対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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地下で最も注意すべきなのは防水
すくあーろさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡と申します。
RC外断熱の利点は、大きく次の3点です。
・外側からスッポリ覆うので、内断熱と比べ、断熱が連続しやすい。
・コンクリートが蓄熱体であることから、温度変化の少ない快適環境
・躯体を外部環境からスッポリ覆うので、躯体の長寿命化
当事務所では、RC建物は、原則外断熱(地上部)で考えています。
断熱方法は、外部仕上に影響し、タイル仕上の多い日本の建物は、圧倒的に内断熱が多いです。
地下の外断熱ですが、後半の防水の工法と関連するのですが、防水性能の高い、山留壁を型枠として地下躯体を打設する方法では、地下外断熱施工は難しいです。
山留壁が平滑でなく、断熱材がしっかり止められず、躯体に入ってしまう恐れがあり、しかもチェックができないからです。
地下では、土の断熱性能と地中温度を考慮する必要があります。
土の断熱性能は、土の種類によりますが、概略スタイロフォームの1/20位です。
小さい値のように見えますが、地下の回りはずっと土なので、1mの厚みを断熱に有効と考えても、スタイロフォーム5cmに相当します。
土はそこそこ断熱性能があるのです。
さらに、深さ2m位で、季節・気温に余り左右されない温度分布となります。
つまり、地下は、断熱がないとしても、温度変化の少ない環境なのです(体感的にも)。
地下の地表に近い部分の断熱を補強する意味で、地上が外断熱でも、地下は内断熱で良いと思います。
補足
住宅の地下で注意が必要なのは、防水です。
地盤の水位が低い所でも、大雨が降ると一時的に地表近くまで上がります。
この時、水を全く漏らさないのは、プールに水を漏らさないのと同じような防水が必要で、地下防水はとても難しいのです。
地下をきちんと防水するためには、外側を防水する必要があります。
内防水は効果ありません。
ビルでは、大きな基礎梁が必要なため、上下にコンクリート床の2重床(地下ピット)とします。
住宅では2重床は必要ありませんが、構造形状に応じ、万一水が入った場合、水を排出するしくみが必要です。
このような住宅では、木造しか経験のない所でなく、RC系のしっかりした知識を持つ設計事務所に相談されることをお勧めします。
施工会社も、木造しか知らない工務店では、現場監理に苦労します。
設計も監理も、RCのノウハウが必要です。
住宅での地下のさまざまな問題点について、当事務所でサイト作成計画していますので、しばらくお待ち下さい。
詳しいことは、お気軽にお問い合わせ下さい。
当事務所メールアドレス:keeper@partita.jp
参考にしていただけたら幸です。
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当方、地上3階+地下室の建築プランを考えています。
第一種低住なので、斜線が厳しいため半地下方式ではなく、ドライエリアを設けてほとんど地上面にでないような地下室設置を考えて… [続きを読む]
すくあーろさん (東京都/37歳/男性)
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