対象:住宅設備
回答:2件
窓開けが基本です
特定のメーカーや方式のことは言及できませんが、一般的な部分を「私的見解」で
お答えします。
24時間換気は、もともと建材に含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質による問題
から始まったもので、本来は建材側で対処すべき問題です。
最近は、建材側での対応がかなりできてきました。これは、化学物質が含まれる建材使用に
伴う面倒な計算やイメージを施工側が忌避する為に、☆☆☆☆建材以外がほとんど使われなく
なった為にメーカー側でも対応せざるを得なかった側面があります。
しかし、それでも化学物質がゼロではありませんし、持ち込み家具などには規制が無いので
24時間換気は一応必要とされます。
ただ、せっかく高断熱にしているのに2時間で空気が入れ替わってしまうという矛盾を
内包している規制です。
かなり改善はしてきているので、ここからは施主さんの化学物質感受性によって選択すれば
良いのではないかと思います。もちろん、設計の時に建材を選ぶ事も重要です。
個人的には給気にダクトを使う方式は、ダクト内の清掃がきちんとできない環境では
使いたくないです。ほこりやカビが発生していてもわからないからです。
化学物質の発生があまりなく、また室内に排気する燃焼暖房設備を使っていなければ
住まう人の「窓開け」が基本だと思います。
日本は四季折々の季節がある国です。春や秋は窓を開けて過ごす事も多いと思います。
住宅にあまり過大な機械設備を入れるとかえって住みにくくなると思います。
おっしゃるように、一旦故障すると高額な修理費がかかります。
重要なことは、季節により太陽光を取り入れたり遮る事ができ、開ければ風が抜け、
閉めれば冷暖房が効く高断熱、といった基本的な設計だと思います。
評価・お礼
5LLLAMAGLAFHさん
2010/12/03 08:41結論としては、24時間換気システムは必要ないと言う事ですね、ありがとうございました。
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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島崎 義治
建築家
-
快適性の程度をどのように設定されていますか。
コスト的には量販店でエアコンを取り付けてもうらうのが最も安価でしょう。それも一つの考え方です。修理の場合も壊れた場所をすぐに特定でき、機器や配管が露出していますから修理も簡単です。あるいはてっとりばやく新規に購入されるかもしれません。
ある程度の快適性は獲得できますが、天井附近に熱が集中することや直接暖気や冷気が当たる不快さや不合理性は残ります。また、インテリア上は邪魔なものとなりますし、住まいの周囲には室外機をいくつも置く必要があり、配管の劣化が生じたりや外見上見苦しい状態になります。ここまで考えるのも一つの快適性の考え方ですし、そのようなことは一切気にならない方もいることでしょう。
また、窓の開閉だけで換気ができると思われますか?私は現代の一般的な高気密の住宅の窓では1箇所の窓だけで空気の流れを起こすことは難しいと考えています。仮に2か所あったとしても気圧差や温度差をつくりださないといけないので換気や通風計画は思っている以上に難しいものです。現実にはそのような住宅設計になっていないことが大半です。また、長期に家を空ける場合や夏季での夜間の冷気利用(ナイトパージ)など生活の多様性や省エネ対策により、窓を開けないで換気できることも必要になってきました。
つまり、換気や通風のある快適な住まいを実現するには、昔の民家や町屋がいろいろと工夫をし、室内に風や空気を取り込んでいたように、住居全体で空気の流れを計画することが重要であり、不可欠です。
建築基準法上、全居室に換気設備が必要になり、また同時に人間の欲求上、全居室にエアコンが設置されることを考えると、総合的に考えざるを得ないのではないかと感じます。その「総合的」というのが住まう人の価値観や建築家によって大きく変わってくる悩ましいところなのですが、住まいの空気の流れをしっかりと考え、機械設備を上手く組み込んでいけばいいのではないでしょうか。
住宅の設備というものは電化製品とは異なり、どこかで購入して簡単に取り付けて済むようなものではありません。一つのシステムであり、それゆえ住まいのシステムに有機的に取り込み、生活のシステムのなかに溶け込ませる必要があります。
