対象:住宅設計・構造
野平 史彦
建築家
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ご参考まで
バンプラ様
住宅における計画換気というのは、0.5回/h、即ち、2時間で家中の全体の空気が入れ替わることになる訳ですから、換気による熱損失は大きいのです。
しかし、高断熱・高気密住宅の場合、「断熱」「気密」「換気」「暖房」という4点セットのバランスで考えるので、「換気」による負荷を見込んだ「暖房」を計画しているので、どの様な換気方式でも「寒い」という室内環境を作らないようにしています。
計画換気の基本は、居室などのクリーンゾーンから給気して、台所、浴室、トイレ、あるいは収納といったダーティゾーンから排気を行なうという空気の流れを計画する事です。
排気型の第三種換気の場合、居室に給気口を設け、そこから新鮮空気を取り入れるので、冬場は直接外の冷たい空気がそこから入り込むことになるので、それが寒いと感じることになります。
単純な第一、第二種種換気にするとその給気口にファンが付いて強制的に給気を行なうことになるので、さらに寒さを感じることになります。
第二種でもOMソーラーのように、新鮮空気を暖めながら取り入れるシステムではその直接的な寒さを感じることは少なく、第三種の場合でも、そうしたアイデアを取り入れれば、寒いという感じはなくなるだろうと思います。
建築士さんが、給気口を蓄熱暖房機の近くに取っている、というのもそのひとつと言えるでしょう。
ロスナイを使えば勿論、新鮮空気を暖めて給気するので、寒い感じはしないかと思いますが、評判が良くない、というのは、何でもそうですが、機械部分が多いとそれだけ故障の原因箇所が多いということであり、給気にダクトを絡めるとダクト内に溜まった埃を吸気してしまうこと、また、停止している時期があるとダクト内にカビが生えたりすることがある、という問題があります。
補足
第三種換気の換気設備を取り付けて、冬場、寒い様でしたら「停止」しても構わない、と思います。(停止のスイッチがあるなら)
基準法で機械換気設備を義務付けたのは、規制し切れないVOC(揮発性有機化合物)を換気設備で担保させようという意図であり、VOCは気温の高い夏場に揮発しますが、冬場はあまりその心配がありません。
しかし、その場合、「停止」している期間、室内で発生している水蒸気が溜まり続けますから、断熱は何でも構いませんが、壁体内結露を起こさない様にきちんとした「気密」措置を取っておくか、透湿抵抗理論に基づいた外壁構成を考えておく必要があります。
その他、暖房については、30坪程度ですとユニデール一台での暖房を考えているのかもしれませんが、熱の発生源はできるだけ分散した方が家の中の温度ムラを防ぐことができます。
参考にして頂ければ,幸いです。
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