対象:住宅設計・構造
『季節』と『陽当たり』のズレ
南東側に間口11mの接道、しかも畑・公園を望む
コレは最高の条件だと思います。
(高圧線は通っていませんよね??)
真南に向いた家をフツウに建てると、夏の西陽がキツく暑い家になりがちです。
あまり知られていませんが夏のお盆頃の太陽はゴールデンウィーク頃と同じ軌跡を描きますから、
陽の光は家の中まで良く伸びて入ってきます。
私たちが感じている暑い(寒い)季節と、
太陽の動きがもたらす陽当たりの多い(少い)には常に2ヶ月ほどのズレがあるんです。
夏至は6月21日ごろ、でもいちばん暑いのは8月中旬。
冬至は12月21日ごろ、でもいちばん暑いのは2月中旬。
ちなみに一日のなかでも、似たようなズレがあります。
太陽がいちばん高いのは昼12時、でもいちばん暑いのは15時頃。
太陽が真裏にいくのは夜中12時、でもいちばん寒いのは早朝3時頃。
約3時間くらいのズレです。
さて、これをよく頭に入れて、
庇をどう計画するか・・・となると、じつは専門家にとってもかなり悩ましい問題なのです。
8月中旬15時頃の太陽は堪え難いから遮りたいけど、
春先のうららかな日射しはありがたいものですよね。
でも太陽のたどるコースは同じ。
そこで、南東に大きく窓が採れる敷地であれば、
朝早い時間から2時くらいまで太陽をいっぱい取り込み、
西陽のツライ時間帯は壁でしっかりガードする、ということができるのです。
もちろん、どんな土地であってもよい建築家と出会えれば建物にできる工夫は最善を尽くして盛り込んでくれるでしょう。また、暮らしながら暖房やカーテン・スダレで環境を調整していくことでも対応できます。
ただ、できることには限りが必ずあります。
だから、せっかく南東に大きく開けた土地ですから、
そこを選べばいいのに・・・とは、素直に思います。
(添付の写真は「朝の家」という物件。
各季節の太陽の軌跡を描いた天球儀を模型にかぶせて、ライトで照らし、軌跡の線に沿って動かすことで、陽当たりを再現します。)
回答専門家
- 須永 豪
- ( 長野県 / 建築家 )
- 須永豪・サバイバルデザイン
響きあう木の空間
森や山と人、地球が健全に回っていく様子を見届けたい。 木を街に届け人の営みに森をもたらし木が、森が、地球が、生命が、人が、そして星々や宇宙までもが響あいはじめるそんな木の建築空間宇宙の意図が起動する響きあう木の空間をつくろう
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