IHとラジアント

キョンコさん、こんにちは。

ご質問をいただいてからだいぶ時間が経ってしまいましたが、遅ればせながら私なりの見解を述べさせていただきたいと思います。

さて、IH、ラジアントヒーティング、いずれのクックトップも調理をするための熱を得るために電気を使用するもので、その表面(天面、鍋などを置くところ)はセラミックガラス製で完全にフラットになっています。

見た目だけではどちらがどうなのかわからないという製品もありますね(下の画像はミーレのIHとラジアント)。

この両者の違いは加熱方式の違いで、簡単に言うとIHは間接(誘導)加熱、ラジアントは直接加熱ということになります。

つまり、表面のガラストップの下に、それ自体が発熱するヒーターがある(ラジアント)か、ない(IH)かの違いとも言えます。

IHの発熱の仕組み(電磁誘導加熱)についての解説は他に譲るとして(製品メーカーの情報など)、両者の優劣を判定してみましょう。

*IHクックトップ vs ラジアントクックトップ

**熱効率の高さ=IH
鍋などに伝わる熱はIH90%、ラジアント70%(ガスは最大55%)

**周囲が汚れにくい=IH
空気中への熱の放散がより少ない(鍋しか熱くならない)ので油煙が遠くまで飛び散らない

**部屋の空調への影響=IH
上記と同様の理由、特に冷房使用時にメリット大

**使用する鍋などの材質=ラジアント
両者とも底が平らなものでなければならないが、IHでは鉄やスチール製(磁石が付くもの)以外は使えない(例えば、アルミ鍋、ガラス鍋など)

**製品の価格=ラジアント
IHは全体的に高いものが多く、ラジアントのほうが安い

**魚焼きグリル付き=IH
IHは国産もあり、それらにはグリルが付いているものが多い。ラジアントは主に輸入製品でグリルの付いているものはない



大体こんなところだと思いますが、総合的に考えるとIHのほうに軍配が上がるのかもしれませんね。

ご検討の一助になりますでしょうか?



キッチンデザイナー　近藤壯一郎