補足
ご質問には住宅における根本的な問題が含まれていて、とても共感を覚えました。簡単にはお答えできるものではないですし、すぐに結論付けることも大きな間違いのもとになります。ぜひとも発言の真意や考え方のプロセスをご判断していただき、建築家や専門家とともに総合的にすまいを考えるようお願い申し上げます。
なお簡単に問題や結論を整理しておきます。1から4へ設備の比重が増します。住まいに対する欲求がどの程度あるかによって投資の効果も変わってくるはずです。ただ、少なくとも2が必要ではないでしょうか。
1.各室に換気設備(換気扇)を取り付け、同時に冷暖房のためエアコンを購入し各室に取り付けます。(ただし、換気扇は各室に必要ですし、そばにあると騒音が気になります。ただ、建築基準法上はこれで問題ないのではないかと思われますが確信はないので、当地の建築指導課へ確認してみてください。)
2.換気扇は2階の共通スペースや天井に1か所程度取り付け、各室の扉などに通気スペースをつくり、1階から2階へ、各室から上部の換気設備へと空気の流れをつくります。(建築基準法上は最低この設備が必要と思われます。この場合には小さな風量でいいし、離れているので騒音は気になりませんが、扉などから少し音が漏れることになります。また、冷暖房は1と同じでもいいですが、室外機を1か所にまとめたマルチエアコンを各室に設けると合理的です。)
3.換気システムとマルチエアコンを総合的に計画すると外の新鮮な空気を直接冷暖房して各室に供給し、同時にまとめて室外へ放出することができます。この場合には、外気の状態にあまり左右されず、室内環境をつくることができると思います。この場合は24時間システムの必要はありませんがある程度のシステム構築が必要です。
4.さらに無人時や夜間時にも対応するためには24時間換気システムがあり、多くのメーカーがアピールしています。一部にはこの方法でないと基準法が通らないかのような説明をされる場合がありますが。法規上は2で十分と言われています。
私もクライアントから24時間空調や換気を要望されており、どのように対処しようか考えているところです。ただ、エアコンを壁や天井に取り付けるようなことは考えてはおらず、床下ないしは床に近い部分から空気を吹き出そうと考えています。それを居住域空調と言い、必要な部分(人が生活する高さ2m前後までの領域)のみ必要な空調を行う新しい考え方です。
評価・お礼
5LLLAMAGLAFHさん
2010/12/06 11:06ありがとうございました。居住域空調いいですね。私もこれで行きたいと思いますが、具体的にリビングですと、床下から何mmのところに噴出し口をもってきたらよいでしょうか?
島崎 義治
2010/12/07 22:11評価ありがとうございます。また、回答に興味を持っていただいて大変ありがとうございます。
居住域空調というのは新築物件に取り付ければ済むというものではなく、あらかじめ計画をし、空調機の位置やダクトの経路も考え、進めるべきものです。
私の進める計画では、
リビングの天井高さが4m程度あり、空気の循環や省エネルギーを考えねばなりません。隣接する部分に倉庫やクローゼットを配置しておき、そのなかに空調機を納め、床下(コンクリートスラブの上に20-30cm程度の床組みを作ります。これはフローリングの下地材にもなります。)から吹き出すか、床付近の壁(たぶん幅木のすぐ上となります。が、家具の位置などにも影響されます。)から吹き出します。少し床下へ空気を漏れるようにしておくとその余熱が輻射熱(あるいは冷気)となって床面が温度調節されることも含めて考えています。
ただ、
総合的に設計をする必要がありますので建築家にご相談ください。
住宅全体の計画、リビングの形状や高さ、周囲の壁の状況や換気をどのように組み込むかによっても内容は変わります。
また、
空調自体はもちろんコストアップになりますが、全体予算の中で軽重を決め、バランス良くコスト配分を行い全体として大きなコストアップにならないようにする予定です。
お分かりになりましたでしょうか。
ご興味がありましたら、また、お気軽にご連絡ください。
(現在のポイント:-pt)
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