対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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外断熱ヒートブリッジ
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遠州さんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡と申します。
前職では、原則としてRCは外断熱とし、現在、当事務所の設計では、さらに温度解析も加え、合理的なRC外断熱を目指しています。
ヨーロッパ、特に北欧の極寒地域では、断熱材厚が100mmであったり、2重窓はあたりまえ、3重窓もあると聞いていますが、全体のディテールや断熱材の種類、全体の合理性がわからないので、正確には把握していません。
日本で、「外断熱」と称している建物は、ご指摘のように、ベランダや開口部のまぐさ部等、ヒートブリッジが多いものが多いのは事実です。
ベランダでは、片持ち構造となるので、ヒートブリッジを皆無にすることは不可能ですが、RCスラブで持ち出すのでなく、構造を切り替えることで、断熱材も連続させ、ヒートブリッジを最小限にすることは可能です。
難しいのは、地下居室を持つ場合で、高性能の外防水と外断熱の両立がとても難しいのです。
地中は深さ2mほどで温度はほぼ恒温となり、地下階の温熱環境は快適であることから、私は一般に地下では防水を優先に考えています。
地階のガレージでは、ガレージ天井が外部で、上階の床の下となるので、一般外壁以上の断熱が必要です。
RCの外断熱の特徴は、コンクリートの熱容量が大きいことによる蓄熱効果にあります。
断熱を連続させる意味で、ヒートブリッジを減らすことは重要ですが、経験的には、少々のヒートブリッジがあったとしても、外断熱の蓄熱効果はあると考えています。
窓は、断熱を連続させるため、ガラスは複層ガラス(ペアガラス)にする必要がありますが、ガラスには蓄熱効果はありません。
サッシは、できれば断熱サッシが良いですが、窓の断熱性を上げる効果より、サッシ部の結露防止が大きいです。
参考まで。
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評価・お礼
遠州 さん
早速のご回答有難う御座います。ベランダの処理は理解出来る様な気がしますが、基礎部分についてさっぱりです。この場合ガレージとの断熱が確かに問題ですし、仰る通り地下室の防水は以前から気になっていました。20年前に近所の地下室を見せて頂きカビ臭に驚きました。2重壁や換気、排水といろいろ有るでしょうが、防水技術については昔とあまり変わらないと聞いています。ご回答の中で難しいと言われているのはあまり良い方法が無いと解釈出来ます。壁構造にして熱容量が大きくなれば、ヒートブリッジを上回る効果があるとお考えですね。ガラスはスペーシアを考えています。断熱材は独立気泡の物を考えていますが、価格が上がります。高強度コンクリートについても減水剤やスランプ値の関係等理解しなければならない問題が沢山あります。土建業の知人によると橋などに使うコンクリートはリュウベ20万円もするそうですが、生コン組合のHPを見るとリーズナブルのが多いようですが、監理上の問題は残るのでしょうね。有難う御座いました。
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この回答の相談
RC外断熱2F建を考えていますが、基礎部分やベランダ等のヒートブリッジ対策で納得行くものがありません。日本の現状やヨーロッパなどの先端技術を教えて下さい。尚、平均地盤が路面より高い為、… [続きを読む]
遠州さん (神奈川県/70歳/男性)
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