対象:経営コンサルティング
不動産を個人で買うか、法人で買うか (税務的な補足)
担当の会計士の方がいらっしゃるようなので、既にご承知かもしれませんが、税務的な観点から若干補足させていただきます。
結論的には、個人で購入して会社へ賃貸すれば、法人側で多く経費を発生させることが可能になりますし、個人にとっても、給与以外にも収入ができることになります。
一方、個人に不動産所得が発生し、余計な税金を払う可能性もあります。このような仕組みのほうがよろしければ、個人で購入されたほうがいいです。
特に何もなければ、法人で購入したほうがいいかと思います。
では、もう少し、細かく見ていきたいと思います。
個人で購入し会社へ貸与した場合、給与以外に会社から賃料収入が不動産所得として発生します。一方、経費として、減価償却費や固定資産税、火災保険料、ローンの利息等が計上することができます。この不動産収入から経費を差引いた金額が課税所得とされます。
個人の場合、青色申告をしていれば、青色申告特別控除として所得から一定金額を引くこともできます。ただし、青色申告特別控除は、事業的規模(5棟10室と言われるように、戸建で5棟、アパートの場合10室以上の不動産を保有している場合等をいいます。)となっていなければ65万円ではなく、10万円となりますので、あまり大きなメリットではないかもしれません。
なお、賃貸用の不動産には住宅ローンの特別控除は使用できません。
一方、会社としては、直接購入よりも、経費を多く計上できますので、利益を圧縮したい場合などは有効かもしれません。
しかし、個人の税務申告や毎月の振込等を含め、事務作業が増えて煩雑になります。
なお冒頭で、給与所得以外に不動産所得を得られると書きましたが、賃料のかわりに給与を上げることができるのであれば、給与を上げればいいですし、給与の方が給与所得控除がとれるために有利です。 (ただし1人オーナ会社の場合は話が若干違ってきます)
回答専門家
- 森 滋昭
- ( 東京都 / 公認会計士 )
- 森公認会計士事務所 公認会計士・税理士
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監査・税務・ビジネス、”3つのキャリア”で、約20年。 その間、いつも「決算書の数字の奥にあるものをみる!」感覚を研ぎ澄ましてきました。 だから・・・ベンチャーから上場企業まで、あなたの会社の、一番の社外サポーターに!
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この回答の相談
事務所を借りて、有限会社を経営しているのですが、今回事業にも十分使える広さの土地と倉庫と居住用の建物もある物件が見つかりました。
事務所と倉庫を借りている分の年間300万弱の… [続きを読む]
kaikai1さん (富山県/35歳/男性)
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