E-lineと口元の関係について

こんにちは,東京都立川市ひるま矯正歯科の晝間康明です.

E-lineとは側貌において鼻の先端(鼻尖)と下顎の先(オトガイ部)結んだラインの事です.鼻尖とオトガイは思春期に成長しますので,お嬢様の成長がまだ残っているようであれば今後も変化する可能性があります.成長は身長が伸びるタイミングと同じですので,まだ身長が伸びているようであれば期待できるかもしれません.

一方で,鼻尖とオトガイの成長が期待できない場合は上下顎前歯を後退させる事で口元はE-lineの内側に入ってきます.現在行われている矯正治療が上下顎前歯を後退させる方針で,前歯の後退中であれば今後も改善する可能性があります.しかし,上下顎前歯を後退させる矯正治療では殆どの症例で抜歯をともなう治療方針となりますので,お嬢様が非抜歯の治療方針であれば口元ははE-lineの内側に入ってこないかもしれません.
また,抜歯による治療方針だったとしてもオトガイ部が未発達な場合は,矯正治療だけでE-lineの内側に口元を引っ込める事は困難な症例であると考えられますので成長が終了するのを待って外科矯正やオトガイ形成術で対応する必要があります.

成長がどのように変化しているかを確認したり,前歯がどのように後退しているかを確認する方法として矯正歯科医が一般的に用いる方法がセファロの重ね合わせと言う方法です.この様な資料を分析してもらえれば現在の状況が質問者さんにもよく分かると思うので担当医に尋ねてみると良いでしょう.

セファロの重ね合わせについて→　http://www.hiruma.or.jp/html/documentary/33.htm

以上,参考になれば幸いです.