離婚時の財産分割で共有と分筆の違い - 離婚問題 - 専門家プロファイル

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離婚時の財産分割で共有と分筆の違い

2010/08/28 12:05

姉が離婚手続中ですが、自宅家屋と土地の財産分割について、合意に至らず、長引いているため、相談を受けました。

年齢:57歳
結婚期間:35年
土地:100坪(現在の名義:2/3 夫、1/3 妻)
家屋:築28年(夫名義)
子供:長男30歳、長女25歳

妻(姉)の希望:
住居中の家屋の名義を姉名義にし、土地100坪の内、住居が建っている部分の50坪を分筆して、姉名義にする。現在住居中の家が古く、リフォームをするため、土地を担保にローンを組みたいのですが、現在、土地に夫の会社の根抵当(妻の連帯保証)がついており、名義が1/3のため、担保にできません。今は、妻の連帯保証は外し、根抵当を外すよう依頼中です。

夫の希望
家屋の名義変更は合意
土地は、分筆でなく、共有を希望

長男が夫である父親に、土地を共有にし、夫名義の中から毎年少しずつ生前贈与することを頼んでいるようです。

姉としては、早く解決し、後腐れなく自分の土地を担保にローンを組みたいので、共有にする場合の不利益がないかどうか、知りたいということなので、アドバイスをお願いします。

myko88さん ( 埼玉県 / 女性 / 55歳 )

回答:2件

沼田 順 専門家

沼田 順
ファイナンシャルプランナー

- good

共有のリスクについて

2010/08/28 12:52 詳細リンク
(4.0)

初めまして。公庫出身のCFP、沼田と申します。

登記実務も担当しておりましたので、ご回答いたします。

まず共有というのは、あくまで1つの不動産を2人で持つための
便宜的な状態であり、分筆後の単有とはまったく違います。

仮に自分の持分だけ根抵当を外してもらったとしても、
夫の会社に問題ができて根抵当を銀行に実行されてしまうと
法律的には法定地上権という住むための権利は発生しますが
おそらく自宅も処分しなければならない事態になります。

ただ中小企業のオーナー社長の場合は、会社と自宅を担保に
入れることが常識的になっており、その点で夫側も譲れない
のではないでしょうか。

少なくとも共有状態で住み続けることは、夫の会社の経営リスクと
常に向き合わなければならず、安心して暮らすことは難しいと思います。

共有を変に受け入れるよりは、自分だけですむマンションを購入するなど
別の方法を財産分与の条件として考えられた方がよろしいのではないかと
私自身は考えます。

以上、ご参考になれば幸いです。

沼田 順

銀行
登記
財産分与
分筆
不動産

評価・お礼

myko88さん

ご回答ありがとうございます。

確かに共有の場合のリスクは、持分が1/3だろうが1/2だろうが、大して変わりはないですね。
もう一度、長男と話し合い、土地の評価を確認し、分筆できないか、再度話し合うように勧めます。
ありがとうございました。

沼田 順

高評価、ありがとうございます。

いろいろご事情があると思いますが、この土地で決着させるのであれば
分筆して、きっきり単有名義に登記されるのが一番です。

無事に事が進みますよう、祈念いたします。

沼田 順

回答専門家

沼田 順
沼田 順
(兵庫県 / ファイナンシャルプランナー)
Office JUN 代表

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井本 須美尾

井本 須美尾
司法書士

- good

どちらにしても金融機関は渋ると思います

2010/08/30 14:56 詳細リンク
(4.0)

ご質問の内容から汲み取れる範囲、及び他の回答者と重複する部分については割愛して回答いたします。

まず、後腐れの無いようにしたいのであれば、共有状態の維持はお奨めしません。

その理由の主なものは次の2つです。
1.共有である限り、その土地の処分については双方の合意が必要なこと、
2.その土地の保存行為(賃貸借契約の解除等)は
その持分の大小で決まるため、3分の1では決定権が無い。

また、妻の希望である「連帯保証(人的保証)」、「根抵当権(物的保証)」から外れることは、
根抵当権の対象となる担保価値が大きく下落することから、
共有状態を維持したとしても、金融機関は受け入れないでしょう。

また、建物の名義を妻に変更し抵当権をはずすといったことも、
担保物権の再評価、法定地上権の検討、融資の再稟議など、
大変煩雑な手続きとなり、担保割れなどのリスクから、
これも金融機関が首を縦に振るとは思いにくいですね。

土地の分筆にしても同様で、接道・形状による鑑定評価の減額など、
これも金融機関が渋ることになるでしょう。最悪の場合は貸はがしもありえます。

理屈上は、持分のみの根抵当権設定や抵当権実行は可能とはいえ、
現実にそのような競売をまともな人間が受けるとは思えないので、
どちらの希望も無理があるように見えます。

最後に、長男の生前贈与を受けるという案も、
その間中ずっと会社の経営リスクを負担し続けることになり、
あまり得策とも思えません。
100坪の土地の持分3分の2の生前贈与を、相続税のかからない範囲において行うのに何年かかるかの試算も必要でしょう。

共有のままでは、将来お金が必要なときに売却すら出来ないことも、念頭に入れておく必要もあります。


多少見た目の額は目減りするように見えても「後腐れが無い」という部分においては、
金銭による清算がもっとも後腐れが無く、夫の会社の経営リスクの影響を受けにくいといえるでしょう。

補足

民法も「共有」という形態を嫌っています。
現実には起こりうるのでやむなく規定はしていますが(249~264条)、
紛争の元になるため、何かに付けて共有関係を解消する方向に持っていこうとしています。
(例・255条~258条などの共有物分割)

ですから、共有状態というのは特殊な状態であり、それに対しての負担・リスクはそれぞれが負いなさいというのが法の基本スタンスです。

そういった背景も鑑みて、今後の方策を講じてください。

抵当権
贈与
分筆
保証
担保

評価・お礼

myko88さん

丁寧なアドバイスありがとうございます。
確かに所有形態の変更などについては、本人と弁護士さんとの口約束で、金融関係とどれほどきちんと話しているのかは、先方任せになっていたので、確認するように伝えます。
ありがとうございました。

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