対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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屋根と外壁の違い
つけめん王子様こんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
ほとんど野平さんの回答に近いのですが、少し補足したいと思います。
箱形、屋根・外壁共金属板、というのは、私が設計する住宅の標準的な構成で、当事務所の住宅の全体の過半数を占めます。
同じ金属板でも、屋根と比べ、外壁は、使用できる選択肢が拡がります。
これは、屋根と外壁とでは、雨漏りに対する要求レベルが異なるからです。
外壁も雨で濡れますが、直接雨を受け続ける屋根は、より高いレベルの耐-雨漏り(防水)性能が必要です。
外壁で良く使われる、角波(スパンドレル)、小波は、屋根で使えるレベルの防水性能はありませんが、コストは安いです。
屋根:ガルバリウム板のスタンディングシーム又は平葺き+外壁:角波、という組合せは、比較的ローコストで実現できます。(機能的にも優秀)
スタンディングシーム、平葺きは、屋根に使用できる防水性能を持つのだから、外壁にも使用できますが、角波と比べ、コストは高くなります(平米あたり数千円アップ)。
屋根、外壁を、同材料、同形状(スタンディングシームや平葺き)で構成した建築は、角波の外壁にはない、存在感と暖かみが生まれます。
写真は、屋根、外壁共、同材同形状の平葺きで構成した家と、外壁のみ平葺き(+菱葺き)のものです。
共に、RC造です。
雨漏りするかどうかは、屋根屋さんの技量が重要なのはもちろんですが、ディテールの完成度によります。
美しく、かつ雨漏りを起こさない屋根は、設計者のディテールへのこだわりと工夫の賜物です。
参考にしていただけたら幸です。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
はじめまして。
自邸を計画しております。
木造2階建てで、私の好みですが、切妻屋根で、軒の出をなくした箱のようなフォルムにしたいと考えております。
屋根と外壁を一体にし、金属板で葺きたいのですが、… [続きを読む]
つけめん王子さん (兵庫県/38歳/男性)
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