対象:事業再生と承継・M&A
後藤 義弘
社会保険労務士
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ご質問ありがとうございます
*''■ 回 答''
''株式の貸し借りは可能です。''
''【解 説】''
**''1. 株式の貸し借りは可能か?''
金融機関からお金を借りる (「金銭」 消費貸借) のと同じく、ご質問の 「株式」 の貸し借り (「株式」 消費貸借) も可能です。
例えば金融機関で100万円のお金を借りた場合、借り手はそのお金を (使途が限定されたものでない限り) どのような目的に使おうと自由ですが、ある一定期日にもとのカタチ、つまり100万円に戻して返さなければならなりません。 (通常は、これに加え相当の利息も払うことになります。)
「株式」 もこれと同じ考え方で貸し借りの目的物として成立します。
したがって、借り手は借りた株式に備わる (議決権や配当を受ける) 権利を自由に行使することができる、ということになります。
**''2. 貸し借り後株主権はどうなる?''
おそらく、取引に伴い先方と契約書を交わすことになると思いますが、そこで貸し借りの目的となる株式の返還の期日や利息の支払いなどその他契約の内容が決められ、結果株式の名義は取引先の会社となり、同社の株主名簿からrohasさんの会社名が消え、貸借期間中、その株式の株主権は取引先会社が行使することになると思われます。
**''3. 先方の意図・目的は?''
次に、先方が今回rohasさんへ提案された取引の目的ですが、現在、お取引先の会社とrohasさんの会社の株式を通した権利義務関係がどのようになっているかうかがえず何とも言えませんが、通常の普通株式をお持ちであるという前提でいくと (あくまで推測に過ぎませんが・・・)
(1) 議決権をある株主に集中させるニーズがある
[事業承継/経営権争い etc.]
(2) rohasさん所有の株式が (も) その対象となっている
(3) これを (1) の株主もしくは会社 (取引先) が買い取る
補足
(4) しかし買取資金、財源((会社が買い取る場合、一定の財源の範囲内でしか株式を取得できない))等何らかの弊害で (3) の措置がとれない
よって、今回rohasさんに 「貸し借り」 というかたちでの提案があったのではないかと推測します。
(もっとも 「贈与」 という選択肢も考えられますが、rohasさんの会社から財産権をタダで奪うかたちとなり適当ではないでしょうし、仮にrohasさんの会社が贈与に応じたとしても、株式の時価によっては、先方に多額の贈与税負担が発生する可能性もあり、やはり適当な選択肢とはなり得ないでしょう。)
**''3. 取引の対価は?''
現在配当も受けていない、議決権も行使していない、というような状況であれば、今回の貸借の対価として一定の 「利息」 が会社の収入としてあがることになります。
**''4. 問題点は?''
今回のrohasさんの会社の株式の借り手が個人株主であれば 「相続」、会社であれば 「清算」 「破産」、「合併」 などの事態が生じた場合、ややこしい問題となりそうなので、もしこの取引に応じるのであれば、そのあたりの事態を想定した約定が必要でしょう。
以上、前提や仮定が違えば、今回の回答も話が違ってくると思うので、くれぐれもあくまでご参考程度にお留めください。
以降、先方より具体的なアクションがあった際は、顧問弁護士さんなどにご相談ください。
ご質問ありがとうございます。
今後tもAll About ProFileをよろしくお願いします。
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この回答の相談
以前、弊社がある取引先の会社に出資し、いくらかの株式を持っています。
先日、その会社社長から、弊社の持つ株式を 「貸してほしい」 という相談を受けました。
「売ってほしい」、「買い取りたい」 なら… [続きを読む]
rohasさん (東京都/37歳/男性)
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