対象:住宅設計・構造
野平 史彦
建築家
4
各社を評価すると
- (
- 5.0
- )
yokochinn様
これだけの情報でお答えするのは難しいのですが、
今頂いている情報だけで、省エネ性と持久力?を判断すれば、
C社>B社>A社
ということになります。
<A社についての評価>
まず、断熱性能が低い。タイベックの遮熱性のものを用いても基本的に断熱性能が低いと、その効果は薄い。冬も暖かくはないが、夏場、3階は相当暑くなると考えられます。
「耐震にとても力を入れていて〜」「特別に気密処理はしない」などから判断されることは、内部結露の危険性について考慮していない。構造躯体が腐っては耐震性も保てません。
夏場の遮熱をLow-eガラスに頼るよりは、庇等,外部で遮光対策をする方が圧倒的に効果がある。また、Low-eガラスは冬場に取り入れたい太陽熱を遮断してしまう。Low-eガラスは断熱タイプのものを北側等,陽の射さない面の窓に用いましょう。
「ダクトレスの第一種換気」ということは、冬場、冷たい外気を扇風機の様に引き入れる、ということですから、普通はありえません。常識的には第三種です。
全体的に、このA社は省エネ住宅のつくり方、否、家づくりの基本が分かっていない様に思います。
<B社についての評価>
開口部の熱損失の違いはある程度あっても、断熱性能としては3社の中で最も高い。
3階の暑さ対策としては最も効果が高い。
デコスはセルロースの中に糊の成分が入っていて、吹き込んだ後、固まってしまうので、沈下の心配はなく、調湿効果を活かすため、通常は気密シート張りは行ないません。壁内結露に対しても保証を付けています。
補足
分からないのは「自然換気」。法的に自然換気をクリアするには、相当大きな穴を空けなければなりません。その穴は、殆ど断熱の意味を無にする程になりますから、普通は考えられません。自然換気と言っているのは、単に機械換気設備が付いていない、ということなのでしょうか?
でも、それでは確認申請が通らないはず。どうなっているのでしょう?
この換気の問題をきちんと解決できれば、第一候補となります。
<C社についての評価>
次世代省エネ基準をクリアしている間違いのない高気密・高断熱住宅なら、A社、B社に比べてトータルとしての性能面では最も安心できる。(詳しい内容不明なので、この程度言及できるのみ)
しかし、家づくりというのは、こうした性能ばかりに目を向けていても、いい家にはなりません。「設計力」がなければ、こうした物理的な性能は活かせないし、その設計力をビルダーに任せてしまうこと自体に問題がある様に思います。A社、B社、C社というレベルで悩んでいてもいい家は手にできないことを認識して頂ければと思います。
======
省エネ住宅を考えるなら、当社HPの「住宅断熱基礎講座」をご覧下さい。
======
評価・お礼
yokochinn さん
回答、ありがとうございます。
根本的な事をないがしろにしていました。
やはり、短期間で勉強しようとしても、結局のところ
奥が深すぎてよくわからなく、空回りをしていたような気がします・・。
家は一生の買い物であり。信頼出来る人にお任せしたいです。
少し着眼点を変えてみようと思います。
とても参考になりました。
(現在のポイント:1pt)
この回答の相談
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A