対象:ITコンサルティング
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XBRLは利用者にとってEXCELみたいなものと感じました。ただし、使い方を解説した本はまだ出版されていません。
財務諸表作成者にとっては決まったXBRLのフォーマットに数値を入れ込む
だけ、注記もHTMLのフォーマットに文章を挿入するだけと感じました。これであれば業者の簡単の説明とマニュアルがあればできそうな感じがしますが、他に財務諸表作成者はすることがありますか?
財務分析だけであれば、XBRL業者からでているソフトを使えばいいし、有価証券報告書の一部を引用したいのであれば、フリーソフトの見えるXBRLなどでコピペすれば十分使えます。
が実際はどうなんでしょうか。
でんきくらげさん ( 東京都 / 男性 / 46歳 )
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実務的観点からみたXBRLと、その利用方法
でんきくらげさん、こんにちは。
XBRLに関するご相談ですね。お尋ねの内容は、大きく以下の3つに分けられるれるかと思います。
・実務的な観点からみて、XBRLとはどういうものか
・XBRL形式で財務諸表を作成する方法と、その難易度
・XBRL形式で作成された財務諸表を使って財務分析をする方法、必要なソフトウェア
まずXBRLの一般的な概念から復習いたしましょう。
XBRL(eXtensible Business Reporting Language、エックスビーアールエル)は、財務データの円滑な交換を目的として、企業などの財務情報を記述するために定義されたXMLベースのデータ記述言語(データフォーマット)です。
1998年に米国で制定され、わが国では東証(TDNet)や国税庁の電子税務申告(e-Tax)が早い時期からXBRLでの情報開示や申告に対応するなど、普及が進んでいます。また大手企業では2008年4月に開始する決済年度から、金融庁(EDINET)に対する有価証券報告書などの財務報告の提出をXBRLで行うことが義務化されました。
・実務的な観点からみて、XBRLとはどういうものか
では初めに企業・団体において財務諸表作成や財務分析を行う実務者にとってXBRLがどういうものか、です。XBRLは誰でも利用できるオープンな「規格」ですので、Excelのような商用ソフトウェアよりもむしろ、CSV(カンマ区切りテキスト)ファイルのようなデータフォーマットに例える方が的確かもしれません。
また、同じXBRLという規格の中でも使用目的ごとに細分化されたタクソノミ(taxonomy:ルールを定義した辞書)が定められており、データの作り方もタクソノミにより異なります。
例えば、EDINETタクソノミでは、でんきくらげさんのご理解の通り会計方針や注記事項に関しては、従来通りhtml形式で作成することになっていますが、IFRSタクソノミでは注記事項もxmlで作成しなければなりません。
使い方を解説した本もまだ少ないですが、少しずつ出てきています。(終わりにリストを載せます)
(補足に続きます)
補足
・XBRL形式で財務諸表を作成する方法と、その難易度
XBRLはデータフォーマットですので、「財務諸表」という情報そのものを作成するまでの手順は他の形式を取る場合と変わりありません。また各タクソノミは公開されていますので、誰でも入手することができます。
しかしこの2つからXBRLによるデータを実際に作成するとなると、これは専門性が高く、あまり簡単にはいきません。EDINETではサンプルや「報告書インスタンス作成ガイドライン」などの手引書も公表されており、テキストエディタなどを使用してサンプルをベースに自社の財務諸表のデータをXBRLにすることも不可能ではありませんが、非常に大変です。
ただし大手企業の場合、IR支援業務を行っているプロネクサスや宝印刷といった会社の提供するソフトウェアがXBRL作成をサポートしていますので、これらを利用している企業であれば難しい知識を習得しなくてもXBRLデータの作成・提出を行うことができます。
・XBRL形式で作成された財務諸表を使って財務分析をする方法、必要なソフトウェア
前述のようにXBRLによるデータ作成は大変ですが、一方で公表されているデータを利用するのは比較的容易です。
特にネット上で無料で公開されているTeCAX(テカックス)というフリーソフトを使用すると、EDINETのXBRLデータを自動で取得して解析・表示することができます。
さらに、このソフトを使用してExcelへの変換も行うことができますので、Excelに取り込んでから任意に加工して分析するのがよいでしょう。
参考:XBRL関連書籍
・EDINET対応XBRL財務諸表の作成ガイドブック
著者 筏井大祐
出版社 中央経済社, 2009
・会計人のためのXBRL入門 [単行本]
著者 坂上 学
出版社 同文舘出版 (2007/02)
<関連サイト>
・東証のXBRL解説サイト:
http://www.tse.or.jp/rules/td/xbrl/about.html
・EDINETのXBRL関連ガイドライン・サンプル類のダウンロード:
https://info.edinet-fsa.go.jp/EEW1E62022.html
・vectorのTeCAXのページ:
http://www.vector.co.jp/soft/dl/winnt/business/se451464.html
回答専門家
- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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