対象:住宅設計・構造
安藤 美樹
建築家
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構造・工法選択について
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ノニさん、こんにちわ。
安藤建築事務所の安藤と申します。
木造と鉄骨造の違いで、大きいのは、建物の重さです。
それ故、地盤の状態で、杭等の費用で、違ってくる可能性もあります。
地盤が良いロームで、良好地盤だと、鉄骨造でも、木造でも杭などのお金は発生しませんが、軟弱地盤で、杭などが必要になってくる場合は、鉄骨造の方がお金がかかってくる事もあります。
そういう意味で、地盤の状態を把握することは、構造選択では一つポイントになるかもしれません。
次に気になるのが、工法の違いです。木造でも鉄骨造でも、大きく2種類の工法があります。壁式工法なのか、ラーメン工法(=柱と梁を剛接合である工法、壁はいりません。)なのかが、大きな違いです。
木造でも在来木造や2x4工法は壁式です。木造ラーメン工法というのもあります。
鉄骨も重量鉄骨ブレース構造や軽量鉄骨造は壁式です。鉄骨ラーメン工法もあります。
建物の耐震性で、最も重量なのが、土地の形状や間取りで、適した工法を選択することだと考えます。
壁式工法は、壁が有効に入らなければ、耐震性がある建物とは言えませんので、耐震性のある建物計画では、注意が必要です。
例えば、
・土地の形状がうなぎの寝床のようで、1階に駐車場を計画する場合は、1階に壁がバランスよく入りませんので、壁式にするのは、適切とは言えません。
・3階建てで、一番地震や風の力がかかり、壁が必要なのは1階です。1階に十分に壁がとれないようなプランの場合は、壁式は難しいかもしれません。
・1階部分が駐車場とかで、そのすぐ上を、はねだし部分にして壁を計画している事例もたまに見かけますが、これは、壁が有効に働かず、耐震性として問題のある建物です。
・吹き抜けのある建物も壁がどれだけ有効に働くのをチェックしないといけません。
などです。
間取りを考えるときは、選択する工法が適しているかどうかを見つめる事を是非、お勧めします。
評価・お礼
ノニちゃん さん
大変詳しいご返答をどうもありがとうございました。やはり、きちんと地盤を調べて、地盤と間取りに合った工法を選ぶことが重要なのですね。間取りをもう少し詰めて考えたいと思います。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
容積率160%の土地を購入し、2世帯3階建ての新築を考えております。現在建築をどのようにするか検討中ですが、3階建ての場合耐震等を考えると木造と鉄骨が良いのでしょうか。費用の違いも含めてメリット… [続きを読む]
ノニちゃんさん (神奈川県/39歳/女性)
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