先ずはご主人のうつ病改善が先決・食生活のチェックも
うつ病になると神経伝達を司るセロトニンの活性が低下し、意欲や気力が衰えるのはもちろん、性欲も減少する傾向があります。もちろん個人差は大きいのですが、うつ病にかかった場合には性欲の低下とも絡んで、子作りをどうするかが一つの大きな課題となります。
それだけでなく薬の影響も無視できません。抗うつ剤は上記のセロトニンの活性を何とか高めようとするのですが、副作用として情緒の不安定や肝機能障害などが伴います。それがひいては生殖能力を低下させかねません。
従って夫婦でうつ病に立ち向かうというスタンスをとる場合、先ずはうつ病そのものを改善させることが最優先となります。うつ病がある程度改善してきてから子作りについて話し合った方が、お互いにストレスが少ないと思われます。
確かに35歳という年齢を考えると、早く子供がほしいというお気持ちも分かります。しかしここで焦ってしまい、ご主人に無言のプレッシャーがかかっては、良くなるものも良くならない危険性があります。
薬の副作用を考えると、一日でも早く薬を減らしたいと考えがちですが、あまりに拙速に減薬しては、反動でうつ症状が悪化することがありますので、慎重な対応が求められます。やはり主治医とよく話し合いながら調整していくべきです。
薬を減らしながら、うつ病を改善させる方法はないものか。一つの切り口が「栄養」です。最近、米国などで注目される研究成果の一つとして、うつ病などの精神疾患の原因の一つは「栄養バランスの乱れ」だという捉え方があります。
うつ病患者に共通した特徴として、食生活の乱れがあるという観察結果があります。それによると、糖質の過剰と、対照的なアミノ酸、ビタミン、ミネラルの不足により、セロトニンに代表される神経伝達物質が不足し、うつ病を誘発するというのです。従って、先ずは食生活や栄養バランスに課題がないかをチェックすることが大切ではないかと考えられます。
回答専門家
- 吉野 真人
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
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病気を治したり予防するにあたり、いちばん大切なのは、ご本人の自然治癒力です。メンタルヘルスを軸に、食生活の改善、体温の維持・細胞活性化などのアプローチを複合的に組み合わせて自然治癒力を向上させ、心と身体の両方の健康状態を回復へと導きます。
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この回答の相談
主人は、10年ほど前よりうつ病で内服薬を飲み続けています。2年半前に結婚し、うつ病に対し、二人で立ち向かっています。
主人は内服薬のためか性欲はあまりなく、性行為もうまくいきません… [続きを読む]
yuさん (大分県/35歳/女性)
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