボックス等をいくつも設置し、遮音する必要があると思います。



専門的で、わかりづらい説明になってしまったかもしれません。理論上もとても難しい問題ですが、施工する上でも十分注意を払わないと想定していた遮音性能すら達成できないことになると思います。
大変難しい問題ですが、ご参考になれば幸いです。また、お気軽にご質問ください。

<補足への回答>
たいへん、しっかりと読んで下さり、ありがとうございます。字数が限られるので簡単に。

スタイロ打設は吸音材のための下地と理解しましたが、コンクリートにつきもののジャンカや空洞が確認できないため心配です。セメントペーストで平滑にし、吸音材を貼ってはいかがでしょうか。クロスに包んだGWを貼るだけでもいいと思います。

ただ、本格的にはGWを内蔵した2重壁です。室内側は50~80%程度の穴やスリットをあけますからタイコ状態にはならないと思います。

私の申し上げる2重の床、壁、天井はこの二重壁とは異なり、躯体伝搬を防ぐ遮音のためのものです。現実には宙に浮かせることはできませんが、ゴム製のジョイントなどで振動が伝わらないようにします。GLのようにはならないように思います。

A.a)は不可欠で、A.b)をどこまでやれるかで性能が決まるように思います。どの程度の遮音性能を目指されるかによって決められたらよいと思います。木がどの程度音や振動を伝えるかはっきりとはわかりませんが、どこか思わぬところへ伝わることもあると思います。いつも問題になってやっかいなのは、躯体伝搬の方なのです。
混構造にしないで木造の柱、梁の中にRCの壁が設置されれば、その効果はあると思います。

島崎義治/島崎義治建築設計事務所
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com

騒音
構造
条件
設計

評価・お礼

harusoraさん

2013/04/06 17:42

防音室については、いただいたアドバイスを参考に、もっと整理してやっていこうと思います。
限られた予算の中で、地元の建設会社様も丁寧に対応してくださり、
私なりにも頑張って勉強して、協力していきたいと思います。
HMではこうはいきませんでした。
ただ、やはり、管楽器の防音室となると、経験されている方にお話を訊く機会がなく、お互いに手探りです。
基本的には、私たち施主の自己責任でお願いすることになると思いますが、がんばります。
本当にありがとうございました。

島崎 義治

島崎 義治

2013/04/06 22:31

評価や丁寧なコメントありがとうございます。音というのは本当に難しい問題で、1000字の制約の中では丁寧な説明ができなかったかと思います。

基本的な理論は述べたつもりなのですが、設計というのは理論通りにいかない部分も多いです。一緒に考えられている建設会社の方達とも協力して、ぜひ、頑張ってください。

必要な時には音を遮断してしまう事も重要ですが、家全体にサックスのいい音色が響き渡る事も素敵だと思います。

また、迷われたらご遠慮なくどうぞ。

島崎義治

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